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本学教養教育センターでは、教養教育の充実を通じて、本学の学士課程教育の充実をはかり、「幅広い学び」の保証に繋げるとともに、主体的に考える力を育成し、市民的教養を起動させる教養教育プログラム開発を進めてきました。
今回、「テーマをもった学びへの誘導」「文理融合」「学部横断的な学び」を基調とする「領域融合科目」の設置にかかる成果報告とともに、「教養教育の新たな可能性―大学教育は市民的教養を起動させ得るか」をテーマとしたパネルディスカッションを開催いたします。教養教育にかかる先進的な取組を推進している大学から2名の教員をお招きし、基調報告を開催するとともに、教養教育の新たな可能性を考える機会にしたいと思います。
学内外問わず、ご興味のある方は是非ご参加ください。

日時 2025(令和7)年2月19日(水)14:45~17:05

場所 深草学舎 和顔館1階 アクティビティホール

開催内容
基調報告➀ 14:50~15:20
「教養教育をどう設計するか ―東京科学大学の取り組み事例を通して―」
東京科学大学 リベラルアーツ研究教育院   准教授  岡田 佐織  氏      

基調報告➁ 15:20~15:50
「文理融合によるやっかいな問題への挑戦―大阪大学COデザインセンターにおける学際と共創の教育実践から― 」
大阪大学COデザインセンター 教授  山崎 吾郎  氏

基調報告➂ 15:50~16:10
「大学教育は市民的教養を起動させ得るか―龍谷IP事業の取組と2025教養教育改革を通して―」
龍谷大学 教養教育センター長    只友 景士  

ディスカッション   16:20~17:00
モデレーター                   清家 竜介  (龍谷大学社会学部  准教授)
指定討論者              舟橋 健太  (龍谷大学社会学部  准教授)
コメンテーター    
   岡田 佐織    氏,山崎 吾郎    氏, 只友 景士      

参加対象  本学教職員/大学等の高等教育機関の教職員  

申込方法 Web申込 
※対面・オンラインいずれも以下のフォームよりお申込みください。
 申込フォームは、こちらから

申込期日 2025年2月14日(金)

問い合わせ先 龍谷大学教養教育センター事務部
メールアドレス:kyogaku@ad.ryukoku.ac.jp

     



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 2025年1月8日(水)1時間目、ソーシャルワーク演習Ⅰ・社会福祉演習Ⅰの授業で、「人が 生まれること 生きること 生を全うすること 〜誰ひとり取り残されないまちづくり〜」というテーマで玉木幸則さんの講義がありました。
 玉木さんは、NHK Eテレ「バリバラ みんなのためのバリアフリー・バラエティー」にレギュラー出演され、いつも核心をついたコメントをされています。
 本講義は「いのち」を考えるための実践的教育プログラムの一環で行われています。
 2016年に発生した相模原市にある津久井やまゆり園で起こった障害者殺傷事件以後、いのちの大切さ、命の価値について、学生たちに考えてもらうために始まった取り組みです。
 玉木さんは、冒頭「誰ひとり取り残さない」という言葉に対して、「何となくモヤモヤしています」と発言されました。本当は「誰ひとり取り残されない」ではないかとの問題提起でした。「取り残さない」では自分は含まれず、自分以外の取り残されている人という印象があるため、「取り残されない」と自分も含めて考えることが必要だと言われました。「誰ひとり取り残さない」という言葉は、よく使われている言葉ではありますが、言葉の細かなところまでしっかりとその意味を考えることは、とても大切なことだと考えました。
 そして最後に「わたしたちは、障害者としてではなく、まずは、ひとりの人間として見てほしい」と言われ、全ての人々が「みんなが幸せになるために生きている」と幸せになるための法則を示し、締めくくられました。学生たちは真剣に玉木さんの講義を受講していました。


玉木幸則氏の特別講義の様子


玉木幸則氏の特別講義の様子


玉木幸則氏の特別講義の様子


1.法学部を選んだ理由をお聞かせください。

これといった理由はなくて、なんとなく法学部がかっこ良さそうだったからでした(笑)。特に何か学びたいことがあった訳でも無いです。本当は考古学者になりたくて史学部に行きたかったんですけど、落ちてしまって、それで一浪した後、最初に通ったのが龍谷大学の法学部だったんです。それで法学部を選びました。

2.刑事政策や犯罪学を学ぶきっかけは何ですか?

