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1.牛尾先生ってどんな人?

Q1.先生は民法や里山学などについて研究されていますが、研究し始めるきっかけなどはありましたか?


元々私は、19世紀のドイツの法理論を研究するところから始まりました。というのは、日本の法制度や法の運用はなぜヨーロッパと比較すると非常に封建的で民主的ではない部分が多いのか、と感じたからで、19世紀ドイツの法律家、特にルドルフ・イエーリングの法理論を研究しました。イエーリングは、日本の法理論上は、不法行為や違法性、権利論に影響を与えた人物で、明治前期頃から彼の理論が日本にも少しずつ入ってきていましたので、彼の考えを日本のものと比較しながら研究したのが始まりでした。ですので、研究を始めた頃は里山学からはかけ離れた研究を行っていましたね。

その後、龍谷大学に赴任してからは、農地法の研究会に入って現地で農村調査などをする機会があり、そういった活動の延長線上に里山研究があります。それまでは座学を中心に研究していましたが、親しかった先生からの紹介を通して里山研究と出会い、研究の世界が広がりましたし、自然と触れ合う大きなきっかけとなりました。今は、里山学研究センターのセンター長も務めています。


2.牛尾ゼミってどんなゼミ?

Q1.先生は「ゼミ」をどのようなものと考えていますか?


ゼミの目標としては、とにかく「学生が力をつけること」に尽きると思っています。ゼミとは単に所属する場ではなく、「力」を付ける目的の場だと考えています。具体的に私が掲げている目標としては、まず勉強することです。もちろん勉強は民法の勉強から始まりますが、どんなことも法律に関わっていますので、研修に行くにあたっては、研修先の地域の基礎情報をはじめ、産業や政策、法的問題点の勉強をするなど、勉強は形にとらわれなくてもいいと思っています。法学部卒として社会へ出て他学部卒の人たちと関り、法学の角度から例えば医学や建築、まちづくりなどの問題に取り組んでいくためには、色々なことを勉強することが大事だと思うからです。そういった点で、大学は自分自身への投資をする場所だと思いますね。

次に掲げる目標は、充実した時間を過ごすことです。時間の使い方は人によって様々だとは思いますが、例えば以前は1つの仕事だけをこなしていた1時間という時間で、集中して3つ4つと多くの仕事をこなすようパーフォーマンスを上げ、余った分はまとまったオフの時間に使うのも良いことだと思います。

そして3つ目の目標は、卒業する時点で様々な能力を修得していることです。牛尾ゼミ卒業生は、パソコンスキルや、先方とのアポイントや、大量の文章をまとめることが出来るようになっています。そういった意味で、自分の頭で考えて、自分で資料を探して、組み立てて作り上げるといった一連の流れを出来るような能力を身につければ、卒業後にどこへ行っても大丈夫だと確信しています。

Q2.牛尾ゼミでは、春と夏に合宿を行っているとお聞きしましたが、その合宿では主にどのようなことをするのでしょうか?また、合宿を通して学生に身に付けてほしい力などがあれば教えていただきたいです。

2回生の春合宿は、いわゆる研修合宿で、目的や内容については基本的に学生たちに決めてもらっています。昨年は国家戦略特区と農業を大きなテーマとして新潟へ行きました。新潟水俣病や日本遺産、世界農業遺産といった詳細なテーマを学生自らが見つけ、世の中が抱える問題について自分たちがどこまで接近できるか、最先端で取り組んでいる方々に対して学生だからといった「甘え」無く、今できることを勉強しつくした姿勢で臨むという活動を行っています。机に向かって勉強するだけではなく、社会の現実を目の当たりにして勉強することが重要だと考えています。

次に、牛尾ゼミでは1年間で2年分のことに取り組もうというのが特徴で、その内容として具体的には3回生にゼミ論文を書いてもらっています。春合宿では研修先へ出掛けましたが、夏合宿では判例や学説を読んで机に向かう勉強をどこまでやれるか、研究内容にどこまでアプローチ出来るかを行います。そしてこの夏合宿では、3回生はゼミ論文、4回生は卒論の合同報告会を行い、実際はまだゼミが本格始動していない2回生も参加します。2泊3日の合宿のうち1日は合同報告会に費やしますが、次の日からは上下回生で班を作って自由に観光し、その夜は全員で楽しくコンパをするメリハリのある合宿になっています。

この合宿を通してまず2回生には先輩の背中を見たり、先輩から勉強や就職の話を聞いたりする中で自分の将来について考えてもらいたいですね。次に3回生には人数の多くなる夏の合同合宿において全体のスケジュール管理やプランニングをして、コミュニケーション能力を付けてほしいです。同時に、3回生は合宿のメインでもある論文報告までの一連の流れをやり遂げるための総合的な力もつけていってほしいです。そうして4回生になると、報告の際に要点をコンパクトにまとめた報告が出来るようになって、本当に総合力が身に付くと思いますね。

Q3.牛尾ゼミにはどのような学生が集まっていますか?また、どのような学生に来てほしいと考えていますか?

