同和問題に対する基本的姿勢

(昭和51年1月発表)

本学は、親鸞聖人によって開示された浄土真宗の精神を基盤として、慈悲に生かされる同朋たるの自覚を持った、信念のある有為の人物を養成し、もって文化の進展、社会の正しい発展に寄与することを目的として設立されたものである。

この建学の精神は、本学の教育・研究における主体としての自己を確立する方途、即ちあるべき主体としての自己のよりどころを、いずこに見出し、どのように発見するかを課題とすることを示すものである。

人間存在の意義を問う同和問題もまた、本学すべての構成員にかかわる問題でなければならない。そのために、大正11年の全国水平社宣言の精神を認識し、近くは昭和40年の同和対策審議会の答申にいうように、これは「とくに、近代社会の原理として何人にも保障されている市民的権利と自由を完全に保障されていないという、もっとも深刻にして重大な社会問題である。」ことを十分に理解しなければならない。遵って、この同和問題が「人間普遍の原理である人間の自由と平等に関する問題であり、日本国憲法によって保障された基本的人権に関わる課題」(同答申)であり、同和教育の中心的課題が「法のもとの平等の原理に基づき、社会の中に根強く残っている不合理な部落差別をなくし、人間尊重の精神を貫くことである。」(同答申)とすることを、そのまま同時に本学構成員すべての課題であるという深い認識と自覚をもつことが大学人としての責務である。

大学は教育・研究の場である。本学もまた建学の精神を支えとし、教育基本法に則って真理の探究を進める教育・研究によって、将来に向かって限りなく理想を追求しつつ社会の要請にこたえようとしている。それゆえに、将来、社会の各方面において活動しようとする学生に対して、事がらの本質を把握し、理念や理想の実現に向かって努力する人間形成のための教育をなすべき責任を持っている。しかも、大学が社会から求められているものは、自由で自主的な教育機関としてのはたらきであり、同和教育における姿勢も全く同様でなければならない。

本学すべての構成員は、大学人としてのこの立場に立って、同和問題・同和教育の重要性に思いをいたし、差別のない社会の創造をめざして積極的にこの問題に取り組むことを決意するものである。

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