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【本件のポイント】

  • 発酵過程のサンプルから乳酸菌を分離して解析した結果、発酵初期に複数の乳酸菌種が検出された後、2カ月目以降にLentilactobacillus buchneri①)が優占種になることを発見
  • 微生物がもつ環境ストレス応答機構が、自然発酵食品において優占種となるための重要な因子である可能性を示唆
  • 本研究成果は、食品科学系オープンアクセスジャーナル『Food Science and Nutrition』誌に掲載(Webでは既に公開)https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/fsn3.3002


【本件の概要】
 龍谷大学 発酵醸造微生物リソース研究センター②)長の田邊 公一教授と同副センター長の島 純教授は、滋賀県内で購入した鮒寿司③)から分離される乳酸菌を分離同定し、また鮒寿司製造過程で分離される乳酸菌種を経時的に調べ、優占種が決定するメカニズムに迫る研究結果を発表しました。本研究は、遺伝学的解析・微生物解析・環境ストレス応答機構などの観点から行われたものです。
 遺伝学的解析では、16Sリボソーム遺伝子の解析から、市販の鮒寿司から分離される主要な乳酸菌がLentilactobacillus buchneri(以下、L. buchneri)であることが明らかになりました。また、CRISPR (clustered regularly interspaced short palindromic repeat) 領域の遺伝子解析の結果、分離されたL. buchneri株は単一の遺伝子型ではなく、遺伝的に異なる複数のグループに分類できることが示されました。これによって、特定のL. buchneri株ではなく、L. buchneriが共通して持つ性質が、鮒寿司製造環境で優位性を発揮する原因の一つであると考えられます。
 微生物解析では、鮒寿司の発酵途中のサンプルを経時的に採取し、分離培養をもとにした微生物解析を行った結果、発酵初期に複数の乳酸菌種が検出された後、2カ月目以降にL. buchneriが優占種となることを見出しました。
 環境ストレス応答機構については、L. buchneri株の乳酸、酢酸、NaClに対する耐性を調べた結果、他の乳酸菌と比較して高い乳酸耐性を有することがわかりました。
 以上の結果より、鮒寿司の発酵過程においてL. buchneriは、乳酸耐性によって発酵終盤に増殖し、優占種になると推測されます。本研究の結果は、自然発酵食品において優占種が決定される一つのモデルを提唱するものです。

1.発表論文
英文タイトル:Lentilactobacillus buchneri domination during the fermentation of Japanese traditional fermented fish (funazushi)
タイトル和訳:日本の伝統的発酵食品(鮒寿司)の発酵過程におけるL. buchneriの優位性
著者名:田邊 公一1・2・島 純 2・3
所 属:1農学部食品栄養学科、2発酵醸造微生物リソース研究センター、 3農学部植物生命科学科
掲載誌:Food Science and Nutrition(Wiley社)
URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/fsn3.3002
※    2022年7月27日Web公開済

2.用語解説
①  Lentilactobacillus buchneri(レンチラクトバチルスブフネリ)
グラム陽性乳酸桿菌。国内では、赤カブを使用した長野県木曽地方の伝統的な発酵食品「すんき」から分離された報告があります。ヘテロ乳酸発酵によって、酢酸と有機化合物の1,2-propanediolを産生します。食品以外ではサイレージ(乳酸発酵させた家畜用飼料)の改良に用いられています。

②  龍谷大学 発酵醸造微生物リソース研究センター
滋賀県の発酵醸造産業を支援することを目指して2021年度に開設。発酵醸造に有用な微生物の収集とデータベースの構築、およびそれらを活用した応用研究の展開を目的として研究活動を行っています。
微生物収集にあたっては、主に滋賀県の食品や自然環境から、麹菌、酵母、乳酸菌を網羅的に探索・収集し、保存しています。これらの微生物について、菌種同定と発酵特性の解析を実施し、得られたデータをもとにデータベースの構築を進めています。

③  鮒寿司
魚を塩とデンプン(代表的には米飯)で乳酸発酵させた日本古来の寿司である「なれずし」の一種。魚を長期保存する方法の一つとして伝わり、製造方法は琵琶湖でとれるニゴロブナを塩漬けにした後、米飯をかさねて重石をし、6ヶ月以上かけて自然発酵させます。この間、乳酸菌が産生する乳酸によってpHが低下して雑菌の増殖を抑えつつ、タンパク質が分解されることによってうま味が増幅します。また近年では、栄養補助食品として、鮒寿司由来の乳酸菌が錠剤で販売されています。

問い合わせ先:龍谷大学 発酵醸造微生物リソース研究センター
Tel 075-645-2154 E-Mail hakko-rc@ad.ryukoku.ac.jp
HP https://hakko.ryukoku.ac.jp/


 

実践真宗学研究科の入学試験の受験を検討しているみなさんを対象とした進学ガイダンスと、合同研究室の開放を以下の日程で開催します。

 

日々の研究や学生生活など、先輩方から直接お話を伺うことができます。

学部・学科・専攻、学年に関わらず、どなたでも参加いただけます。ぜひご参加ください。

 