牛尾ゼミは一説では「過労死ゼミ」とも呼ばれているんですが、まだ誰も死んだこともないし過労死しそうなのは私の方です(笑)。ただ、そういう評判のおかげか、意欲のある人や「自分は変わりたい」という思いを持った人が多く集まってくるように思います。例えば高校時代にやりきれなかったことがある、受験では力を思うように発揮できなかったなどそれぞれの思いから、大学では何かをやり遂げてリベンジしたいといった野心を持った学生が多いかなと感じますね。そして、これからもやはり意欲ある学生には来てほしいです。色んな学生がいるとは思いますが、成績の善し悪しは関係なくて、どんなに分からないところや苦手なことがあっても、しがみついて頑張ってくれる人は必ず伸びるし、いい結果を出せると思っています。ですので、最後までやり抜くぞという意志を持った学生に来てほしいなと思いますね。

Q4.ここは他のゼミには負けないぞという点があれば教えてください。

ゼミの特徴としては上限設定をしていないことです。龍谷大学の学生であればこのくらいでいいだろうということではなく、レベルやクオリティーを要求し、全国の大学生の中で勝負できる人の育成を目指しています。私はこの龍谷大学に勤めて25年ですが、実際にゼミ生の多くは、本人の希望に近いところへ就職できていますし、希望以上のところへ就職したゼミ生も少なくありません。そういう意味では、全国の大学の法学部の中で負けていないと思います。また、最初の一年はみんなに頑張ってもらいますが、ゼミには少し運動部ノリ的なものもあり、卒業後も横の関係・縦の関係が強く、とても仲良くて、それはみなさんの一生の財産ではないかなと思います。

Q5.牛尾先生のゼミの卒業生にはどのような進路に進む学生がいますか。

民法の専門分野では、研究者です。実際にひとりは大阪市立大学法学部の准教授になっていますし、今大学院で博士号取得を目指している学生もいます。次に法律関係職も多いです。裁判官や弁護士になっている人もいますし、司法書士の数も多く、毎年ロースクールに通う学生は一人ずつくらいいます。それから、公務員が多いです。多い年ではゼミ生の半分を超える人が公務員になります。国家総合職にも去年と一昨年、女子学生が就職しました。二人との女性なんですよね(笑)。他には、京都市役所や京都府庁もたくさん行きますね。民間に関しても、通信系や金融、流通系もそこそこいます。全体としては、一番多い就職先はやはり民間ですが、30%を超える学生は公務員になっていて、5~10%は法律関係職という感じです。

Q6.何かはまっていることや趣味はありますか。

料理ですね(笑)。いま急にはまった訳ではないんですが、留学先で色んな料理を試すようになってからおもしろくなって料理をしますが、細かい味付けなどない男料理です。それと併せて食べるということも楽しみの一つですね。B級でいいんですが、地域ごとの美味しいものをその季節に食べる。そして合わせて地元のものを飲むことも大事ですね(笑)

他には高校時代に演劇の演出などしたことがあり、大学入る前には映画監督になりたいと思っていた時期がありましたので、今でも映画は好きです。

Q7.今まで合宿でいろんなところへ行かれたと思いますが、何か思い出に残るエピソードがあれば教えてください。

どこもそこならではの味わいがあり、よかったですね。私達は単に観光ではなく、下調べをしてから、その地域に入っていくので、少し見え方は違います。今でも行った先々に知り合いがいたりするので、観光は観光でも、最近、地域の状況はどうですか?と聞いてしまう感じですね。里山の観点から見たり、景観の観点からみたり、土地の問題・植生・気候・食べ物、全部含めて行った先々すべてがよかったですね。

それから、ドイツに二度ほど留学をしました。そのときに、ヨーロッパのあちこちに自分で計画を組みたてて回りましたが、そうすると、ハプニングばっかりですし、上手く計画通り運ぶことはないですね。でもそれがまた旅行であり、様々な事が起こることが面白いですね。ヨーロッパではそんなことばかりでしたが、日本はあまりそういった余裕がないように感じます。日本でももう少しルーズでもいいかなと思いますが(笑)。

Q8.最後に学生に向けてメッセージがあればお願いします。

今しかないかけがえのない時間を過ごしてほしいですね。私は常日頃から学生たちに「時空を超えろ!」と言っているのですが、わかる人たちはいずれわかるようになります。そこに新しい世界が見えてきます。



3.インタビューを終えて

アクティブ!という印象のあるゼミを開講されている牛尾先生ですが、インタビューの日は終始、優しく物腰柔らかに私たちの質問に答えてくださいました。また、牛尾ゼミには自分の目標をしっかりと持っている学生が多いのですが、先生の情熱により、そんな学生がさらに熱く目標に向かって努力することができるんだな、と改めて感じました。


【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
石田 聡子(法学部3年生)
小山 夏美(法学部3年生)


1.濵口先生ってどんな人?