きっかけになったのは、3回生の時に開講されていた犯罪学の講義です。それを受けてこんなに面白い分野が法学部にあるんだと思いました。その後、同じような分野の科目を探して、刑事政策とかを受講しました。あと龍谷大学は、矯正・保護課程というちょっと特殊な講義があって、刑務所職員や保護観察官、あと少年院の法務教官といった方たちが講師をさていました。そういうものを受けたりして、刑事政策とか犯罪学が面白いなと思うようになりました。

3.大学は龍谷大学を卒業されたとのことですが、大学院は九州大学を選んだ理由をお聞かせください。

龍谷大学の学部を卒業し、修士課程を修了した後、九州大学の博士課程に進学しました。当時の指導教授の先生が勧めてくださったというのが大きな理由です。私が修士課程を終えた頃に、その先生が1年間海外に留学されるタイミングということもあって、龍大にそのままいるよりも九州大学に行って、そちらで勉強するのもいいんじゃないかということでした。刑事政策で有名な先生もいらっしゃったことも、九州大学を選んだ理由の一つです。何か強い志があったというよりも、その時の流れとか巡り合わせの部分が大きかったと思います。

4.学生の頃行っていたバイトやサークルは何ですか?

今は龍谷大学の敷地になっているんですけど、業務スーパーの向かい側に昔はホームセンターがあって、そこでバイトしていました。2年半ぐらいやってましたね。そこで品出しとか接客、発注とかをしていました。その他にも引っ越しとか自動販売機にジュースを詰めるアルバイトとかもしていました。京阪四条駅を上がった交差点の自動販売機も私が詰めていましたよ(笑)。サークルは、軽音楽部に所属していて、そこでバンドを友達とやっていました。学内や学外のライブハウスでライブをする活動をしていました。楽器は大学に入ってからギターを始めて、パートはギター&ボーカルをやっていました。

5.先生のご趣味は何ですか?

あまり趣味と呼べるようなものはないんですけど、さっきのサークルの話とも繋がるんですが、十何年ぶりくらいにバンドをまた始めました。来年の3月にも仕事関係の人達と東京でライブイベントをやる予定です。バンドを再開するきっかけになったのは、薬物依存症の人達の回復施設で「ダルク」というのがあるのですが、その中のひとつがライブハウスを自分たちで運営されているんです。依存症のある人達が音楽を演奏して、回復していくっていう取り組みをされていて、そのライブハウスで定期的にライブイベントが行われているんですよ。それで私の東京にいる友人の弁護士さんとか、同じ分野で仕事をされている人たちと一緒に、この1、2年くらいかな、定期的に出させていただいているんです。趣味といえば、今はそれくらいですかね。

6.先生が専攻されている刑事政策や犯罪学の面白さや魅力を教えてください。

ひとことで言うのは難しいですけど、ひとつは犯罪とか刑罰とか普段われわれがあまり触れない、触れたくないと思っているようなことの違った側面を知ることができるっていう面白さがあると思います。例えば、私が学生の頃、凄く犯罪が増えているとか、少年犯罪が凶悪化しているとか低年齢化しているといわれていたんですけど、犯罪学の講義の中で、実は凶悪な犯罪は増えていなかったし、犯罪が増えているように見えたのも、警察の取り締まりの影響とか社会の側の反応が大きく影響しているんだということを教えてもらいました。そのときに、自分が思っていたこととは違ったことが明らかになる面白さみたいなものを犯罪学に感じました。また今自分が刑事政策や犯罪学の研究をやっていて面白いなと思うのは、法律系以外の分野の人たちとコラボレーションできるところです。社会学や心理学、社会福祉学、あるいは医療もそうですけど、犯罪とか刑罰っていうのはそういう分野とも凄く密接に関わっています。例えば、社会学や心理学の人と一緒にアンケート調査をして、その分析をしたりとか、刑務所の中の医療や福祉について、その分野の専門家の人達と一緒に共同研究をしたりすることもあります。これは刑事政策の人がみんなそうというわけではありませんが、私の研究スタイルとして、法学がメインではあるけれども、それにとらわれずいろんな人たちと協力しながら、犯罪とか刑罰の問題について考えられるということが、この分野の魅力かなと思います。

