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 先端理工学部応用化学課程 内田欣吾 教授のバイオミメティックスに関する研究が[CSJカレントレビュー35]「有機・無機材料の相転移ダイナミクス 数理から未来のマテリアル開発まで」<化学同人 ISBN:978-4-7598-1395-1. (2020年3月26日発行)>に掲載されました。

 

掲載ページ:

第8章「フォトクロミック結晶表面の光誘起ダイナミクス:光照射で生成するバイオミメティック結晶表面」(P.100-107)


2020年3月23日、龍谷大学と京都府が「犯罪のない安心・安全なまちづくりに関する協定」を締結しました。この協定は、“誰もが犯罪の被害者にも加害者にもならず、安心して暮らせる共生社会の実現”を目的に掲げ、2020年度より官学連携による事業を展開していきます。
【>>リリース全文】:https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-5212.html


写真右:京都府 府民環境部長 大谷学氏/写真左:石塚伸一教授(本学法学部、犯罪学研究センター長)

写真右:京都府 府民環境部長 大谷学氏/写真左:石塚伸一教授(本学法学部、犯罪学研究センター長)


日本では近年、犯罪や非行の繰り返しを防ぐ「再犯防止」が大きな課題となっています。とりわけ、欧米諸国と比較して受刑者の高齢者率が上昇傾向にあり、出所後に生活支援を得られずに窃盗などを繰り返す高齢累犯者が多いのが現状です。
そこで、法務省の「再犯防止推進計画」は、罪を犯した人が自らの罪を悔い改め、犯罪や非行を繰り返すことなく、再び社会を構成する一員となるよう指導・支援することが重要だとし、現在、各地方自治体で再犯防止のための地域コミュニティでの福祉的支援について、さまざまな検討・取組が行われています。


写真:京都府との締結にあたっての懇話風景(於:深草キャンパス紫光館)

写真:京都府との締結にあたっての懇話風景(於:深草キャンパス紫光館)


龍谷大学 犯罪学研究センターは、対人支援による再犯防止を目指しています。これまでの研究成果を踏まえ、2020年度より学際的な知見の共有、支援者研修の実施、手引き等による情報発信を推進していきます。


なお、この協定に関連して犯罪学研究センターでは、京都府健康福祉部薬務課と連携し、薬物乱用防止を身近な問題として考える模擬裁判の開催を2020年8月に企画しています。

【>>関連記事(2019/8/8開催)】:
薬物乱用防止を身近な問題として考える契機として、高校生と共に模擬裁判を開催ー白熱の「覚せい剤取締法違反(使用)裁判」
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-3949.html


犯罪学研究センター(CrimRC)の研究活動に携わる研究者について、気軽に知っていただくコーナー「犯罪学CaféTalk」。研究の世界に馴染みのない方も、これから研究者を目指す学生の皆さんにも、是非読んでほしい内容です。
今回は、石塚伸一教授(本学法学部・犯罪学研究センター長)に尋ねました。
───────────────────────────

Q1. 石塚先生の行っている研究について教えてください。
「刑務所が大好きなんです。なんで刑務所が好きかというと、近代社会が出来上がることが社会科学にとっては一番大きな課題であるからです。農村から人が都会へやってきて、そこで社会が出来上がってきて、それを作るための枠組みが法律です。なぜそういう社会になるのか不思議じゃないですか?どうしてそういう社会ができるのかが解けないと、なぜ法律を守らなければいけないのかがわからない。そんな話をしているときに『主体』と『客体』、『行為』と『約束』が近代社会の成立における基本的な構成要素で、近代社会では約束を守れる人が出てきたということが分かったんです。約束を守りましょうという社会になっていくプロセスの中で、刑務所が登場するんです」



──どういう風に登場するのでしょう?
「16-17世紀にかけて、農村が解体されて人々が都市に集まりました。商売を始めると、約束を守ってくれないと契約が履行できないし、商品交換社会が出来上がるときには必ず約束がキーワードになります。刑務所に入っている人はどういう人かというと、約束を守れない人です。守れない人は倫理的に守らないのではなくて、守ったら生きてはいけない人なのです。何も持っていない人、暴力しか手段がない人は、都市に集まった時に約束を守る社会には入れません。安定した商品交換社会で生活できないのです。そういう人たちを、そうじゃない人に変えるプラントとして刑務所ができました。毎日朝起きて働いてご飯食べて夜寝てまた働く、それを繰り返せるような人たちを作ろうとしたんです。そうじゃないと生きていけませんからね」