Q1.なぜ憲法学を研究しようと思ったのですか?


私が学生時代、学部で所属していたゼミは実は憲法ではなく刑法のゼミなんですよ。そこで刑法の勉強をしていくと、具体的な解釈論以上に、なぜ人が何かの犯罪によって処罰されるのか、国は刑罰をもって人を処罰しうるのかということの方に興味を持つようになりました。強力な強制力を発動する刑罰をもってしてでも守られるべき利益や人権とは何なのか、そこからそもそも国家権力の行使に関わるところの憲法にも興味が広がっていったのではないかと思います。だから、ゼミの先生とも相談して大学院に進むときは専攻を憲法に移していましたね。今でもその原点は変わらなくて、たとえば共謀罪(テロ等準備罪)のように、国家がいかなる場合に刑罰を発動すべきなのか、そのとき捜査権力はどこまで権力を行使しうるのかというような、人権と権力との根本的な関係にはずっと関心を持ち続けています。

それから、もともと人間は個人として尊重され(日本国憲法13条)、平等な存在(同14条)とあるのに、実際にはそうではありません。人間らしい生活(同25条)が送れていない人もたくさんいます。そういった現実に、法や政治はどうあるべきなのかに根本的に興味があったというのはありますね。自分が女性ということもあって、女性差別的な社会通念には常に疑問を感じてきました。なので「平等」という問題にはとりわけ関心が高かったと思います。そういうもともとの問題関心も憲法学を学びたいと思った理由で、実際刑法ゼミに所属しながら憲法のゼミも(単位取得に関係なく)掛け持ちして参加していました。

Q2.どうして研究者になられたのですか?

最初、法学部に入った時は周りも自分も司法試験を受けて、弁護士になろうと思っていました。人と関わって人の力になれるような仕事がしたくて、そういう面で、自分が依頼人の利益を考えて法的な問題を考えていくという、弁護士の仕事があっているかと。ただ、試験勉強をしていくうちに、どうしても突き詰める性格で、そもそもなんでこういう法律があるのか、その法律が間違っているのではないか、というように今の政治や裁判では実現できていない憲法的価値の問題を考えたいと思うようになりました。それはゼミでの学びと連動していて、徹底的に深く考えるのはゼミじゃないとできません。追究していく勉強の方が多分好きだったんですね。

なので、最初から研究者になりたいと思っていたわけでは全然なくて、思い悩む性格と突き詰めてちゃんと考える性格が最終的にはちゃんと研究をしようというところに落ち着いたという感じですかね。

Q3.最近のマイブームは何かありますか?

今は水曜日の夜にドラマの「相棒」と、木曜日の夜に「科捜研の女」の2つを観るのが習慣化してます(笑)。今日は帰ったら相棒を観るぞ!という感じで。刑事もののドラマって色々あるじゃないですか。でも相棒はちょっと他と違っていて、憲法・刑事法とも関係あるんですけど、警察組織の中の権力関係とか、警察以外の国会とか他の行政機関の権力の濫用という問題も描いていたり、生活保護、派遣切り、テロの恐怖、武器輸出、米軍基地、監視国家、家庭教育支援法、DVなど現実の社会問題に鋭く切り込んでいることに途中で気づきはじめたんですよ。そういう脚本が面白いと思うようになってから、TSUTAYAで借りて最初のシーズンからほぼ全部観るようになりました(笑)。

科捜研の女のマリコさんも、相棒の右京さんも出世とか組織のしがらみに囚われることなく自由で、自分たちが所属している捜査機関が持つ強大な権力が濫用されること、私欲のために歪んだ使われ方をされることを徹底的に嫌います。そういう姿勢も自分が共感できるポイントでしょうか。もっとも、二人のようにあんなに自由で振り切った行動を取れるかは自分には自信がありませんが、ああなりたいなぁとは思って観ています(笑)。

Q4.ドラえもんが好きだとお伺いしたのですが、ちなみにどの秘密道具が好きですか?