7.学生が刑事政策や犯罪学を学ぶ際に意識してほしいことや気を付けてほしいことはありますか。

今私はいろんな、特に社会科学の分野の人たちと一緒に研究することが面白いって言ったんですけど、でも犯罪とか刑罰っていうのは、実はものすごく国家の権力が働く場でもあるんですよね。例えば、日本は死刑がありますよね。死刑っていうのは、国家が人を殺すという最も大きな人権侵害の可能性をはらんでいる刑罰です。刑務所に人を入れるっていうのも、個人の自由を大きく制約することでもあるし、そういう犯罪や刑罰の分野は、ものすごく強力な力、権力が作用する場でもあるんです。だからこそ、そこにいる人たちの尊厳とか、人権がいかに守られるべきかという視点は、やはり失ってはいけないと思います。法学畑の人間がこの分野を研究する意義というのは、私はそういうところにあると思っています。別にほかの人たちを悪く言うつもりはないですけれども、人権や権利を十分に知らずに犯罪研究をすると、極端な考えに至ってしまうことがあるかもしれない。例えば、かつては犯罪をした人たちを無理やりにでも治療して、善良な人間に変えた方がよいと考えていた時代もあったわけですけ。でも、やっぱりそういう人たちも同じ人間だし、人としての尊厳とか権利があるんだってことを学ぶこと、そのうえで研究することが大事だと思っています。それは法学部の学生が向いてるっていうか、法学部の学生だからこそできるアプローチなのではないかと思います。


8.先生のゼミでは今具体的にどのような活動をされていますか。

法学部だとゼミは2回生後期からですよね。私はこの4月に龍大に来て、ゼミも始まったばっかりなので、まだほとんど何もできていないです(笑)。今は『ケーキの切れない非行少年たち」という本を輪読しています。あの本を全員に読んできてもらって、それをもとにディスカッションするという感じですね。それ以外は今のところ特に活動と呼べる活動はしていないですね。

9.先生のゼミの特徴や強みは何ですか。

基本的には学生がやりたいことをやってもらいたいと思っています。私からは刑務所見学に行きますよって事前に伝えてゼミ募集をしているので、そこには行こうと考えています。強みと言えるかはわかりませんが、そういう現場を見ることは大事だと思っています。あと私のゼミには刑事政策・犯罪学と少年法に関心がある人に来てもらうのですが、それって今は司法試験の科目にないんです。昔は刑事政策が司法試験の選択科目だったんですけど、司法制度改革のときになくなってしまって、今でも復活してないんですよ。そのほかでも、刑法や民法と違って、刑事政策や少年法が公務員や資格の試験科目になっていることもありません。だから、私のゼミでがんばって勉強しても、それが試験対策として役に立つことはほぼありません。あえて言えば、それが強みということができるかもしれません(笑)。役に立たないことを、純粋な興味関心で学ぶことができる。司法試験や法律系の資格試験を目指す人は、その勉強のためにゼミに入ることもあると思うんですけど、私のゼミは良くも悪くもそういうのには全く関係がないんです。でも、だからこそ面白いと思えることを自由に勉強してもらえるというのは、強みというか特徴かもしれないと思います。ただ付け加えておきたいのは、刑事政策や少年法の知識は、実務家になった後には、必ず役に立つと思いますよ。

【インタビューを終えて】
 お忙しい中快くインタビューを受けてくださり、ありがとうございました。インタビュー当日はとても緊張しておりましたが、先生が優しく対応してくださったおかげで緊張も解れ、とても楽しくインタビューをさせていただくことができました。また、先生の学生時代のことや趣味のことなど、講義を受けているだけでは知ることのできない一面をこのインタビューを通して、お伝えすることができたのではないでしょうか。
このインタビュー記事が皆さんのゼミ選択、学校選択のお役に立てれば幸いです。
自分の可能性は無限。You,unlimited.次回のインタビューも、乞うご期待。


【取材・記事】
法学部学生広報スタッフLeD’s
中川 波音(法学部2回生)
平ノ上 美羽(法学部1回生)
八木 菜摘(法学部1回生)


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