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2019(平成31)年3月3日に行われた第33回管理栄養士国家試験の合格者発表が3月29日に行われました。
本学農学部食品栄養学科は、67名が受験し、66名が合格、合格率は98.5%でありました。
※全国平均合格率:60.4%

2015年4月に農学部が開設し、今回が初めての管理栄養士国家試験の受験となりました。
農学部食品栄養学科では、実践力をもった管理栄養士の輩出をめざし、手厚い国家試験対策はもちろん、全国でも少ない、農学部にある管理栄養士養成施設である
特長を活かした「食」と「農」を実践的に学ぶ様々な取り組みを行っています。

管理栄養士国家試験(国試)対策についての詳細はこちら
https://www.agr.ryukoku.ac.jp/career/kanrieiyoushi.html


滋賀県漬物協同組合と、本学農学部食品栄養学科との産学連携による取り組みとして、2016年度より、「近江つけもの」のブランド化を目指すというテーマのもと、「近江つけもの」や関わりの深い近江の野菜等について学び、その後、同協同組合と学生・教員が連携し、新しい「近江つけもの」のレシピ開発を進めています。
2017年度からは学生団体「近江つけもの研究所」を結成し、2018年度も引き続き活動を継続。このたび3度目となる「漬物グランプリ」に挑戦しています。

本日は、<2次書類&実食審査>に進んでいる3品の漬物を滋賀県漬物協同組合の組合員に実食していただき、さらなる助言をいただきました。

・赤丸かぶの甘酢漬け“アドベリー風味“
・赤丸かぶの発酵漬け
・かぶらの万能ジュレ

2次審査の結果は4月上旬に発表。本日の助言がさらに活かされるべく、3品とも決勝大会に通過することを期待しています。
なお、本日の試食会の様子はNHK大津放送局 おうみ発630 にて4月に放送される予定です。






 「政策実践・探究演習(国内)洲本プロジェクト(以下、洲本プロジェクト)」(担当:的場信敬教授)では、洲本市企画課と学生の目線で捉えた洲本市内のサイクリングマップ「すもリング」を作成しました。
 このマップは、洲本市の観光スポットや飲食店、ホテル、再生可能エネルギー施設を自転車で巡ることを目的に、企画から制作まで学生がアイデアを出して作りました。春に打ち合わせ、夏の合宿で何度も市内をクロスバイクで走り、秋にルートを決めて試走、冬にマップ製作、1年間かけて完成したものです。


 実際に自分たちで走ってみて、走行ルートは「インスタ映え満喫コース」、「ストイック山道挑戦コース」、「海と山を欲張りコース」、「優雅に走る爽快コース」の4つを考えました。海沿いを走りながら景色を眺める、山の上から景色を楽しむ、猟師町を走るなど、それぞれの魅力を紹介しています。途中に立ち寄る休憩所や飲食店、観光スポットなども自分たちで選んでいます。


インスタ映えする「supremeの壁」


紹介した猫カフェでお茶

 また、洲本プロジェクトがこれまで進めてきた「グリーン&グリーン・ツーリズム」のマップとして使えるよう、五色町の風力発電、ウェルネスパーク五色、竹チップボイラー、千草竹原の小水力発電、塔下新池フロートソーラー発電所、龍谷フロートソーラーパーク洲本などの再生可能エネルギー施設を掲載しています。
 デザインはNPO法人淡路島アートセンターの協力を得て、ポップで可愛らしい仕上がりになっています。プロのデザイナーと仕事をする機会に恵まれ貴重な体験になりました。完成したマップ3,000部は、イベントなどで配布して洲本市を訪れる人を増やしていきたいと考えています。



2018年度 大津市まちづくりLAB 1年間の事業を終えました。

<背景>
少子・高齢化による人口減少社会の時代を迎えて、行政が主体となるまちづくりの限界から、地域の構成員がそれぞれの能力を発揮して、主体的にまちづくりに参画するガバナンスの形成が求められ、その一つとして、オープンガバナンスが注目を集めている。その主体の一つとして特に大学の立地に恵まれた大津市において、大学生の視点から課題解決に向けた取り組みを地域住民とともに研究し、大津市仰木の里学区をモデル地区として「持続可能なまち」に向けた取組みを模索していくための事業を実施することとなった。