ムード盛り上げ楽団ですね(これ、わかる人どれくらいいるんでしょうか?・笑)。音楽隊のロボットがいて場面に合わせていろんな曲を流してくれるんですけど、それによって人の感情を引き出し、ときには自分も気づかないほどの潜在能力を目覚めさせてくれるんです。ドラえもんの道具ってどこでもドアとか、ビッグライトとか、人間にできないことを道具で実現するっていうのが普通じゃないですか。だけど、ムード盛り上げ楽団は基本的に人間の力がベースでそれをちょっとだけ後押しする道具なんです。人間にとって代わるのではなくて、人間の力をサポートするための科学技術というのがすごく素敵だなと思ったんですね。

ドラえもんという作品では、未来の道具を使って人を幸せにもできるけれど、使い方を間違うととんでもない結果ももたらすというシーンが多く描かれています。そこには技術が発達すればするほど、人間のおごりとか、悪意にこそ向き合わないといけないというメッセージが含まれているように思うんです。それはたとえば核兵器や環境破壊だったり今人類が直面している現実の問題にも通じているように感じています。


2.濵口ゼミってどんなゼミ?

Q1.濵口先生は「ゼミ」をどのようなものだと考えていますか?

講義は教員が大人数の学生の前に立って専門的知識とかその学問の情報を伝えるという感じで、どうしても一方向が基本にならざるを得ません。しかしゼミの場合は少人数なので、学生も教員も関係なく全員がゼミのメンバーの一人として積極的に質疑応答していくという形式で真剣に議論できる場です。日常生活の中で政治や憲法の問題を真剣に議論する機会はあまりないと思うんです。本当はプライベートな場でもしゃべってほしいですが、なかなかそういう場では気恥ずかしくて言えない事でも、ゼミはそういうことこそ、メインに話すことができます。1つのテーマやいろんな学問的な問題について真剣に議論できる場は貴重だと思うので、そういう意味でゼミは大事だと思います。教員でも気づかない発想で、ゼミ生が直感的に鋭い発言をすることもあって、私にとっても刺激になるんですよ。

もう一つは、徹底的に調べ、考える能力を身につけるところということもあると思います。ゼミのときには、あるテーマについて議論するにあたって、その基礎となる学問的議論や、根拠となる考え方を徹底的に問いかけるように促します。「ただなんとなく、そう思う」から、根拠ある説得的議論へ、それが大学での学問の作法です。それを身につけることができるのはゼミならではかなと思います。

Q2.どんな学生が集まっていますか?

性格とか個性は本当にバラバラですが、自分をしっかり持っていたり、興味関心がはっきりしている人など精神的に自立しているしっかりした人が多い気がします。私がのんびりした性格なので、ゼミ生がしっかりしてくるのかもしれませんね(笑)。あとは、私が大事にしているから、というのもありますが、他人の報告でも自分の報告でもそこからちゃんと学んで考えたい、という姿勢は強いように思います。

Q3.では、どんな学生に来てほしいと考えていますか?

やっぱり憲法や人権に興味がある人に来てほしいというのはありますけど、「ひっかかり」を感じられる人に来てほしいと思います。私もみんなと一緒に考えたいと思ってゼミをやっているので、どうしてなんだろう、なんでこういう事が起きるのだろうと、「ひっかかり」を感じて考えることができる、要するに自分の頭で考えられる人に来てほしいかなと感じます。なので、一方的に私から何かを教わりたいと思っている人は何か違うと感じてしまうかもしれません。ゼミでの研究テーマやゼミの進め方も全部ゼミ生たち自身で考えてもらっていますので、ゼミを作り上げるという過程においても自分で考えるという力は必要になってきますね。

もちろんゼミでの議論が行き詰まったり、間違った前提知識で進んでしまいそうなときは私から助け船を出してサポートしています。またゼミ生たちも、どうしたらもっと説得力のある議論ができるだろうか、この問題の本質に迫るには何が足りないのだろうか、とまずは自分の頭で考えた上で、相談に来てくれて一緒に考えることも多いです。学年が進むにつれて、自分の報告の前に相談を持ち掛けてくる回数がだんだんと増えていき、自然とゼミの時間以外でも自分の取り組んでいるテーマについて考えるようになる、そんなふうに成長していくゼミ生の姿を見るのがとても嬉しいです。

Q4.「ここは他のゼミには負けないぞ」という点があれば教えてください。

負けないぞといわれると難しいですね…。強いてあげるなら自主性ですかね。学生が自分で考えて自分で動くというところを私自身意識して指導しているところなので、自然とそうなるという感じですかね。先ほども述べましたが、自分で考える力をつけて、私のサポートがなくても正確な知識と根拠に基づいた議論ができるようになってほしいので、ゼミでの報告でも、卒業論文執筆の指導でも、細かいところも含めて徹底的に聞き返します。最初は大変だけど、それを繰り返していくうちに、指摘した疑問点に的確に答えることができるようになっていくので、そういう意味では粘り強さとか集中力は身についている子が多いのではないでしょうか。

Q5.ゼミで身に着けてほしい能力は何ですか?

