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里山学研究センター研究フェロー好廣眞一先生が社会とつながるアカデミック・カフェで
        31年間にわたるヤクザル調査隊の活動を報告


 森のある大学 龍谷大学里山学研究センターの研究フェロー・好廣眞一先生が、去る8月11日の午後13時30分より、社会とつながるアカデミック・カフェ(第60回)にて、「屋久島で若者たちが変り、育ったーヤクザル調査隊の31年」という表題で、講演を行いました。
 世界遺産の登録地域の1つである屋久島は、島内における標高差と人間の経済活動の違いにより、本州とは異なる多様な環境が存在し、そこには、多くのヤクザル(ヤクシマザル)が生息しております。しかしながら、ヤクザルの増加にともなって、多くの猿害が発生したため、1989年にヤクザル研究者たちが、猿害の多発に対して何ができるかを相談し、猿害多発地におけるヤクザルの分布を調査することを決めました。これが、ヤクザル調査隊の始まりでした。

 講演は、先ず、ヤクザル調査隊による島内のヤクザルの分布を確認する手法や調査を通して明らかになった個体や群の数、分布先の傾向と標高差との関係などを整理、説明し、次に、この調査隊に参加した多くの若者の声を紹介した上で、若者たちがこの調査隊を通して体験したこと、彼らが変るきっかけになったことや実際に変ったことを探究するという内容で進行しました。
前者の点について、好廣氏は、1989年から90年は調査手法の開発と確立(定点調査員によるヤクザルの群れの声の確認)、91年から92年は海岸域における猿害多発地の分布調査(4人1組の定点調査班による目視での群れの個体数及び構成の確認)、93年から97年は植生の垂直分布に応じたヤクザルの分布調査(例えば、海岸林帯では100頭以上/km2と極めて高い状態の一方でそれ以上の植生帯では30頭/km2と一定状態であることや山頂部では季節によりヤクザルの分布が変化していることなどの確認)を行ったこと、98年以降は植生のかく乱の相違や木々の伐採後の植生の変化に応じたヤクザルの活動の変化をみるために、自然林と伐採地が混在する島内の西部中高度域瀬切川上流(標高700mから1300m)の7.5 km2の地でヤクザルの分布密度及び個体数変動の継続調査を行っていることを説明し、現在に至るまでのヤクザル調査隊の活動を語りました。また、好廣氏は、この1998年以降の継続調査を通してヤクザルの群れの分布及び個体数を毎年、把握できるようになり、海岸林域と比較できるヤクスギ林帯におけるヤクザル調査地を確立できたことなどを指摘しました。
このように、ヤクザル調査隊の一連の活動は、ヤクザルの生態調査を軸にその土地の植生や利用の変化を的確に把握して緻密な分析を行うというものであり、本研究センターが進める自然共生型社会の実現に関わる研究活動にも視座を与えるものです。


<好廣眞一氏のプロフィール>
里山学研究センター研究フェロー
著書に『奇形ザル―野猿公苑からの報告―』(共著、汐文社、1979年)、『上部域のヤクザル―屋久島の冬―』(『モンキー』197-199、1984年)、『志賀高原のニホンザルⅡ 横湯川流域におけるオスザルの離群と入群(その2)志賀A群をめぐるオスザルの動態』(共著、『龍谷紀要』33(1)、2011年)、『森里川湖のくらしと環境―琵琶湖水域圏から観る里山学の展望―』(共著、晃洋書房、2020年)などがある。


 畠山ゼミと立命館大学法学部の河野ゼミとは、2012年以来、一年に一度、2014年からは一年に二度(夏と冬)、合同ゼミ(「R×R」)を開催しており、「冬の陣」では卒論構想に関する発表を中心として報告内容・質疑応答・プレゼン方法などに関する評価・審査・講評を行っています。
 今年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって開催が危ぶまれましたが、両ゼミの学生達による粘り強い検討・交渉を経て、報告者・運営スタッフ・教員は龍谷大学深草キャンパスに参集し、それ以外の者はzoomにて参加するというハイブリッド方式での開催という形で実現させることができました。
 他大学生との交流はお互いの刺激や成長という点できわめて有益であり、ゼミ活動の中でも重要な意義を持つことは勿論ですが、今般の状況での様々な制限という厳しい条件下では断念せざるを得ないことも少なくありません。しかし、両ゼミの3回生はそうした状況に甘んじて消極的にしか動かないのを良しとせず、安全に配慮しながらできる限り高いレベルでの実現を目指し、結果として内容的にも例年並みかそれ以上の成果を残すことができたと言えます。こうした活動は、現況下における学生活動の新たなモデルの一つとして位置付けられるべきものと評価できます。