<仰木の里学区の特徴・魅力・現状>
2019年1月27日(土)に仰木の里学区自治連合会の方を対象に、地域の魅力と課題を引き出すことを目的に、「地域住民へのワークショップ」を行った。
本ワークショップは龍谷大学政策学部 深尾 昌峰 教授がファシリテーターとなり、龍谷大学の学生と地域住民6名~7名の2グループ編成で行い、付箋を活用しながらワークショップを実施した。
本ワークショップを行った結果、地域住民から地域の魅力98件、課題141件(重複しているものあり)があげられた。
仰木の里学区で暮らす地域住民は、同学区で生活していく中で、多くのメリットや魅力を感じているものの、一方で地域住民同士のつながりの希薄化や、全国各地のニュータウンで加速している街のゴーストタウン化などを地域住民が危惧されていることから、課題の抽出の方が多くなったと考えられる。

<2018年度活動一覧>
2018年12月26日(木) 研究生(本学学生)地域デビュー
2019年1月27日(日) 地域住民へのワークショップ
2019年2月16日(土) 仰木の里地区 学生まち歩き
2019年2月21日(木) 学生ミーティング
2019年2月23日(土) 学生まち歩きフィードバック、地域住民との意見交換
2019年3月3日(日) 学生ミーティング
2019年3月9日(土) 地域住民へ2018年度のまとめ報告
2019年3月13日(水) 学生ミーティング
2019年3月15日(金) 学生ミーティング
2019年3月18日(月) 学生ミーティング
2019年3月19日(月) 大津市長へまとめ報告、ミーティング







2019年3月3日(日)、龍谷大学 犯罪学研究センターは深草キャンパス紫光館4階法廷教室にて、ジャーナリストの安田 純平氏をお招きし「対テロ戦争における『いのち』~シリア拘束40か月の安田純平さんが、いま、京都で語る~」と題した講演会を開催しました。
犯罪学の研究対象は、殺人や詐欺など個人の法益を侵害する犯罪だけではなく、内乱のような国家の存立を危うくする犯罪、大量虐殺のような人道に対する罪も含みます。今、世界では紛争によって多くの命が奪われています。これらを「犯罪の被害」という視点からとらえ、多くの方と「いのちの大切さ」について考える機会とするため、この講演会を企画しました。
【イベント概要>>】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-3097.html

安田氏がシリアにおいて2015年から3年4ヵ月にわたり拘束されていたことは、記憶に新しい出来事です。何度も危険な目に遭遇されながらも戦場の最前線で取材し、昨年の帰国後も「自己責任論」などの批判を受けながら、それでもなお真実を伝え続ける理由とは?ジャーナリストとしてのスピリットについて講演していただきました。
当日は定員の100名が聴講。シリアでの拘禁当時の状況や心境など、取材時の写真をスクリーンに映しながらの迫真の内容に、じっくりと聴き入る講演会となりました。