正確な学問的知識を蓄えることも必要ですが、最終的にはそれを使って考えるところが重要になってきます。自分がこういうことに関心があるとか、どうしてこんな問題が起こるのだろう、なんで差別が無くならないんだろうといった興味関心から学問への入り口に入っていくので、関心を持つというところを自分で考えることができれば、勉強していくにつれ、その関心を学問的議論へと上手く展開できるように自然となっていきます。なので、身に着けてほしい能力というと、自分の頭でしっかり考えられるという事と、社会の物事にひっかかりを感じられるという事ですかね。

それからもう一つは、想像力だと思います。憲法学に限らず法学・政治学で扱う事例には、一見すると今の自分には関係ない(と思っている)事柄の方が多いのではないでしょうか。刑事事件の被疑者になることも、生活保護も受けることもないかもしれない。国会議員になることもないかもしれない。そうすると、自分に関係ある(と思っている)こと「だけ」を学ぼうとする。必要な知識だけ得られればそれでよい、という姿勢になりがちです。しかし、人間に基本的に備わっているはずの「権利」が脅かされている人が現実にいる。人間はあるべき正しさとは裏腹に、利己的な感情も差別的な感情も持ち合わせている不完全な生き物です。さらに力の差や置かれている環境の違いも相まって結局は弱い立場の人たちに生きづらさのしわ寄せが行ってしまうことも、歴史は証明しています。だからこそ、「自分は大丈夫、関係ない」、から、すべての人が人間らしく生きられる社会を構築するために国家・社会はどうあるべきなのか、思いをめぐらせることが絶対に必要で、そのためには自分が置かれた立場ではない、まさにいま、人間としての権利を脅かされている人の立場に立って考える、想像力が不可欠になってくるのだと思います。

Q6.最後に学生に向けて何かメッセージがあればお願いします。

学生の4年間は長いようであっという間に終わってしまいます。大学の授業を、卒業するための単位を取るためのものとあまり受け身に考えてほしくなくて、学ぶことを面白いと感じてほしいです。楽しいと感じられる瞬間が学問の中にあれば大学生活はより充実すると思います。大学の先生のようないろんな分野のエキスパートがいて、いろんな話が聞ける場というのは社会に出たらまずないので、実は学生の皆さんはすごく貴重な場にいます。いろんなことを知ることができて、いろんなことを学べることが面白いと思える機会が社会人になったらまずないという事を知ってもらえれば、すごく貴重な時間を過ごしているのだと実感できると思います。

また、自分の今の価値観に満足することなく、それも疑いつつ、いろんな意見や知識を吸収しながら自分を刷新していく姿勢も大事にしてください。生まれてから大学に入学するまでの間に得た自分の経験や知識から形成されている自分の価値観は、「その時点での」価値観にすぎません。学問の世界では社会の物事を見る見方にはいろいろあって、どんなものさしで見るのかも学問領域によって多様です。憲法学(法学)では、憲法という国家・社会のよって立つ規範に従って、社会的事象に切り込みます。そういう新しい視点を入れることによって、自分でも気づかなかった固定観念・視野の狭さに気づくことも多いですよ。でもそれこそが大学で学ぶ意義なのではと思います。ぜひ「自分」と向き合ってどんどん生まれ変わってください。


3.インタビューを終えて

ゼミとはどんな場所であるのか、大学で学ぶとは何なのかを今一度再確認することができたとても有意義な時間になりました。
また、インタビューはゼミが終わった直後にさせていただいたのですが、濵口先生のお誕生日が近かったという事で、ゼミ生からプレゼントを貰っておられました。濵口先生の親しみやすさもゼミ生の自主性の創造に少なからず関わっているのだと感じました。
では、次回の更新もお楽しみに。


【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
古 太恵人(法学部3年生)
前田 祐希(法学部2年生)


1.寺川先生ってどんな人?

Q1.寺川先生はなぜ憲法学について研究しようと思ったのですか?


