東日本大震災の発生から一年が経過しました。お亡くなりになられた方々は1万5800人を超え、いまなお行方不明の方々も3300人を超えています。昨年の3月11日以後、被災されたことが原因でお亡くなりになられた方々を合わせますと、2万人を超える尊い命が奪われるという未曾有の大災害になりました。東日本大震災の一周忌をむかえ、犠牲となられたみなさまに改めて心から哀悼の意を表します。
また、地震と津波の被害、さらには、福島第一原子力発電所事故により避難を余儀なくされ、不自由で不安な毎日を過ごされている方々は、依然として膨大な規模におよんでいます。大震災の発生から一年が経過した今も、復興のあゆみは困難をきわめ、被災者と被災地への継続的な支援の必要性は、いささかも衰えていない状況にあります。この機会に改めて、すべての被災者のみなさまに、心よりお見舞いを申し上げる次第です。
龍谷大学は、この一年間、大学としてなし得る活動が何かを模索しながら、復興支援の取り組みにあたってきました。多くの学生、院生、卒業生、保護者、そして教職員のみなさんが、ボランティア精神にもとづき、多彩な活動を展開してきました。ボランティアバスの運行、被災地物産品の販売、東日本復興支援フォーラムの開催、大学としての専門性を生かした被災地での様々な支援活動、募金活動などです。
復興支援の活動に参加されたすべてのみなさんに、心より敬意を表します。もっとも、復興への取り組みは、日本社会全体についてみれば、まだ緒についたばかりのところがあります。大学の行う活動も、粘り強い取り組みとして、継続していかねばなりません。何よりも、被災者と被災地の要望をしっかり受けとめ、一層の創意工夫を重ねつつ、復興支援の活動に取り組む重要性を痛感しています。
東日本大震災の一周忌をむかえ、本学では、3月11日以降、京都の深草キャンパスならびに滋賀の瀬田キャンパスにおいて、被災者・被災地の現状ならびにボランティア活動の内容などを伝える写真パネルの展示を行います。本学の学生、院生、教職員のほかに、地域の住民のみなさんにも開放しますので、ご覧になっていただければ幸いです。
龍谷大学の建学の精神は、親鸞聖人の教えにもとづく浄土真宗の精神です。私たちは、建学の精神の具現化として、息の長い復興支援の活動を志してまいりたいと考えています。どうぞ、みなさまの温かいお心とご協力を賜りますようお願い申しあげます。
2012年3月
龍谷大学学長 赤松 徹眞
2011年3月11日から7ヶ月ほどが経過します。東日本大震災で犠牲となられた皆様に改めて心から哀悼の意を表します。また、福島原子力発電所事故により避難を余儀なくされ、不安な毎日を過ごされている皆様、地震と大津波により被災され、今なお元の生活に戻ることのできない状態で日々を過ごされておられる皆様に、改めて心よりお見舞い申しあげます。一日も早く心休まる生活が戻りますことを念じています。
私たちは日々、あたりまえのように生きています。しかし、この度の大震災によって、生とは連続したものであるという日常の認識が、引き裂かれてしまった方も多いのではないでしょうか。命の儚さ、無常さに途方にくれ、肩を落としていらっしゃる方も決してすくなくないでしょう。しかし、いま、私たちは、このような出来事に直面し、改めて一人ひとりのかけがえのない命の尊さ、生かされていることに気づくことが大切ではないかと思います。
世界でも類をみないほど複雑な地殻の上に成り立つ日本列島において、大地震が周期的に起こりえることは繰り返し指摘されてきました。しかし、だれも3月11日という日に起こることは予想できませんでした。今回の大震災は、起きてはならないはずの原発の過酷事故をも引き起こした点で、過去のいずれも大震災でも経験しなった未知の困難を惹起しています。私たちは生きていくなかでは、必ずといってもいいほどに厳しい現実に直面します。今回の大震災を通して、私たちは改めてさまざまな問いをもって現実に向きあわなければなりません。
原発事故は、核エネルギーに依存した経済活動によって担保されてきた豊かさに胡座をかき、多様なエネルギー源を確保する努力を怠ってきた日本社会のあり様に、根本的な見直しを迫る契機となっています。広島・長崎での凄惨極まりない被爆、ビキニ環礁水爆実験での千隻を超える日本漁船とその乗組員の被爆、被爆を通じて甚大な被害が生じるたびに、一方で、その被害(とりわけ内部被爆)の程度を極力少なく見せようとする動きがありました。今回の原発事故への対応にあたっては、そうした過ちを繰り返しはなりません。原発での過酷事故が生じれば、現在の科学の力では制禦が極めて困難であることが、明らかになりつつあります。一日も早い事故の終息に向けた粘り強い取り組みを願うとともに、原発事故から私たちが汲み取るべき教訓は何かを問い続けたいと考えます。
本学では、3月11日以降、震災復興のためにどのように対応すべきかについて、不断の検討を重ねています。私たちは一人ひとりが震災で犠牲になり被害を受けたすべての方々に思い馳せ、寄り添いながら考え、そして行動することが大切だと思います。学生、院生、教職員、卒業生による募金活動、学生を中心としつつも、院生や教職員も加わって行う被災地でのボランティア活動、被災地の物産品の京都・深草学舎と大津・瀬田学舎での販売活動など、みんなで知恵を出し合いながら、できることから取り組みを始めてきました。復興支援の活動は息の長い取り組みになるものと思われます。10月22・23日に深草学舎で開催する「東日本大震災復興支援フォーラム‐震災復興に果たす大学の役割‐」は、そうした取り組みのあり方を考えるためのものであります。学生・教職員はもちろん、多くの市民のみなさんの参加を歓迎します。フォーラムについては、今後も継続して多様な形態での開催を検討したいと思っています。