本講演会は、前半の部で安田氏の講演を、後半の部で犯罪学研究センター長の石塚 伸一教授との対談が行われました。

冒頭、司会者による紹介の後に「スーツは落ち着かないんです」と断りを入れながら、Tシャツにダウンジャケット、デニムパンツに足元はスニーカーという出で立ちで登場した安田氏。
講演の序盤では、取材目的に「対テロ戦争」を掲げるにあたり、あえて「テロリスト」という表現は使用していない、と話しました。そこには「テロとは何なのか?」という問いが常にあるとのこと。印象的だったこととして、2004年にイラクで拘束された際、テロリストと呼ばれる人達が普通の村人だったことを述べました。彼らが紛争に加わった経緯とは、米軍が突如、地域を占拠し、拘束・虐待されたり家族を殺されたりしたことから、反米感情が高まったというものです。安田氏は「そもそもイラク戦争がなければ、その地で平穏に暮らし続ける人々だったであろうことは容易に想像できた」と語ります。ここで「テロ」とは何なのか? 話題は核心へ向かいます。
日本の犯罪であれば、被疑者として裁判を受け、有罪判決が下ってはじめて犯罪者と呼ばれますが、テロリストにはそういったプロセスがありません。殺人罪や内乱罪など、既存の法律で表現できる点を無視し、あえて「テロ」という表現で恐ろしいイメージを与え、人々に想像の余地を与えず思考停止に陥れる。安田氏はその点を厳しく指摘しました。
「テロとは主観的な表現であり、定義も曖昧です。それなのに今『テロリスト』という言葉は、他国へ介入しようとする国家権力者だけでなく、メディアにも一般人にも、都合の良い表現になっている。相手をまるでモンスターのような存在に仕立て上げ、テロリストであれば無条件に殺してよい、潜伏している地域は空爆してもよいとする……そんな風潮に危機感を覚えます」。内情も明らかでないまま「外」の社会からテロリストと定義することで、相手の人権すら奪っているのだと警鐘を鳴らしました。



つづいて、取材先に潜入する際の苦労や、2015年に拘束された際の話題に。まず紛争地域で反政府組織の実態を取材するには、その国の政府が定めた法律に従っているだけではたどり着けないこと。いたしかたなく正攻法以外で潜入した結果、不法入国扱いとなってしまい、国外追放の憂き目に遭ったエピソードなどが披露されました。さらに2015年の拘束当時の話では、当初スパイ容疑で捕まったものの、疑いはすぐ晴れたこと。しかし、先の2004年の拘束の件で、相手から何ら要求の出ていない単なるスパイ容疑による拘束だったにも関わらず、「人質」と報道され、まるで日本が身代金を支払ったかのような憶測情報がインターネット上に出回っていたため、金銭との引き替えを要求する人質として扱われてしまったことにも触れました。日本側への生存証明のため、幾度か伝言を書くよう指示されたそうですが、仲介役になって商売しようとしたブローカーがやったもので、日本政府は全く関与していなかったそうです。家族から聞き取った、本人しか答えられない質問を相手に送り、正しい答えが戻ってくれば本人が生きているという証明になるのですが、本人が答えてから妻が内容を確認したのが2年7カ月後で、日本のテレビ局が取材で入手したものでした。人質を本当に捕まえていること、今も生きていることが確かでなければ身代金の支払いはできません。これらのことから、身代金の支払いどころか交渉があったかどうかも疑わしい、と述べました。そのなかに家族への暗号を盛り込む工夫をしたことも、実際のメモの写真とともに紹介されました。自身としては覚悟のうえの取材だったため、日本政府に身代金を払ってもらうつもりは全くなかったそうです。ですが、その考えをどうにか伝えておかないと、もしもの時には残された家族が世間から糾弾されるかもしれない、と考えたそうです。

講演の終盤、石塚教授がマイクを握り「なぜ危険を冒してまで取材をするのですか」と問いかけました。安田氏がジャーナリストとして信念を持ったのは、新聞記者時代だったと言います。戦争に限らず、身の周りで起きることについて、一人の人間という立場から“自分ごと”として探究できる存在でありたいと考えたそうです。また、石塚教授の「報道組織に所属するより、フリーランスの方が動きやすいのですか?」という質問に対しては、「組織に所属していると、つてやバックアップなど有利な面もあります。しかし、私が望む取材の大半はフリーランスにしかできないような題材です」ときっぱり。さらに「紛争地域の報道は成果を発表する場が少なく、利益を出すのが難しいのですが……」とも明かしました。

いったん休憩を挟み、後半の部では安田氏と石塚教授のトークセッションを実施。最後には安田氏の奥さまも登壇され、ジャーナリストとしての信念を貫く安田氏への思いを語りました。