当時からつぶしが効くと言われていた法学部で勉強しようと高校生の時に考えて、バブルの時代だったので、就職活動でも受けたところからは全部内定をもらえました。ただ、そのことが自分の中でも不思議でゼミの先生に相談したんですよ。そこで将来のことを相談するようになって、その時の先生の一言一言が心に残ってすごく感銘を受けまして、いつの間にか『この人みたいになりたいな』って思うようになりました。そしてたまたまその先生が憲法学の研究をしている先生だったんですよ(笑)。

Q2.寺川先生が思う、「学生の時にしておいたほうがいいこと」は何ですか?

いつもいろんな学生に『大人と話をするように』という事を言っています。アルバイト先の大人の人でもいいんですけど、ご家族や大学の教員や事務職員の方などなるべく身近な人が好ましいです。だからこそ、ゼミは大事にしてほしいです。大人である教員と一番話す機会だからです。僕がゼミの先生に相談に乗ってもらったのは初めて大学で大人と話をした経験でしたしね。

Q3.最近のマイブームは何かありますか?

今は、古都散策をしています。京都の気に入った庭とかを時々見に行ったりしています。ちょっと覗いて心を落ち着かせてから、講義に臨むこともあります。

Q4.カラオケが苦手とおっしゃっていましたが、もしカラオケに行ったとしたらどんな歌を歌いますか?

カラオケ苦手やね(苦笑)。だから最近はカラオケに行っても歌は歌いません。拍手するだけです。

Q5.寺川先生が授業を行う際、気にかけているポイントなどはありますか?

90分の授業の中で山あり谷ありを作らないといけなくて、半期の15回の授業でも大きい山あり谷ありを作らないといけないですから、大学の授業って難しいんですよ。15回ずっとハイテンションだと大変でしょ(笑)。だから、その点を心掛けています。それと、感覚的なことだけど、今話している内容は、その5秒前に考えているというイメージで話しています。だから、授業前にあまり前もって話す内容を考えるという事はしないですね。あとは自分の世界に入ることですね(笑)。


2.寺川ゼミってどんなゼミ?

Q1.寺川ゼミでは、具体的にどのような活動をされていますか?


私のゼミでは、とにかく本を読みます。テーマは決まっています。現在は、日本国憲法の施行からちょうど70年という節目の年なので、憲法の辿ってきた歴史について判例を用いながら、じっくり振り返っています。やっていることは、一生懸命本を読み、レジュメを作り、報告し、質問するということを繰り返す、伝統的な勉強法です。

Q2.寺川先生は、『ゼミ』をどのようなものと考えていますか?

『ゼミ』とは、大人と話すことのできる数少ない機会です。そして、ゼミにいる大人とは、大学にいる4年間の中でしか出会うことのできない教員という『特殊な人種』です。彼・彼女らは、社会にいる大人とはちがい、様々な動機付けをしてくれます。なので、ゼミは一風変わった人から、一風変わったことが聞ける良い機会になると思います。

Q3.寺川先生の考える、理想の『ゼミ』とはどのようなものですか?

世間からはずれていてもいいから、小さくまとまらずに、自分のやりたいことをフルスイングするゼミです。先生のバイタリティーあふれる姿を学生が見れば、それにあこがれて学生が集まる。そういうゼミってすごく生き生きしていると思います。
Q4.寺川ゼミにはどのような学生に来てほしいですか?
僕の意見を否定してくれる学生に来てほしいです。僕のことを好きな学生というよりは、むしろ僕のことが嫌いな学生に来てほしい、そしてどんどん僕に挑戦しに来てほしいですね。

Q5.最後に学生に向けて何かメッセージがあればお願いします。

大人のいうことを信じるなということです。大人からものを言われたら、まずは疑ってかかる、それが第一です。そして、何かおかしいと思ったら、原点に立ち返ってほしい。従順ではあってほしくないですね。



3.インタビューを終えて

不思議な先生。これが、インタビューを終えた私の最初の気持ちでした。寺川先生の「大人のいうことを信じるな」という言葉は、「寺川先生自身の言うことさえ疑え」ということです。ここからもわかるように、先生の言葉一つ一つが新しくて「不思議な人」だと思う一方、先生のそのような部分に惹かれていく自分がいました。これが寺川先生の人気の秘密なのかもしれませんね。次回もお楽しみに。


【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
古 太恵人(法学部3年生)
野間 元綺(法学部3年生)


1.石塚先生ってどんな人?

Q1.学生時代はどの様な学生でしたか?


ゼミは行政法のゼミに所属していました。身近なことを学んでおもしろいなあと思ったことを覚えています。
あと、サークルには入っていなかったですね。あとは皆さんと同じように、同じクラスだった人と一緒に授業を取ったりしていましたね。

Q2.教員になったきっかけは?

