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2022年11月26日(土)、「第3回オンライン高校生模擬裁判選手権大会」*1に向けた事前講義がオンライン上で開催されました。本イベントは、札埜和男准教授(本学・文学部、「法教育・法情報」メンバー)によって企画されたものです。
【>>EVENT概要】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-11571.html  

今回は、日本を代表する刑事弁護人である後藤貞人*2弁護士(大阪弁護士会)による講義後、死刑制度に関して高校生らと後藤氏のディベートが行われました。当日は、大会に参加する高校生と一般参加者をあわせて53名の参加がありました。


刑事裁判は何をするところか -弁護人の役割-


講義の様子1

講義の様子1

刑事裁判は何をするところか?その答えは千差万別です。後藤氏は「いろいろな言いぶんがあるが、“真実をあきらかにする”、“被害者の恨みをはらす”、“被告人が真人間になる機会を与える”といったイメージは、一見正しいようにみえて、実は誤解にもとづいている。被告人が黙秘したから真実が明らかにならないという報道、必ずしも被害者の望んだ罰がくだされないという実情、そして被告人の大半は、判決時の裁判官が説諭したことを覚えていないという現状がある。被告人にとって大事なのは、自分はどうなるのかということであり、そこに改悛の情などが入り込む余地はない。ほとんどの人は罪をおかしたことを後悔する。しかし反省や更生は、裁判の場で行われるのではない」と指摘しました。

つづいて後藤氏は、担当した事件やえん罪事件を例に出しながら「刑事裁判は、検察官・弁護人によって、過去に起こった事実を証拠に基づいて再現するところだ。犯罪かどうか、誰が実行したのか、なぜ起きたのか、どのような態様なのかなど、事実を立証する責任は検察官が負っている。提出された証拠で“合理的な疑いを超えた証明”がなされたかどうかがポイントだ。しかしながら、しばしば“明確で客観的な証拠”が用いられないことがある。証拠が改ざんされたり、隠されたりといったケースだ。そのため、弁護人はケースセオリー(case theory, theory of the case)を意識しながら検察官と対峙しなければならない。つまり被告人にとって有利な点、不利な点をすべて洗い出し、それらを統合した上で矛盾なく論証する必要がある」と、検察官と弁護人が果たす役割を説明しました。
さらに“アメリカの証拠法の父”と称されるウィグモア(John Henry Wigmore、1863 - 1943)の『反対尋問は真実発見の最大の発明である』という言葉を紹介しながら、裁判における尋問テクニックや最終弁論のポイントを高校生たちに伝授しました。

後藤氏は、改めて弁護人の役割について「“なぜあんな奴の弁護をするのか”とよく質問される。どのような悪人であれ、むしろ、味方が誰もいない極悪人にこそ弁護人が必要だ。なぜならば、人間の尊厳が守られる社会とは“自分の言いぶんを伝えたい”という声を封殺するような社会であってはならないからだ」と述べました。


死刑制度は必要か?


講義の様子2

講義の様子2

後藤氏は、死刑制度について「個々の事件について死刑を科すべきか否かという議論ではなく、死刑制度が不正義を内包する制度であるがゆえに死刑制度を廃止すべきだ。日本では刑事手続きにおいて慎重に判断されるため、死刑を科し、死刑を執行することには何の問題もないという人がいる。果たして本当なのか?」と疑問を呈し、自身が体験した裁判や著名な事件を例にとり、「手続きに携わる実務家の判断が常に公正だとは限らない。人間であるがゆえに、誰しもが社会的バイアスや偏見から逃れることはできないだろう。そして、裁判によっては、提出される証拠の量や質が非常に乏しかったり、鑑定の内容に疑義があったりする。私たちは、死刑と無期懲役を分ける基準が何なのか、そして死刑を執行される人と執行されぬまま拘置所で亡くなる人がいるのはなぜなのか、を明確に説明することは出来るだろうか?」と指摘しました。

後半、後藤氏の報告をもとにしたディベートが行われました。高校生たちは複数のグループにわかれ、死刑存置の立場から考えた意見を述べました。最も多かった意見としては、死刑の代替刑として終身刑を導入した場合のコストをめぐる問題であり、他にも死刑の基準の明確性や、手続きの保障について意見が出され、後藤氏とのディスカッションは大いに盛り上がりました。

