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近年、自然分布域外での生息が多数報告されるオヤニラミは絶滅危惧種に指定されているが、動物食性や“なわばり”性などの特徴から、対策が必要な国内外来種

【本件のポイント】

  • オヤニラミ ※1)は、国内の自然分布域の多くでは絶滅危惧種となっている一方で、近年は意図的と思われる放流等により、国内外来種として日本各地で分布を拡大
  • その特性から在来生態系への影響が懸念されており、滋賀県では条例でオヤニラミを「指定外来種」に位置づけ、2007年から放流の禁止や飼育時の届け出を義務付ける
  • 今回、本学理工学研究科の院生と研究員らが、滋賀県宇曽川水系と三重県北部の河川で相次いでオヤニラミを採集し、標本に基づいて記録した初の報告を、論文として発表


【本件の概要】
 龍谷大学大学院理工学研究科 環境ソリューション工学専攻の太下 蓮さん、藤田 宗也さんと、龍谷大学 生物多様性科学研究センター ※2)の伊藤 玄客員研究員は、滋賀県宇曽川水系と三重県北部の河川で採取した魚類の形態的特徴を観察したところ、オヤニラミと特定しました。両水域(三重県では県下全域)でオヤニラミが確認されたのは、今回が初です。本研究論文は、全国的な平野部の湿地環境について広く掲載し、外来種問題について取り上げることも多い「伊豆沼・内沼研究報告 ※3)」2023年17巻に投稿・掲載されました。
 本調査で採集したオヤニラミには様々なサイズの個体が見られ、成魚のほか当歳魚(その年に生まれた魚)とみられる個体も複数個体採取されたことから、両水域においてオヤニラミは定着・再生産していると考えられます。また、滋賀県宇曽川水系で捕獲した個体の胃内容物分析の結果、ユスリカ科幼虫やカゲロウ目幼虫などの水生昆虫を頻繁に捕食しており、成魚とみられる個体の胃内容物からはエビ類と魚類を確認しました。これらのことから、在来水生昆虫類への捕食圧や水生昆虫類を餌資源とする在来魚類との競争など、在来生態系への危険性が示唆されます。
 いずれも近年意図的に放流された国内外来種と考えられることから、「安易な放流は厳に慎まなければならい」という認識を高める上で、重要な論文です。

1.発表内容
論文①(和文)
標 題:滋賀県宇曽川水系における国内外来種オヤニラミ(スズキ目ケツギョ科)の初確認
著者名:太下 蓮 1・藤田 宗也 1・伊藤 玄 2
所 属:龍谷大学大学院理工学研究科 環境ソリューション工学専攻, 龍谷大学 生物多様性科学研究センター
調査水域:滋賀県宇曽川水系(幹線流路延長22km流域面積69.9 km2の一級河川)
調査時期:2021年2月21日〜10月15日(計7日間)
採集・確認数:計39個体 ※本研究で作成した標本の一部については、滋賀県立琵琶湖博物館に次の番号で登録・保管されている (LBM1210058663, 1210058664,1210059578–1210059589)。


論文②(和文)
標 題:三重県における国内外来種オヤニラミ(Coreoperca kawamebari)の初記録
著者名:太下 蓮 1・伊藤 玄 2
所 属:1 龍谷大学大学院理工学研究科 環境ソリューション工学専攻, 2 龍谷大学 生物多様性科学研究センター
調査水域:三重県北部の河川および同河川に流入する水路
調査時期:2022年10月8日、10月31日〜11月2日(計4日間)
採集・確認数:計17個体

雑誌名:「伊豆沼・内沼研究報告」2023年17巻(論文①p.39- p.46/論文②p.29-p.37)
U R L:論文① https://doi.org/10.20745/izu.17.0_39
     論文② https://doi.org/10.20745/izu.17.0_29
     ※2023年7月11日(火)Web掲載

 