ボランティア・NPO活動センターでは、ボランティア活動や市民活動に関わっている学生を対象として、「日本ボランティアコーディネーター協会」との共催で「ボランティアコーディネーション力3級検定」を毎年実施しています。今年はコロナ禍で実施が危ぶまれましたが、感染防止対策を講じて12月19日(土)実施することができ、28名の参加がありました。
 

当日は、本学社会学部教授で当センター長の筒井のり子先生による直前研修を受講し、引き続き検定を受験します。
直前研修はテキスト「ボランティアの理解」、「ボランティアコーディネーションの理解」(2章立て)に沿って進められます。
10時から18時までの長丁場でしたが、皆さん、熱心に筒井先生の講義を受講し、検定に臨まれました。この検定で学んだことを生かして、今後の活動がさらに深まっていくことを願っています。



当日スケジュール
10:00-10:10 オリエンテーション
10:10-10:35 序章 今なぜ、ボランティアコーディネーション力なのか?
10:35-13:45 1章 ボランティアの理解 (途中、1時間の昼食休憩)
14:00-16:30 2章 ボランティアコーディネーションの理解
17:00-18:00 検定試験


受講した学生の声:
 1日でボランティア活動の歴史、NPOとの関係、コーディネーションなど、ボランティアについて幅広く学ぶことができました。社会学部で学んでいるので、これからの勉強にもいかせる内容で大変ためになりました。


受講した学生スタッフの声:
 センターでボランティアを探しに来た学生に普段からコーディネーションをしています。先輩から教わってきたコーディネーションのコツや、気を付けるべき点が、講義により言語化されて、腑に落ちるポイントがたくさんありました。たとえば、対等な関係を作り出すなどの、ボランティアコーディネーションの機能については、意識しながら実践していきたいです。



 畠山ゼミは、2005年のスタート以来、狭い意味での日本法制史という分野にとらわれることなく、多様でアクティブな活動に重点を置き、12期にわたって多種多様な卒業生を輩出して来ました。
 今般、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって様々な制限が課され、従来のようにアクティブな活動を行うことができない後輩達のために、そんな歴代のゼミの先輩達が立ち上がりました。今回は、特に就職活動に不安を抱える3回生(14期)を対象に、就活や就職後のことについてざっくばらんに話したり相談したりする会(「UNITE会」)をオンラインで開催することになりました。
 このような企画それ自体は他でもあることかと思いますが、本会の特徴は、①3回生自身が企画・運営をすべて行ったこと ②1~12期という広範な階層(20人ほど)が自発的に集ってくれたことにあります。特に②は非常に貴重なことであり、年齢や職種もかなり多様で、直近の就活の話だけではなく、その先の人生を見通した形で様々な話ができたことは、一般的な就活相談会とは一線を画す意義を有すると言えます。





12月12日(土)にオンラインで福祉フォーラム2020「社会には『かっこいい福祉』が必要だ!~withコロナ時代を見すえて~」を開催しました。

現代社会では孤立化が進行しており、加えて新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延により、直接的な人との対話や交流が激減する中、「社会福祉」はどのような視点でどのような役割を果たせるのか。本フォーラムでは、制度にないサービスを生み出したり、他分野ともっと自由につながったり、従来の「社会福祉」のイメージや枠組みを超えていくアプローチについて考えました。

第1部では「社会には「かっこいい福祉」が必要だ!」というテーマで元厚生労働事務次官の村木 厚子氏よりご自身の経験をふまえながら、これからの福祉のあるべき姿について講演がおこなわれました。

第2部では本学社会学部長 山田 容氏のコーディネートの下でNPO法人こどもソーシャルワークセンター理事長 幸重 忠孝氏から「子どもたちがつくるまちの子どもソーシャルワーク」や神戸市兵庫区社会福祉協議会地域支援課長(地域福祉ネットワーカー)長谷部 治氏からは「ひとりの人を救う経験を社会の仕組みに」について現場からの報告がおこなわれ、コメンテーターの村木氏とともに、実践からの福祉についてイメージできるように自由な意見交換が行われました。

200名以上の申込があり、フォーラム参加者からは「福祉の相談窓口はゆるくて抽象的であるのが理想であるとともに、様々な課題にエビデンスをもって発信することが重要であるという言葉が印象的でした。」、「福祉とは?という問いかけに深く考え、福祉に対する考えを今一度整理し、実践したいと思います。」、「実際に現場で働いておられる方の意見は貴重でした。現場でしか見れない視点や考え方などに触れると課題は山積みであることがよくわかりました。」などの感想が寄せられました。


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