(2024年4月更新)
龍谷大学は、「人権に関する基本方針」を策定し、本学に関わるすべての人が差別やハラスメントなどの人権侵害を受けることなく学び、働き、関わり合えるよう保障することを宣言しています。また、SOGI(性的指向や性自認)などを理由とした差別や偏見を克服し、誰もが自分らしく安心して過ごすことができるキャンパスを実現するために、本学構成員一人ひとりがとるべき指針として、「性のあり方の多様性に関する基本指針」を定め、様々な取り組みを進めてきました。
いま、社会には、トランスジェンダーや同性愛者などの性的マイノリティに対する攻撃的な言説や排他的な慣習が溢れています。それは決して他人事ではなく、龍谷大学においても、そして何よりも私自身が知らず知らずのうちに他者を傷つけているかもしれないことを自覚する必要があります。 これらの状況を変え、多様な性のあり方を当たり前のこととして広く浸透させていくためには、学びや気づきの機会を継続して持ち続けることにあわせて、制度や環境の整備が欠かせません。たとえば同性カップルが婚姻制度から排除されている現状や、トランスジェンダーの性別移行に際し不妊化や身体形状変更の手術を強制される問題を、自分自身にかかわる課題として認識し、考え、体現し、行動していくことが大切だと考えます。
龍谷大学では、トランスジェンダー等の人が、自認する性にもとづく名前で受験し、安全にキャンパスライフをおくることができるよう、学生の通称名の使用を認めています。また、すべての人が安心してトイレを利用できるよう、既設の「だれでもトイレ」に加え、深草学舎に建設中の新棟に、性別にかかわりなく利用できるトイレを設置します。
SOGIにかかわる課題に真摯に向き合うことは、あらゆる人の生きづらさへの気づきや、それに対する自らの意識の変革につながります。安全で安心できるキャンパスをつくることは、誰もが、ありのままの自分を受け入れ、自分らしく生きることができる社会への扉を開く素地となります。
龍谷大学におけるジェンダーやSOGIに関する取り組みは、まだ途上にあります。今後、あらたな課題に直面することもあるはずです。だからこそ、たゆまぬ「自省利他」の実践を重ね、多様な考えや多様な人との出会いを通して、平和で公正な社会を希求し創造していきます。
2024年4月1日
龍谷大学 学長 入澤 崇
性的指向や性自認など、性のあり方は多様であり、これらに関する差別や偏見を解消し誰もが自分らしく安心して過ごすことができる大学や社会を目指すことは、すべての本学構成員が取り組むべき課題です。
龍谷大学は、「人権に関する基本方針」のもと、本学構成員の一人ひとりが、性的指向および性自認などに関する悩みや生きづらさを抱える人がいることを常に理解し、合理的な配慮を可能な限り提供するため、次のとおり基本指針を策定します。
2017年12月策定
大学生活で、性的指向や性自認など、性に関する悩みや困っていることについて相談できる「ジェンダー・セクシュアリティ相談(GS相談)」を開設しています。GS相談は原則として予約制です。相談の日程や場所を調整の上、相談員(教職員)が相談に応じます。本学の学生と教職員が対象で、自分自身のことだけでなく、困っている友人のことや、相談を受けた場合の対応方法などについてもお気軽にご相談ください。
相談を希望される方は、宗教部(深草キャンパス顕真館)に来室するか、syukyobu@ad.ryukoku.ac.jpに連絡して予約してください。個別の事情等によって希望に沿えない場合もありますが、より良い答えを導き出せるよう一緒に考えましょう。
なお、その他の相談窓口として、学生部内に「なんでも相談室」がありますので、ご利用ください。
ジェンダーやセクシュアリティなどについて語り合う気軽で自由な交流の場として「SOGIカフェ」(そじかふぇ)を半期に一回程度のペースで開催しています。
SOGIカフェでは、個人情報などに関するグランドルールを設けます。参加者のジェンダーやセクシュアリティは問いません。黙って聞いているだけでもOKです。途中参加や途中退室も可、お申し込み不要です。
開催日時が決まりましたらポータルサイトやポスターなどでお知らせします。お気軽にご参加ください。
本学が発行する証明書ならびに申請書等には原則として性別の記載はありません。また、各授業における受講者名簿にも性別の記載はありません。
通称名等の使用を希望する学生は、学部長、研究科長又は別科長に申し出ることにより、通称名等を使用することができます。詳細は、所属の学部教務課等または宗教部(受験生は入試部)までお問い合わせください。
龍谷大学では、学校保健安全法に定められた健康診断を毎年4月に実施しています。健康診断は、学部(学年)・男女別に行われます。その際、胸部レントゲン写真撮影がありますが、撮影時の更衣スペースは、個人ごとに分かれていません。健康診断の際に配慮が必要な方は、事前に所属学部があるキャンパスの保健管理センターまで電話にてご相談ください。教職員の健康診断についても同様にご相談ください。
本学学生が使用する指定履歴書に性別欄はありません。
離籍後に改姓・改名をした卒業生等(修了、退学、除籍を含む)が、改姓・改名後の名前での発行を申し出た場合は、改姓・改名後の名前で卒業証明書等を発行します。
龍谷大学では、多様なトイレニーズに対応するため、男女別トイレ以外の選択肢として性別にかかわらず利用できる「だれでもトイレ」を設置しています。
「だれでもトイレ」は、どなたでもご利用いただけます。車イス対応のほか、オストメイト、衣服の着脱やおむつ交換などができる多目的シートやフィッティングボード、ベビーチェアなどの機能を備えているところもあります。広めのスペースや介助を必要とする方、その他このトイレを必要とする方が優先してご利用いただけるようご理解をお願いします。
「だれでもトイレ」の設置場所や機能については、以下の「だれでもトイレの設置場所・機能について」をご覧ください。
生理用ナプキンを無料で提供するサービス「OiTr」(オイテル)を導入し、「だれでもトイレ」を含む個室トイレに設置しています。
各学舎に設置しており自由にお持ち帰りいただけます。複数必要な方は宗教部までご連絡ください。
各学舎に設置しており自由にお持ち帰りいただけます。複数必要な方は宗教部までご連絡ください。
最新刊:26号『「平和」を考える』(2024年3月10日発行)
人権冊子『白色白光』
セクシュアルマイノリティの現状とニーズを把握することを目的として実施したものです。2016年11月9日から12月8日にかけて、大学ポータルサイト内のアンケートに回答する形式で、本学の学生および教職員を対象におこないました。詳細については、以下の報告書をご覧ください。
龍谷大学LGBTs交流サークル「にじりゅう」
セクシュアルマイノリティの当事者やアライの学生による自主活動グループで、宗教部が活動をサポートしています。昼休みのランチ会の開催や、講演会企画をおこなっています。
いわゆる「性分化疾患」(DSDs:「体の性の様々な発達」と呼ばれる)は、性的指向・性自認とは基本的に別の医学的な問題で、混同せずに対応することが求められます。性分化疾患は、染色体や性腺の種類、女性の膣や子宮の有無、外性器の形状・大きさなど、性に関する体の発達が先天的に非定型的である状態を指します。治療が必要な場合もあり、複数の症例 を包括する医療カテゴリーとして「性分化疾患」が用いられます。DSDsについては、「男でも女でもない」「男女の区別がつかない」「男女の中間」「両性具有」ということではなく、「女性にも様々な体がある・男性にも様々な体がある」という理解が求められます。
(日本学生支援機構:『大学等における性的指向・性自認の多様な在り方の理解増進に向けて』より抜粋)