まず、石塚教授が「先ほど生存確認のお話がありましたが、拘束されたとき、身代金を払ってほしい気持ちはありましたか」と切り込むと、安田氏は改めて「ノー」と答えました。「どのような状況下でも日本政府が身代金を払うことはないと思いますが……」と前置きしたうえで、「だからこそ、自分の判断で潜入先を選べる自由があります。その自由には、死ぬことも含まれることは理解しています」と明言。
ここから話題は、世間の一部で上がっていた「自己責任論」に言及することになりました。石塚教授は「安田氏を非難する人が使用する『自己責任』という言葉は、危険な考え方だと思います」と指摘。「作為や過失による行動には責任を取るべきですが、不可抗力な災いに巻き込まれることは『被害』です。安田氏も、誘拐・拘禁という犯罪に巻き込まれた被害者だったんですよね」と語り、“危険な地域へ自ら赴く=拘束された結果は自己責任の範疇”とする論調に異を唱えました。
その言葉に安田氏は「政府の退避勧告に従わなかった点も指摘されるのですが、退避勧告地域は政府が自由に設定できます。言い換えれば、政府にとって不都合な地域を指定することも可能だということ。政府の発表が果たして真実で、正しいのか? 民主主義国家に生きる私たちは、その点も自分たちで判断しなくてはいけないと思っています」と添えました。
また、戦争・紛争に対する報道機関のあり方として、イラク戦争時の米国エンベッド取材(軍の活動に同行するかたちでの取材)を例に挙げ、「エンベッド取材は軍に守られて最前線まで取材できる一方、政府が選別したものしか取材できない。それは記者の仕事とは言えないと思う」と語り、危険を伴ってでも真実を伝えたいという安田氏の想いが会場に強く響きました。


安田 純平氏(ジャーナリスト)

安田 純平氏(ジャーナリスト)


石塚 伸一(本学法学部教授、犯罪学研究センター長)

石塚 伸一(本学法学部教授、犯罪学研究センター長)

対談の後には、聴講者からの質疑応答の時間が設けられました。「40ヵ月間もの拘束中、心を保っていられた支えはなんでしたか」という質問には「自分の身に起きたことを、なんとしても発信したいという想いでした」と安田氏。そして一番気がかりだったのが、日本にいる家族のことだったと語りました。
ここで石塚教授の誘導で、講演会に同行されていた安田氏の奥さまがステージ上へ。ジャーナリストとしての信念を貫く安田氏へのエールと、安田氏が拘束されていた間は精神的に苦しかったこと、それでも帰国を信じ続けたことなどを話され、安田氏を支持する人々の祈りがあったからこそ、解放という奇跡的な結果に繋がったと感謝の言葉を述べられました。

安田氏いわく、人質を拘束した組織が何らかの交渉を目論んでいた場合、そのやりとりは必ず秘密裏に進められるそうです。「日本のマスコミはすぐに大々的に報道する傾向があるが、公にすることで人質が危険にさらされる恐れがある。国内で人質事件があった場合には、人命に配慮して報道を控えた、ということをするのに、海外での人質事件では争うようにして不確かなものまで報道してしまう。報道されることによって解放に近づくということは一切ない。家族へのバッシングが起きるだけで、報道によるメリットは何もない」とのこと。帰国してから事実とまったく異なる報道が多数あったことに驚き、またその報道から起こった世論によって家族に大きな負担をかけた、と口惜しさを滲ませていました。この話を受けて、石塚教授は「まさに、犯罪被害者の家族も同じことが言えます」と話題を繋ぎ、大きな事件ともなれば、心が傷つき疲弊しているところに報道陣が押しかけ、憤りや悲しみのコメントを要求する報道のあり方に疑問を呈しました。

最後に石塚教授があいさつに立ち「安田氏が2018年10月に解放されて、まだ4ヵ月ほどです。回復途中のところ貴重なお話をうかがえたこと、参加者の皆さんとこの場を共有できたことに心から感謝申し上げます」と締めくくりました。

犯罪学研究センターでは、今後も「生命(いのち)」の大切さについて、さまざまな視点からみなさんと一緒に考える機会を設けていきたいと考えています。


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