法学部でしたので、公務員になるために公務員試験とかを受ける人もいましたけど、私はもう少し勉強したいと思ったからですかね、学部生が終わるころに。で、そのままずっと何年か勉強していたらこうなったって感じです。(笑)

Q3.先生の論文にはドイツに関することが多く出てきますがドイツ留学などしていらしたのですか?

長い留学はしてないですね。短期間で一ヶ月弱ぐらいのごく短い期間ですね。その期間は冬で、ドイツの冬って日本より寒いんですよ。向こうに友達もいないのでずっと勉強してましたね(笑)

Q4.勉強以外でどこか行ったとかはありましたか?

どこにも行ってないですよ。(笑)あ、でも土日が休みだったので電車に乗って、ドイツのいくつかの町を見に行ったのを覚えていますね。

Q5.趣味はおありですか?

あまりないですね。まあ、休日に平日とは違ったことや、仕事とは違ったことがやれるとリラックスはできますね。研究は行き詰ることがありますが、買い物なんかは買えばできますので(笑)。そんな感じで趣味というか気晴らしをしています。

Q6.先生は行政法を専門とされていますが、なぜ行政法を研究しようと思われたのですか?

それなりに身近な話が色々出てくるんです。例えば、訴訟であったり訴訟にならない話であったり・・・行政って役所で行われている仕事であって、役所とかかわりながら普段生活しているので、法律を研究し、授業でやることよりさらに深く学ぶと、とても身近な法分野で面白いと思ったからですかね。



2.石塚ゼミってどんなゼミ?

Q1.石塚ゼミでは、主にゼミ生による報告や事例の解説を行っていると伺ったのですが、現在はどのような活動をされていますか?


「現在も主に報告や事例の解説を進めています。石塚ゼミならではの活動と言うと難しいのですが、運営の方針を学生の皆さんにお任せしていて、各回生によってどんな学生が集まってくるかというのも異なりますので、進める内容や進め方には違いがありますね。例えば今の3年生のゼミでは、公務員試験を目指す学生や行政書士の試験を受けたいというような特に勉強熱心な学生が多く、レベルの高いところまで学んでいたり、より多くの報告を行うという形で活動しています。報告を行うにあたっては、2回生から3回生の前期まではペアを組んで報告してもらい、3回生の後期になってくると個人で勉強したいと思うことに取り組んだ方がいいと思うので、個人での報告が中心になってきますね。」

Q2.先生は「ゼミ」をどのようなものと考えていますか?

「他のゼミではどうなのかは分からないんですけれど、例えば行政法の講義の中ではあまり触れられなかったり、教科書には少ししか載っていないけれど実際の社会では大事な法律などについて、ゼミでは詳しく触れていけるようにしたいなと思っています。また、大学では、行政法について、民法や刑法で学ぶような各論の講義を行っていないことが多いのですが、各論の部分を分からないと実際には理解しにくいことも多くあるので、ゼミでは龍大の講義のカリキュラムには入っていない各論の部分にも触れていきたいと思っています。」

Q3.ゼミを通して、学生にどんな力を身に付けてほしいですか?

「法学部の中での法学のゼミで活動する者として、他の学部の人たちには出来ないことを出来るようになってもらいたいです。例えば、自分で裁判の判決文を読めること、その長い文の中でどこが大切か見極めることが出来るようになってほしいです。それから、これは法学部の学生に限らず、学生の間に、報告の準備や実際に報告をすることを通して、資料を作ったり、人前で話したり、話す内容をきちんと相手に理解してもらえるように工夫して伝えることを身に付けてほしいなと思います。どんなゼミで活動していても、将来役立つ力になると思うので、きちんとものを調べて報告へ繋げられるようになることが大事だと思います。」

Q4.石塚ゼミにはどんな学生が集まっていますか?また、どんな学生に来てほしいと考えていますか?

「法学部の学生は、全体的に真面目な学生が多いと思いますが、その中でも特に真面目な学生が集まっていると感じます。「真面目」というのは、例えば「自分は公務員になりたい」や「民間の企業に勤めたい」など目指すものはみんな様々だと思いますが、自分のやりたいことに向かって真面目に取り組むという意味での「真面目さ」です。自分の将来との関係で今何をしたいか、そのためにはゼミの時間をどういう風に使うかを考えられる人が多いです。また、それぞれが違った進路を希望する者どうし、自分とは違う分野に興味を持つ相手にも、互いに尊重しあって「真面目」でいられることも大事だと思います。そういう意味を含めて、真面目な学生に来てもらいたいですね。」