──刑務所の研究を通して刑務所を変化させることを望んでいるのか、それとも社会全体を変化させたいのか?
「社会を見たいだけで、変えたいとは思っていません。何かモノがあって、どの視点から見ようかと考えたときに、刑務所からだとよく見えるなと思ったんです。刑務所を定点観測していったら社会がよく見えるなと思いました。刑務所を通して『社会』が見たいんです」


Q2. さまざまな見方がある中で、刑務所を選択したきっかけは何ですか?
「悪い奴が好きなんです(笑)。ルールを守れない人が好きで、僕自身もルールを守るのが苦手なんですよ。苦手なんだけど、小さい頃に親にこうしなさい、ああしなさいとか言われて…。学校に行ったらちゃんと良いことしないといけないなとか、勉強しなきゃいけないと思ったんですけど、でもやっぱり向いてないなあと思いました。自分が好きなものを見ている方がおもしろいし、興味や関心があったから。刑務所がすごくおもしろい。契機になったのは、大学2年の時に友達から『この論文読んでみなよ』と言われて読んだ、京都大学の吉岡一男先生の『刑務所における賃金制について』という論文です。それまで法律の教科書しか読んだことがなかったんですけど、教科書はわかりやすく書かれていて、まるでハンバーグとかスパゲッティみたいなものでした。論文はそうじゃなくて、すごく骨のある固い肉を食べているような感じで。それを読み解いていった時『ああ、これこれ!』と思いました」


Q3. 研究をしていて辛かったことはありますか?
「そりゃ辛いです。楽しいことなんて全然ない、わからないんだから。勉強すればするほどわからないんです。20代には2度と戻りたくないです。論文が書けなかったし、考えられないんですよね。1つのことだけを考えていると、すぐに思考が止まってしまう。次の問いが解けなくなってしまって、それを解くためには全然違うことを勉強しないといけない。そんなことを繰り返しているうちに、『自分は何がやりたいんだろう』ってなりました。周りの人がスムーズに研究テーマを決めていてすごくうらやましかった…。ドイツの刑務所の起源みたいなテーマに当たったときですかね、ドイツが好きだったので、ともかくドイツのことをやるんだって決めて少し楽になりました」


Q4. 犯罪学研究センター長として、100年後の犯罪学はどうなっていると思われますか?



「2つあります。無くなっているか、犯罪学が法律学など他の学問領域を支配しているかじゃないでしょうか?今はその分岐点にあると思います。犯罪学に対する社会的ニーズが高まっているものの、それを犯罪学という枠組みの中でやる必要があるのかという大きな課題があります。例えば『福祉』として考えるとか。また、治安政策も機能しなくなっています。なぜなら、犯罪は減っている、それも世界中でです。刑務所人口も2000年以降減少しています」

──それはなぜ?
「簡単には答えられません。でも、実は犯罪が増えているからですね。犯罪認知件数は減っているし刑務所に入る人の数も減っている。だけど実際のところ犯罪は増えている。犯罪学の一番おもしろいところはそこです。みんなが常識で考えるのは "犯罪が減っているから刑務所の人口が減って、犯罪認知件数が減っている" でも、犯罪学ではそんな見方をしません。逆です。認知件数が減っているってことは”警察が捕まえられる犯罪”が減っているということです。つまりは、捕まえられない犯罪が増えているということです」

─その前提として、犯罪は社会においてある一定の数で、必ず生じるものだということですか?
「もちろん。犯罪がない社会になんて住みたくないです。みんながそれこそ何も考えずぼーっとしていることになれば犯罪は起きませんが、それは嫌なんです(笑)。ずるい人もいて、悪い人もいて、良い人もいて、良い人と思ったら悪い人で、悪い人と思ったら良い人で、だから社会はおもしろいんです。だから社会という枠組みでものを考えるのはおもしろい。みんなが同じ資質を持つ、同質性の社会はつまらないですから」