さいごに、後藤氏はキリスト教の新約聖書にある「ローマ人のへの手紙」に記載されている一節を紹介しました。「死刑にすべきか、すべきでないかという判断は、人の能力を超えた判断が必要となる。どこまでいっても、人間の不完全性から制度としての死刑制度には不正義・不公正が生じる。聖書には“復讐するは我にあり”とあるが、この我とは神様を指す。つまり神様が人間に対して言ったことで、決して私たち人間が他人を罰することを正当化した言葉ではない」と述べ、講義は終了しました。


講師:後藤 貞人 弁護士

講師:後藤 貞人 弁護士

次回は、12月8日(木)16:00-18:00は、元検察官である若佐一朗弁護士(大阪弁護士会)を講師に迎え、「検察官の視点&ハラスメント」と題して、検察官の考え方やハラスメント問題についての講義を予定しています。興味・関心のある方はどなたでも視聴可能です。ぜひHPよりよりお申し込みください。
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/

【補注】
*1 (関連情報)
>>第3回オンライン高校生模擬裁判選手権<出場校を募集!>【犯罪学研究センター後援】
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-11402.html 
同大会は、2023年1月29日(日)にZoomにて開催を予定。大会のねらいとして次の2点を掲げている。(1)法的思考力や刑事(裁判員)裁判の意義の理解にとどまらず、広く人間や社会までを視野に入れた「国語的」模擬裁判を通じて、人間や社会を考える眼差しを深める。(2)「国語的・文学模擬裁判」という新しい教育手法を通じて新学習指導要領の理念でもある主体的・対話的で深い学びを実現する機会とする。

*2 後藤貞人(ごとう・さだと) 氏プロフィール
日本を代表する刑事専門弁護士。これまでに勝ち取った無罪判決は20件以上。日弁連裁判員制度実施本部副本部長など多数の役職を務め、刑事弁護関連を中心に著作も多数。2010年4月、21年ぶりに最高裁が事実誤認ありとして1審の無期懲役と2審の死刑判決を破棄し、大阪地裁に審理を差し戻した大阪市母子殺害放火事件被告の主任弁護人を務める。「後藤でダメならあきらめろ」と言われるほどで、無罪を主張する被疑者や被告にとって駆け込み寺のような存在とされる。裁判員裁判が始まる前から、法廷で書面を見ずに弁論を展開する"離れ業"が注目され、法廷プレゼンテーションにおいても日本で第一級の弁護士である。「世界中を敵に回して、たった一人になっても『極悪人』のために戦うのが弁護士の務め」と言い切る。死刑廃止論者としても名高い。


2022年10月28日、龍谷大学法学部生(28名)とCETアカデミックプログラム*1の学生(10名)との間で、日本語によるコラボレーション授業や交流会が行われました。

本学犯罪学研究センターとCETアカデミックプログラムとの交流は2019年から続いていますが、今回は3年ぶりの対面による交流として、犯罪学研究センター「治療的司法」ユニット長の石塚伸一教授(法学部)による犯罪学研究センターと矯正・保護総合センターの案内、本学法学部生(古川原教授及び濵口准教授のゼミ生)とのコラボレーション授業と交流会を行いました。

前半では、CETアカデミックプログラムの留学生が、犯罪学研究センター及び矯正・保護総合センターが設置されている深草キャンパス至心館に集合し、石塚教授による犯罪学研究センターと矯正・保護総合センターの活動説明のあと、施設の案内を行いました。当施設にある法廷、接見室、審判廷や取調室を見ながら、死刑制度や裁判員制度の在り方をはじめとして、日本の刑事司法制度、そして刑事手続の特徴について説明をしました。


〈石塚伸一 教授による説明の様子①〉

〈石塚伸一教授による説明の様子①〉


〈石塚伸一教授による説明の様子②〉

〈石塚伸一教授による説明の様子②〉


その後は、CET留学生は22号館へ移動し、法学部生とのコラボレーション授業が始まりました。顔合わせと挨拶の後、アイスブレイクとして、古川原ゼミから、写真を用いながら、京都の有名な観光地や美味しい名物についての紹介がありました。