2.用語解説
※1)オヤニラミ
スズキ目ケツギョ科に属する純淡水魚で、学名は「Coreoperca kawamebari」。本種は、京都府桂川・由良川水系以西の本州、四国北東部、九州北部を自然分布域としますが、河川改修による生息地の消失や愛好家による採集圧等により個体数を減らし、環境省版レッドリストで絶滅危惧IB類に指定されている一方で、近年は、東京都や愛知県、滋賀県、宮崎県など自然分布域外からの生息が多数報告されています。本種は水生昆虫や甲殻類、魚類などを捕食する動物食性であること、雌雄ともに顕著な“なわばり”性を示し他の魚種に対して攻撃的な生態を示すことから、在来生態系への悪影響が懸念されます。※写真は2021年6月2日に宇曽川水系から採集された個体(79.6 mm SL:LBM1210058663)


写真:龍谷大学 伊藤玄客員研究員提供

※2)龍谷大学 生物多様性科学研究センター
当センターは、これまで生物種の検出のみならず、種内の遺伝的多様性も「水から」の分析を可能にしてきました。近年では「生物の状態」まで知ることを狙い、環境RNA(環境中に含まれる生物の核酸で、DNA上の遺伝情報を有す)分析も開始し、総合的な生態系情報の分析へと発展しつつあります。これによりDNAだけではわからない、繁殖活動や病原菌への感染といった情報まで得られるようになると期待されます。本学の研究グループは世界的にも最古参に近く、世界をリードする研究を推し進めています。

※3)伊豆沼・内沼研究報告
宮城県にあるラムサール条約登録湿地、伊豆沼・内沼を中心とした平野部の湿地に関する調査研究の成果を掲載し、日本の湿地生態系の将来にわたる保全対策の礎となることを目的とした研究報告書。公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団が発行しています。http://izunuma.org/5_2.html

 

問い合わせ先:
龍谷大学 研究部(生物多様性科学研究センター)
Tel 075-645-2154 ryukoku.biodiv@gmail.com https://biodiversity.ryukoku.ac.jp/ 


大阪市西成区役所から、地域を知り尽くしたガイドの方が、龍大生を案内くださるスタディーツアーへのお誘いをいただき、この度参加者を募集させていただきます。娯楽の聖地・新世界や、大阪商業の聖地・今宮戎神社がある恵美須西、労働支援の聖地・萩之茶屋、宿泊の聖地・太子、芸能の聖地・山王などに分かれる新今宮エリア。新今宮を楽しく学べる機会、是非ご参加ください。なお当日は職員が同行します。

行き先(詳細は新今宮ワンダーランドHPを併せてご参照ください)
SPOT 1   YOLOBASE(集合場所)
SPOT 2   大阪商業の聖地 中山太陽堂跡
SPOT 3   労働の聖地 西成労働福祉センター
SPOT 4   支援の聖地 あいりんシェルター
SPOT 5   宿泊の聖地 太子
SPOT 6   芸能の聖地 山王
SPOT 7   娯楽の聖地 新世界
SPOT 8   通天閣(解散場所)

集合:YORO BASE   (新今宮駅 徒歩5分)
定員:13名(先着順)
費用:無料(参加費を大学で負担します。現地までの交通費はご負担ください)
申込:以下龍谷大学作成のフォームでお申し込みください。
   https://forms.gle/RFNw47N7W9VuX1tM7
   ※8月11日(金)までにお申込み下さい。申し込みの後、参加確定 のメールを事務局から返信させていただきます。それまでは参加の可否は確定しておりませんのでご留意ください。
主催:新今宮ワンダーランド事務局
問い合わせ先:龍谷大学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター  [ysbrc@ad.ryukoku.ac.jp]


本学との高大連携協定校である奈良育英高校(奈良県奈良市)の併設校・奈良育英中学校(中高一貫校)の生徒が7月20日と21日、夏期合宿の一環で深草学舎と瀬田学舎を訪問し、学習活動を行いました。