Q5.最後に学生に向けてメッセージなどがあればお願いします。

「普段の生活の中でどういう生活をするにしても、社会の中でどんな仕事をするにしてもルールというものは付き物です。そんな中で、法律や政治という、社会のルールや公の事柄について勉強をしている法学部の学生、あるいはそういったことを勉強したいと考えている高校生の皆さんがルールを学ぶということは、人と人とのかかわり方について勉強することでもあるので非常に重要なことだと思います。しかし、この先何年、何十年と生きていく中で法律の改正などに伴って、社会の仕組みなど色々なことが変わっていくと思います。そうなったときのために、ルールや公の事柄の基礎にある考え方を法学部で今しっかりと勉強しておけば、色々な変化への対応力が身に付くと思いますし、その対応力を身に付けられることが法学部で勉強するにあたって意味のあることだと考えています。」



3.インタビューを終えて

寡黙な印象を持っていましたが、インタビューでは普段なかなか聞けない小さな質問なども含めて、たくさんの質問に答えていただきました。インタビューでは、先生が考える「真面目」の意味についてのお話もありましたが、石塚ゼミに「真面目」な学生が集まるのは、まず先生が学生に対して「真面目」に接する方であるからだという風に感じました。 次回の更新をお楽しみに。


【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
石田 聡子(法学部3年)
永井 玲大(法学部3年)


1.今川先生ってどんな人?

Q1.コーヒーがお好きなのですか?(コーヒーを豆から挽いていただきました!)


「こだわりがあるわけでなく、飲むならおいしいものを飲みたいと思うからっていうだけですよ。」

Q2.今川先生はどのような学生時代を過ごされましたか?

「高校2年の夏くらいから某芸大だけを目指していてました。200点満点中180点をもらえるくらいデッサンがよかったんですよ。でも油絵の方がだめでね。何回か受けても駄目だったのを見かねて、親が4年制の大学に願書出してたまたま日が空いていたから受けに行って、受かったから仕方なくそこに行ったんですよ。そこでずっと仮面浪人をしてましたね。大学3年の時までその某芸大を受け続けてました(笑)。」

Q3.絵は今も描かれているんですか?

「今は全然やってないなあ。昔プリントゴッコで絵を描いたくらいかな。あと、ゼミ論集を作るときの表紙に少し絵を描いてますね。」

Q4. 他になにか趣味はありますか?

「趣味というか、体が重力に従順にならないように少し体を鍛えています。大学に来ないときはジョギングをしたりしてますね。なるべく階段を使うようにしたり、1日1万歩を目標にしています。ちょっと行き詰った時に短時間トレーニングをしたりしていますね。あとは、靴磨きが趣味です。意外と面白いですよ。」


2.今川ゼミってどんなゼミ?

Q1.今川先生は「ゼミ」をどのようなものと考えていますか?


「活動としてはあまり抽象的なことはしたくなくて、演習Ⅰの前半はビジネス法務検定3級の勉強をして、後半はゼミ論集の作成に取り掛かり、演習Ⅱの前半でビジネス法務検定2級の勉強をして、後半は卒論の作成に取り組みます。あとは民間企業などにゼミ独自のインターンシップに行ったりしてます。講義感覚では伝わらない学生の考えなどと身近に触れられる機会だと思っています。」

Q2.今川ゼミにはどんな学生が集まっていますか?また、どんな学生に来てほしいと考えてますか?

「ゼミが始まってすぐに資格試験の勉強が始まるので、コミュニケーションをとる機会が少なかったのですが、ゼミの後半になってくると報告をしたり、バーベキューに行ったりしたので、学生が考えていることを知ることができたり、コミュニケーションをとることができます。今集まっている学生は、女子の方が活発な気がしますね。また、ゼミ生とは深く関わりたいのでなるべく少人数のゼミを期待しています。発言率が低い人、消極的な人、大歓迎です。求めている理想像はありませんから。」

Q3.ゼミで身に着けてほしい能力は何ですか?

「勉強についてはもちろんビジネス法務検定2級、3級に合格してほしいということですね。就活にも役に立つと思うので。あとは、就活に役に立つようなゼミであることを一番念頭に置いているので、インターンシップに行くときに挨拶やお礼などの最低限のマナーを守れるようになることですね。そして実務を学ぶというところから意識してほしいのは、相手のニーズを知るという事と、相手の良さを見つけるというところですね。これが意外と難しいものなんですよ。」



3.インタビューをしてみて

とても気さくに接していただき、時間が過ぎるのがあっという間でした。就活の話や趣味の話などいろんなお話をしていただき、インタビュー以外のことでもとてもためになることが多かったです。普段から運動をされている今川先生は、移動でも階段を使われているとのことなので、僕もインタビューのあとは階段で一階まで降りてみました(笑)。 では、次回の更新もお楽しみに。


【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
古 太恵人(法学部2年)


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