〈アイスブレイク発表の様子〉

〈アイスブレイク発表の様子〉


つづけて、濵口ゼミから「日本におけるセクシュアルマイノリティの人権(現状と課題)」(Human Rights of Sexual Minorities in Japan – Current Situation and Challenges)と題した発表がありました。発表は「日本の同性カップル・同性愛者について」及び「トランスジェンダーの生きづらさ」という二つの部分に分かれていました。まず、学生たちは日本に住んでいる同性カップルと同性愛者の社会的・法的地位及び現状を分かりやすい日本語で説明したうえ、これらの人々が受ける差別の問題を指摘し、よりインクルーシブな施策、特に婚姻制度の同性カップルへの開放の必要性を訴えました。トランスジェンダーについては、日常生活における困難に着目して報告がなされました。学校での制服、体操服、トイレの使い方に関わる問題点の具体例を挙げる中で、自認した性で生きることが社会により認めてもらえないつらさの人権侵害性が指摘されました。また、「性同一性障がい者特例法」の紹介を通じて、法律上の性別変更が認められるためには不妊手術を受けなければならないなど、法律にはトランスジェンダーにとって極めて強い人権侵害が含まれている問題などが指摘されました。


〈濵口ゼミによる報告の様子〉

〈濵口ゼミによる報告の様子〉


〈濵口ゼミによる報告のスライド〉

〈濵口ゼミによる報告のスライド〉


その後、古川原ゼミからは日本の死刑制度の発表がありました。まず、死刑に関する日本の状況をデータや図を使いながら示しました。その上で、死刑確定者の法的立場そして死刑執行手続について述べ、日本において死刑が依然として廃止されていないという現状を巡って、死刑存廃議論の在り方を紹介しました。死刑存置派の意見では、応報刑としての死刑の機能、被害者や遺族の気持ちへの配慮、重大な犯罪への抑止力の存在について検討がなされました。他方、死刑廃止派の意見として、冤罪の可能性、生きて償うことの意味、抑止力としての死刑が科学的証明されていないことや、日本弁護士連合会による死刑廃止に向けた取り組みを取り上げました。最後に、学生たちは死刑を望んで犯罪に走るケースも上げながら私見を述べました。


〈古川原ゼミ生による報告の様子〉

〈古川原ゼミ生による報告の様子〉

コラボレーション授業の後半では、CET留学生による発表が5つのグループに分かれて同時に行われました。その際にCETアカデミックプログラム学生のテーマは、①「アメリカにおける冤罪について」、②「環境問題とその法律における日米比較」、③「アメリカの飲酒・喫煙における状況」、④「バイデン大統領による学生ローン返済免除に関する施策と米国内の声」及び⑤「中国におけるDVに関する法律について」でした。報告の後は各グループが質疑応答、意見交換をしながら交流を深めました。


〈CET留学生によるグループ発表の様子①〉

〈CET留学生によるグループ発表の様子①〉


〈CET留学生によるグループ発表の様子②〉

〈CET留学生によるグループ発表の様子②〉


〈CET留学生によるグループ発表の様子③〉

〈CET留学生によるグループ発表の様子③〉


〈CET留学生によるグループ発表の様子④〉

〈CET留学生によるグループ発表の様子④〉


〈CET留学生によるグループ発表の様子⑤〉

〈CET留学生によるグループ発表の様子⑤〉


CET留学生によるグループ発表が終了した後は、記念の集合写真を撮って、今回のコラボレーション授業が終わりました。


〈集合写真〉

〈集合写真〉


日米、そして中国についての情報共有とディスカッションが楽しくなされた時間となり、本学学生にとっても、CET留学生にとっても、グローバルな視点で犯罪や社会に関して考えることができた、意義深い機会となったと言えます。

CET留学生からのコメント(後日追記):
まず龍谷大学の先生と学生さんたちに感謝したいと思います。
龍谷大学でのディスカッションが非常に面白くてとても良かったです。
日本の法制度についての知識を教えてくださり、そして、法律上の現状について説明してくださり、本当にありがとうございます。
外国人として大学の教授や学生さんと話し合う機会が手に入れられるのは、本当に珍しい経験だと考えております。 そして、発表の形で、社会問題について調べてきた経験も、かなり自分自身の日本語能力を高める助けになったと思います。
僕たちから龍谷大学のみんなに共有した情報も、みなさまの将来の学習にとって役に立ちましたら幸いです。

【補注】
*1 CETアカデミックプログラム:
「CETアカデミックプログラム」(本部:ワシントンDC)は、大阪学院大学にオフィスをおき、アメリカの大学生のために短期の日本語留学プログラムを毎学期提供している。その教育の一環として、日本の社会や文化に関する研究プロジェクトを日本語で実施している。
https://cetacademicprograms.com/

*2 今回のCETアカデミックプログラムには、高校時代から米国に在住している中国出身の学生2名が参加。おかげで多様なテーマを巡る発表とディスカッションを行うことができました。