龍谷大学の建学の精神は、親鸞聖人の教えにもとづく浄土真宗の精神です。私たちは、建学の精神の具現化として、今回の震災復興支援に取り組むことが大事なことであると考えます。龍谷大学として、大学の役割・使命を踏まえ、全学の英知を結集して困難を突破し、持続可能で安穏な社会の構築を目指し、引き続き努力を重ねてゆく所存です。
2011年10月21日
龍谷大学学長 赤松 徹眞
3月11日に発生した東日本大震災は、広範かつ深刻な未曾有の被害をもたらしました。犠牲者の皆さまに心から哀悼の意を表するとともに、すべての被災者の皆さまにお見舞いを申しあげます。また、懸命に救助・救援活動、被災者の生活支援活動、インフラ復旧等に取り組んでおられるすべての皆さまのご尽力に心から敬意を表します。
被災地では未だ多くの方々が行方不明のままです。不便な避難所での生活を余儀なくされ、住み慣れたまちを離れ避難生活を強いられておられる方々も多数おられます。そんな厳しい状況の中で、被災地で被災された方自身が懸命にボランティア活動をされている姿や、やっと届いた物資を分かち合っておられる姿に心が震えました。深い悲しみの中で、励まし合い、支え合っておられる姿に、私たちが人間のありようを知らしめられています。いま改めて生きるという意味を多くの人が考え、生かされている命の尊さに深く思いを馳せなければなりません。人間が自然に対していかに無力であるかを見せつけられたと同時に、人間が想定する能力に限界があり、お互いに助け合い支え合っていかなければいけない存在であるということを改めて認識させられました。
この未曾有の震災に際し、私たちは何ができるのでしょうか。地震発生以来、私自身、自問自答の日々を過ごしています。甚大な被害の前に、真に有効な答えはすぐには出てきません。しかし、この危機から未来を切り拓いていくためには、思考や模索を重ねながら実際に行動していくことも大切だと思います。龍谷大学も370年以上の歴史を有する大学として、社会の幾多の困難や災害を共に乗り越えてきました。本学の建学の精神である親鸞聖人の精神に基づいた人間のありよう「共生(ともいき)」の考え方が、いまほど必要とされる時代はないといっても過言ではありません。
一人ひとりの力は微力でも、集まれば大きな力になります。本学の中には、すでに被災地に駆けつけ、ボランティア活動を行っている学生や教職員もいます。そのような志と行動力をもつ学生や教職員がいることを、私は誇りに思います。また、現地に行くことだけが被災地に貢献することではありません。募金活動に汗を流す学生など、京都にいながら「何かできないか」と模索し続け、行動する学生にも敬意を表したいと思います。全学の構成員のみなさん。それぞれの事情や立場にあった貢献を是非、積極的に行ってください。
今回の大震災からの復興プロセスは、単に東日本地方の問題だけではなく、日本社会のありようにも変化を迫るものにしていかねばなりません。龍谷大学としても大学の役割や使命を踏まえ、復興に向けて全学の英知を結集し、困難を突破し、真の意味で持続可能で豊かな社会システムの構築について深く考察し、共生の社会の実現に向けて不断の努力と行動をしていきたいと考えています。
2011年4月28日
龍谷大学学長 赤松 徹眞
3月11日に発生した東日本大震災は、青森県から千葉県にわたる広範囲性、津波の被害の大きさ、原発事故など、これまでにない特徴をもつ未曾有の大災害です。
本学では被災された学生のみなさんに対して、学生支援制度を整備・運用し、入学にかかわる手続や学生生活にかかわる経済的支援等、各種の支援を行ってきました。
3月15日からは大学として第一次の義捐金募金活動を行い、4月15日までに集まった16,784,659円を4月22日に中央共同募金会において贈呈してまいりました。募金活動に協力して下さった学生・教職員・卒業生・保護者に心よりお礼申し上げます。
被災地の情報が不十分であることや、二次災害の危険性も高い状況にあり、学生の皆さんが自主ボランティアに行かれることは大変危険であることから、当初、本学では被災地における学生の支援活動に対して自粛を呼び掛けていました。
しかし、その後、被災地で支援活動をしたいという学生のみなさんからの要望が高まってきました。教職員の中にも、現地に赴き、様々な支援活動に従事する方たちも出てきました。そこで、ボランティア・NPO活動センターは、4月25日、26日に『東日本大震災復興支援ボランティア・ガイダンス』を瀬田・深草のキャンパスで開催しました。被災地で活動する際に注意すべきことについて教職員が説明を行いました。深草、瀬田学舎合わせて約200人の学生、教職員が参加し、会場からは熱心な質問や意見の表明がありました。困難な状況にある方々に対して、自発的に自分にできる活動をしたいという学生の皆さんの志、熱意は大変、尊いものだと思います。
現時点でも、十分な予備知識のないまま支援活動を行うために被災地に向かうことは、大変危険であり、かえって被災地の方にご迷惑をおかけする可能性があります。志、熱意を有効に活かすためにも、被災地での支援活動を希望する学生の皆さんには、被災地に入る前にボランティア・NPO活動センターで説明を受けるようにお願いいたします。
本学の理念である「共生(ともいき)」の精神を踏まえて、東日本大震災被災者・被災地の復興支援を今後とも進めてまいりたいと存じます。被害の規模の大きさから考えて、復興支援活動は長期にわたるものになると考えられます。被災者の方が抱えておられる困難を思い続けることも、一つの支援の形です。学生や教職員の間から自発的に生まれてくる支援活動を大学としてもサポートしてまいります。 学生、教職員の皆様のご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2011年4月28日
ボランティア・NPO活動センター長 松島 泰勝