奈良育英中学校2年生31名は午前中にあった同校の終業式に参加後、バスに乗車して深草学舎に到着。1日目の深草学舎では、学食でまず腹ごしらえを済ませ、職員による「大学での学び」についての説明や学生スタッフによるキャンパスツアーを体験しました。

2日目となる21日は瀬田学舎に会場を移し、「里山学習」を行いました。同校では「総合的な学習の時間」で環境について学んでおり、先端理工学部環境生態工学課程の協力のもと、「龍谷の森」でのフィールドワークや横田岳人准教授による講義を通じて、里山の自然や歴史について学習しました。

その後、近隣の滋賀県立美術館で開かれている滋賀県大津市出身の写真家・今森光彦氏の企画展「里山 水の匂いのするところ」を鑑賞し、バスに乗り帰路につきました。

参加した生徒の代表は「このような機会を設けていただきありがとうございます。教えてもらったことを参考に、今後の里山学習を進めていきたいです」とはっきりとした口調で感謝を述べていました。

生徒の皆さん、二日間の夏期合宿お疲れさまでした。今回の活動が皆さんの将来のキャリア形成にいかされればうれしく思います。

学習指導要領の改訂で教科学習に加え、「総合的な学習の時間」や「特別活動」、GIGAスクール構想によるデジタル化など中学校の現場も多様化が求められています。高大連携推進室では中高大の新しい連携にも取り組んでまいります。

最後になりましたが、お世話になった環境生態工学課程の先生方に御礼申し上げます。
奥田 哲士 教授(環境工学)
宮浦 富保 教授(森林生態学)
岸本 圭子 准教授(昆虫生態学)
横田 岳人 准教授(森林生態学)
浅野 昌弘 講師(水処理工学)
鎌倉 真依 講師(植物生理生態学)
林  珠乃 実験講師(理学生態)


深草学舎に到着し、まずは記念撮影(20日)


深草学舎でのキャンパスツアー(20日)


お世話になる先生方に挨拶(21日、瀬田学舎)


「龍谷の森」でのフィールドワーク(21日)


「龍谷の森」の森林観測タワーを体験(21日)


座学で里山の知識を深める(21日、瀬田学舎)


学習後、瀬田学舎での記念撮影(21日)


近隣の滋賀県立美術館に立ち寄りました(21日)


   この度の2023年6月、7月に発生した豪雨で被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

   6月末~7月にかけて、全国各地で激しい雨が降り続き、日本各地に被災範囲が広がっています。被災された地域への災害ボランティアなどの支援活動に参加したいと考えている学生や教職員の皆さんもおられるかと思います。
   困難な状況にある人たちのことに想いを巡らせること、「何か手助けをしたい」と考え、行動しようとすることは、とても大切なことです。

   ボランティア・NPO活動センターでは、安全に活動するための情報を以下の通りまとめましたので、活動をする前にぜひご覧ください。
 


 

■災害ボランティアに関する情報をわかりやすくまとめているサイトの紹介

① 全社協被災地支援・ボランティア情報のサイト  
② パナソニック ホールディングス株式会社の災害支援サイト 
  ※災害ボランティア活動支援プロジェクト会議(通称:支援P)の協力のもとで制作されています。
③ NPO法人レスキューストックヤード 
 災害ボランティア車両の高速道路の無料措置について  
 


 

■ボランティア・NPO活動センターでできること  

① ボランティア保険の加入手続き
② 長靴、ヘルメット等の貸出 
③ 情報の提供

 活動について考える時は、このページに掲載している「災害ボランティアに参加する前に知っておいてほしいこと」を予め読んだ上で、行動するようにしてください。
 その他、現地に行けなくても、募金活動等の応援方法があります。センターではそういった情報も収集中ですので、何かしたいと考えている学生や教職員は、ぜひセンターまでご相談ください。
 


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災害ボランティアに参加する前に知っておいてほしいこと



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