日時:2022年12月11日(日)13:00~16:00 
会場:龍谷大学 大宮学舎 東黌101教室 <事前申込制・定員200名>


【本件のポイント】

  • 文化庁京都移転を機に、より一層文化遺産の保護と活用を進めるとともに、そうした活動に資する人材育成を目指し、開催するシンポジウム。
  • 近畿における文化遺産の保護と活用の現状を、有識者3名が語る。⼀般の方も参加可能(事前申込制・先着200名)。

 

【本件の概要】
 本学では、文化遺産の保護と活用を担う人材の養成を目指して、2016年に文学部歴史学科文化遺産学専攻を立ち上げ、教育を進めてまいりました。文化財の保護と活用については次の文化財保護法の改正にも盛り込まれ、近年にわかに文化財行政の注目点の一つとなっています。
 文化遺産学専攻では、2023年3月の文化庁京都移転を機により一層文化遺産教育を進めるべく、近畿における文化遺産の保護と活用の現状についてシンポジウムを開催します。
 本シンポジウムは、一般の方にも公開いたします。
 
【開催概要】
1.開催日時  2022(令和4)年12月11日(日) 13:00~16:00  
2.会  場  龍谷大学大宮学舎 東黌101教室
        〒600-8268 京都市下京区七条通大宮東入大工町125-1
3.スケジュール  13:00-13:10  ⿓⾕⼤学学⻑ ⼊澤 崇 挨拶
          13:10-13:40  本中 眞 氏    (奈良⽂化財研究所 所長)
          13:40-14:10  後藤 典生 氏(高台寺 常任教師)
          14:10-14:40  松本 伸之 氏(京都国立博物館 館長)
          14:40-15:00  休憩
          15:00-16:00  討論
4.参加申込 以下、URLの申込フォームからお申し込みください。 参加費無料。 
       https://forms.gle/SDYFpKy6o19AjXfR7
5.後  援 京都府、京都市


問い合わせ先:龍谷大学文学部教務課 TEL:075-343-3317


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【チラシ】⽂学部歴史学科⽂化遺産学専攻公開シンポジウム 「京都から発信する文化の遺産」


【本件のポイント】

  • 龍谷大学文学部学生が博物館実習において企画・運営の一切を担い、学芸員の実務を実践する展覧会「十二月展」を龍谷ミュージアムで開催
  • 43回目を迎える今年の展覧会では「わざわいと人々  ~安寧来たれと願う今~」をテーマに「禍」、「災」、「妖」、「祈」という4つの観点から、わざわいと人々の共生の歴史に迫る


【本件の概要】
 龍谷大学文学部の博物館実習の受講生が、12月7日(水)から12月10日(土)までの4日間、「わざわいと人々  ~安寧来たれと願う今~」をテーマに、展覧会「十二月展」を龍谷ミュージアムにて開催します。
 本展は、学芸員資格取得のための授業である博物館実習の一環として行うもので、今年で43回目を迎えます。学生が主体となり、これまでに学んだ知識や技術を活かして、資料の調査・収集をはじめ、展覧会の企画・運営の一切を担い、学芸員の実務を実践します。
 今年は、「わざわいと人々  ~安寧来たれと願う今~」をテーマに「禍」、「災」、「妖」、「祈」という4つの観点から「わざわいと人々」に関する資料を集めて展示し、わざわいと人々の共生の歴史に迫ります。

学生代表からのコメント
 私たちの生活は時に新型コロナウイルスなどの疫病や災害によって脅かされます。しかし、これは歴史上何度も起こったことであり、人々はその度に乗り越えました。
 過去にどのような「わざわい」が人々を襲ったのか、そしてそれらをどう退けたのかを紹介します。展示を通して、安寧来たれと願う今、希望をもたらすことができたら幸いです。
(龍谷大学  文学部歴史学科文化遺産学専攻   4年生   古林 颯(ふるばやし そう)さん)


【開催概要】
1.日時 2022年12月7日(水)~12月10日(土)10:00~17:00
※入場は閉館の 30分前まで
2.会場 龍谷ミュージアム   〒600-8399 京都市下京区堀川通正面下る(西本願寺前)
3.入場料 無料
4.主な展示物 別紙参照

問い合わせ先:文学部教務課 山本・宇佐美
Tel 075-343-3317 E-Mail  let@ad.ryukoku.ac.jp


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【別紙】2022年度 十二月展 主な展示物


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【チラシ】2022年度十二月展「わざわいと人々 ~安寧来たれと願う今~」


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