「ちなみに、刑務所の役割って一度なくなったんです。なぜかというと学校教育ができたから。刑務所の初期でやっていたことと教育で時間をかけてやっていることは同じです。社会で生きていくということは、社会に適合していくことですから。それがうまく適合できないことがまたおもしろいわけで。それが変わってきているんじゃないですか?教育に変化が現れてきている。学校に来て勉強していることと、働くことが全然繋がっていませんよね。昔は繋がっていましたが、繋がらないからみんな専門学校に行ったりします。明治以降作られてきた近代教育制度から実態がずれ始めている、あるいは逆の方向を向いています」

「だから引きこもったり、会社に勤めなかったりする人たちってある意味で自己防御をしているんです。自分で周りの環境を変えようとしてしんどくなっているんだと思います。そういう人たちがたくさんいて、これから多数になっていくんじゃないでしょうか。そうすると従来の犯罪は無くなると思います。街で人のものを盗んだりとか人を殴ったりする人はいなくなります。なぜいなくなるかというと、ずっと部屋に引きこもっているからです。例えばユーチューバーとかは今は普通の生活の仕方じゃないって言われているけど、むしろそっちが普通になったときに、社会を統制しようと思う人たちは統制の仕方を変えないといけません。今までは悪いことをした人を外で捕まえていたのが犯罪だったんだけど、”登場しない人たち”を捕まえるためには新しい社会統制システムを構築しないといけない。従来型の犯罪学は100年後はないと思います」

「後者の”犯罪学が法律学など他の学問領域を支配している”というのはあくまで仮説です。主体がいて客体がいて約束をするという構造が壊れると思います。法律学って言われているもの、法律という構造自体が変わるのではないでしょうか?主体がいなくなった、約束だけで成り立っている社会になるんです。キャッシュレスなんてまさにそうですよね?キャッシュレスとは何なんでしょうか。お金をやり取りするのはわかりますよね。でも人同士の直接的なお金のやりとりはないんです。信じるものが変わり、信じ方も変わると思います。浮遊しているような生き方、と言いましょうか。バーチャルな空間をふわふわやっている間に一生が過ぎるみたいな。今から10年、20年経った時代に生まれてくる子は、お金自体を目にしないと思います。そういう人たちが出てくる社会でも”社会”と呼ばれる以上は統制しなければならないから、ある程度規範秩序を作らなければいけなくなって、それに違反すると犯罪と言われるようになって、従来型の犯罪以外の犯罪統制システムができて…。その時にやっぱりその逸脱への対応を研究する学問として、犯罪学があるんじゃないですかね。逸脱行動を犯罪と呼ぶか呼ばないかはわかりませんが」


Q5. さいごに、石塚先生にとって研究とは何ですか?



「『遊び(ル-デンス)』です。ホモルーデンスっていう言葉を知っていますか?近代社会の人間をホモエコノミクスと言って、これは経済的な利益を求めて行動する合理的人間像を意味します。対してホモルーデンスというのは遊びをベースに考えます。楽しいからやるという行動原理で動く人たちを表した言葉です。人は、お金儲けができるから仕事選んでいるんじゃなくて、おもしろいから仕事をしているんじゃないですかね。『おもしろそう!』って好奇心で動いた時の人間の行動原理って尊い気がします。遊びで動いている時の人間、楽しいから動いている人間って生き生きしていて良いですよね。その楽しいと思える気持ちが、人間の行動原理だと思います。多分、それは人間の進化の過程で埋め込まれているんじゃないかと思います。学問は楽しいよ」


石塚 伸一(いしづか しんいち)
本学法学部教授、犯罪学研究センター長・「治療法学」「法教育・法情報」ユニット長、ATA-net研究センター長
<プロフィール>
犯罪学研究センターのセンター長を務めるほか、物質依存、暴力依存からの回復を望む人がゆるやかに繋がるネットワーク“えんたく”(アディクション円卓会議)プロジェクトのリーダーも務める。犯罪研究や支援・立ち直りに関するプロジェクトに日々奔走。


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