<進学ガイダンス>

日時:9月11日(月)11:00~11:40

※オンライン(Zoom)配信情報については下記参照

https://us02web.zoom.us/j/84131411446?pwd=ZmcwSU5YT1l3Y0plOWx2UFZ6QmY2Zz09

 

<合同研究室開放>

日時:9月11日(月)11:40~17:00

 

 



2022年9月4日付の「朝日新聞グローブ」第262号の特集「変わる刑務所」に浜井浩一矯正・保護総合センター長(本学法学部教授)のインタビューが掲載されました。
この特集は国際的な視点から拘禁刑施行後の日本の刑務所の在り方を考えるものとなっており、ノルウェーやイタリア、シンガポールなどの取組が詳しく紹介されています。「受刑者の更生はどうあるべきか」をテーマに実際の刑務所で勤務経験もある浜井センター長がインタビューに答えています。インタビューでは、日本の刑務所の実情や課題、海外の事例などを分かりやすく説明しています。最後に「更生とは、普通の市民として社会で生活できるようになることで、それは1人ではできない。刑務所を出た後に生活を立て直し、社会の一員として認められなければならない。周囲の理解と助けが必要である」と述べられています。
この特集に興味・関心のある方は以下をご覧ください。

GLOBE+https://globe.asahi.com


【本件のポイント】

  • 亀岡市と南丹市をフィールドとして地域の課題解決に取り組む学生たちが、今年4月からの活動成果、課題を報告し、地域のステークホルダーの皆さんと意見交流、ディスカッションを実施
  • イタリア発、農山村ソーシャルイノベーションの手法「ファーマーズ・ディナー※」を学生と地域の方々が体験
  • 食べるだけで地球温暖化防止に貢献できる野菜「クルベジ®」と地場産の有機野菜を使い、地元のパティシエが調理したスウィーツの試食・品評会を実施

 

【本件の概要】
 「政策実践・探究演習」は、学生が地域の課題解決に関わりながら実践的な力を身につける 「Problem Based Learning(PBL)」科目です。今年度は4つのテーマ・地域で取り組んでおり、その一つ亀岡・南丹プロジェクトでは22人の受講生が以下の3班に分かれて、特に農業に関わる課題について活動しています。
 今回の企画提案発表会は、今年4月以降の受講生の学びの成果として課題解決に向けた提案を行い、地域の皆さんと共有し、企画実施に向けてブラッシュアップすることを目的としています。
 亀岡・商品開発班からは、試作品が提供され、参加者が試食して意見交換を行う品評会も実施します。


1.各班の活動内容
①    南丹班:南丹市日吉町世木地域の活性化のため、地元の地域振興会と昨年度から協働。今年度は土壌微生物を活用した環境保全型農法について農家と学ぶとともに、世木地域を構成する4つの区(中世木、生畑、殿田、木住)のつながりを強化するための商品企画にチャレンジ。
②    亀岡・商品開発班:持続可能な地球環境とフードシステムの実現に寄与するため、地元農家の生産するクルベジ®と有機野菜を使ったスウィーツを、パティスリーペルル(亀岡市篠町)さんと共同開発。開発費用を賄うためのクラウドファンディングにも挑戦。
③    亀岡・ファーマーズディナー班:イタリア農村の課題解決に力を発揮している「ファーマーズ・ディナー」というワークショップ手法を日本の地域にも適用し、地域課題解決につなげることをめざす。有機農業拡大をめざす亀岡市役所とも連携。

2.開催日時・場所
  日時:2022年9月10日(土)13:00〜15:00
場所:保津浜TERRACE(亀岡市保津町宮ノ前19-2)

3.当日のプログラム(予定)
・開会挨拶・趣旨説明(5分)龍谷大学政策学部 准教授 大石尚子
・参加者自己紹介(5分)
・学生による報告(30分)南丹班/亀岡・商品開発班/亀岡・ファーマーズディナー班
・休憩・場面転換(10分)
・ファーマーズ・トリート(treat/おやつ)ワークショップ(65分)
  学生+連携先 二人一組で自己紹介(10分)
  全体でパートナーの紹介(20分)
  パティスリーペルルさん試作品の試食会(15分)
  質疑応答・意見交換(20分)
・地域のステークホルダーの皆さんからのコメント(5分)

4.参加者(予定)
「亀岡・南丹プロジェクト」受講学生
「亀岡・南丹プロジェクト」連携先・ステークホルダーの皆さん



※ファーマーズ・ディナー
イタリア語のContadinner(農家の夕食会)の英語表現。イタリアで農村コミュニティや農業そのものに対する価値観の変革をめざす若者集団「Va'zapp」が取り組む「食」を介したワークショップで、交流の少ない農家同士のコミュニケーションを深め、新たな関係構築からソーシャル・イノベーションのためのアクションにつなげることを目的としている。


問い合わせ先:政策学部 准教授 大石尚子 E-Mail
 nao-ooishi@policy.ryukoku.ac.jp


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