
世界は「ミレニアム開発目標(MDGs)」(初等教育への男女平等のアクセスを含む)のもとで、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントを前進させましたが、女性と女児は依然として、世界各地で差別と暴力に苦しんでいます。
ジェンダーの平等は基本的人権であるだけでなく、平和かつ豊かで持続可能な世界に必要な基盤でもあります。残念ながら現時点で、15歳から49歳の女性と女児の5人に1人は、最近の12カ月以内に親密なパートナーから身体的または性的な暴力を受けたと報告していますが、今でも49カ国には女性を家庭内暴力から守る法律がありません。児童婚や、最近の10年間で30%減少した女性器切除術(FGM)など、有害な慣行については前進が見られるものの、このような慣行を全廃させるためには、さらに多くの取り組みが必要となります。
女性と女児に教育や医療、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)への平等なアクセスを提供し、政治的・経済的意志決定プロセスへの参画を可能にすれば、持続可能な経済が促進され、社会と人類全体に利益が及ぶことでしょう。職場での男女平等と、女性に対する有害な慣行の根絶に関し、新たな法的枠組みを導入することは、全世界の多くの国で広く見られるジェンダーに基づく差別に終止符を打つうえで欠かせません。
https://www.unic.or.jp/files/Goal_05.pdf
本SDGに関連する主な取組実績は以下のとおりです。
ファッション誌『ハーパーズ バザー』日本版に、幾田桃子氏が国宝・西本願寺書院で着用した「ジェンダー平等」をテーマにしたドレスが紹介されました。ドレスは仏教的価値観を反映し、蓮華を平等、雲を平和とする象徴的デザインです。この撮影は龍谷大学ジェンダーと宗教研究センターの岩田真美准教授の協力で実現し、撮影後には性別役割やジェンダー平等をテーマに学生とのディスカッションも行われ、社会的役割への再認識の場となりました。
2023年5月から龍谷大学と、生理用ナプキンの無料化を実現するサービス「OiTr」を提供するオイテル株式会社、京都市の3者で連携し、京都市立学校への「OiTr」の試行設置及び児童生徒への保健指導における活用等を実施している。 生理用ナプキンを配付するとともに、「OiTr」付属のデジタルサイネージにて月経等に関する知識や情報の周知啓発につながるような教育的コンテンツを配信し、児童生徒が月経等について一人で抱え込まずに相談しやすい環境づくりを図っています。
政策学部 松浦さと子ゼミの学生5人が、ジェンダーをテーマにしたラジオ番組を企画・発信した。身の回りのジェンダー問題をテーマに、ゲストを招いて話す番組「ラジオでジェンダー」は、京都市中京区のコミュニティーFM局「京都三条ラジオカフェ」で、2023年1月〜12月に放送された。