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 林竜馬研究員のインタビューが『談』119号の特集「人新世と未来の自然学」に掲載されました。
 
 森のある大学 龍谷大学里山学研究センターの林竜馬研究員のインタビューが『談』119号(2020年)の特集「人新世と未来の自然学」に「人新世と10万年スケールの森の歴史」と題して掲載されました。
 インタビューで林氏は、主に、次のようなことを語りました。
先ず、林氏は、森林の歴史を気候変動と結び付けて考察するところから自身の研究が始まったこと、この研究をする上で大きな役割を果たすのが花粉化石であること、琵琶湖の湖底には40万年をかけて堆積した泥が存在し、そこに花粉化石が点在していることを述べつつ、人間による森林の活用との関係で森林の歴史をより理解するためには考古学、歴史学等の他分野の横断や〇〇万年等といった時間的スケールの横断が必要であるので、自らこれを実践して気候―人―森林生態系の歴史的変遷に関する研究を行っていることを紹介しました。
次に、林氏は、花粉化石を通した琵琶湖周辺の環境変化やこの変化が森林に及ぼす影響(森林の変化)について解説し、この環境変化を定量的に語るのが花粉化石だと指摘しました。また、この中で林氏は、花粉化石から分かる森林や植生の変化という自然科学的に実証的な証拠と、歴史学的に、人間が森林をどのように活用してきたのか、森林に対してどのような政策を施してきたのかという問いを重ねることでその活用方法や政策が森林にどのような影響を与えているのかが判明し、ようやくそれをどう評価できるのかという話になることを示しました。
さらに、林氏は、「人新世」について、例えば、地質学における「人新世」と人文科学における「人新世」との間には認識の差があるなど「人新世」の使われ方が様々であること、特に、森林から「人新世」をみつめた場合には時間的スケールと解像度が焦点になることを表しました。その上で、林氏は、里山問題に接しながら、「人新世」の向き合い方を人間と自然との距離を踏まえながら論及しました。
そして、林氏は、「環境」問題の捉え方について、そもそも何の「環境」を問題としているのか、それはどういう時間的スケールや解像度でみた場合に、どのような問題として認識されるべきなのかを明示することの重要性を説きました。加えて、林氏は、漠然としたイメージで「自然」、「環境」、「人新世」の議論をするのではなく、例えば、何を対象にした、どのようなスケールをもったものの見方なのかなど、焦点の合った議論を重ねていくことの必要性も強調しました。



<林竜馬氏のプロフィール>
滋賀県立琵琶湖博物館主任学芸員/里山学研究センター客員研究員
専門は、微古生物学、古生態学、森林環境学。著書に『花粉分析による集水域植生の復元』(共著、共立出版、2014年)がある。


2021.1.6(水)
こども教育学科 保育実習指導Ⅱ 
1年生 卒業生による保育実技指導 

 2月から3月にかけて幼稚園や認定こども園、保育所(園)での初めての実習を控えている1年生を対象に、卒業後3年目の先輩を招き、保育実技指導を行いました。今回お招きしたのは、小畑来耶先生(常称寺保育園)、角村なな先生(木の実幼稚園)、高田真波先生(下鳥羽こども園)の3名でした。
 はじめはウォーミングアップの手遊び「かみなりどんがやってきた」、「お返事遊び」で、朝一番の寒さで縮こまっているからだをあたためました。からだがほぐれた後は3つのグループに分かれ、「リズム運動」(小畑先生)、「鍵鬼ごっこ」(角村先生)、「簡単シアター」(高田先生)を順番に体験しました。
学生たちは園児になったつもりで、それぞれの遊びを楽しみながら、実習における「部分保育」の注意点やポイントについて学びました。先輩たちはそれぞれの学生時代や現職保育者としての経験をふまえ、適確な助言・指導をしてくれました。
 最後のまとめでは、先輩たちの苦労話や失敗談も披露され、初めての実習に対する不安や戸惑いを払しょくするような質疑応答の場面もありました。自分を信じてコツコツとねばり強く努力を重ねて今があるという勇気が出る話もありました。最初はみんな初心者だから、失敗を恐れずに学ぼうとの力強いエールです。卒業生の保育者としての成長ぶりに加え、保育者を目指す学生たちのやり取りから、共にこども達の未来を担っていこうとするたのもしさを感じるほほえましい時間でした。


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2020年12月21日、「2020年度第3回 龍谷大学 法情報研究会」がオンライン上で開催され、約30名が参加しました。
【>>イベント概要】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-6707.html

法情報研究会は、犯罪学研究センターの「法教育・法情報ユニット」メンバーが開催しているもので、法情報の研究(法令・判例・文献等の情報データベースの開発・評価)と、法学教育における法情報の活用と教育効果に関する研究を行なっています。

はじめに、福島 至教授(本学法学部)から「刑事確定訴訟記録」についての報告がありました。福島教授は、龍谷大学 社会科学研究所の研究プロジェクト「未公開刑事記録の保存と公開についての綜合的研究~4大逆事件関連記録の発見を端緒として~」の3つの研究ユニットのうち「確定記録ユニット」に所属し研究を行っています。今回は、江川紹子氏(ジャーナリスト)が主宰する「ほんとうの裁判公開研究会」の活動の中から、刑事確定記録訴訟法について触れた「長岡市議会事件」「日弁連意見書」について報告しました。

長岡市議会事件とは、2019年に新潟県長岡市が発注した下水道工事をめぐる官製談合*1事件のことであり、市の元幹部職員2人、県議の秘書1人、建設業者の元社員1人に有罪判決が言い渡されました。その後、2人の無所属議員が事件の確定記録を閲覧し、2020年の3月と6月に行われた市議会にて事件の背景や原因について質問。しかし、2020年8月に市議会議長から、「本件指摘発言は、本件保管記録により知り得た事項をみだりに用いた上でのものであり、これを通じて元職員の証言等が上記のような評価を受けることで、元職員の改善及び更生を妨げるだけでなく、その名誉や生活の平穏をも害する人権侵害行為であり、刑事確定訴訟記録法第6条の規定に違反すると考えられる」との指摘を受け、9月議会での質問が制限されました。これについて福島教授は2人の無所属議員から相談を受け、「一般質問不許可通知に対する意見書」を作成。福島教授は「議員らの質問は、閲覧により知り得た事項を正当な理由に基づいて利用しているため、『みだりに用いた』に該当しない。また、訴訟記録を用いた議会の議員活動は、行政の説明責任を高め、民主主義社会の維持・発展へと導く。議員が閲覧によって得られた情報をもとに、政府に対してその事件の質問をすることは、議会制民主主義の立場から望ましいことではないか」とまとめました。


福島教授の報告スライドより

福島教授の報告スライドより


福島 至教授(本学法学部)

福島 至教授(本学法学部)

つづいて日弁連意見書について説明。日弁連意見書とは、「刑事確定訴訟記録の保管、保存及び閲覧等に関する法改正及び運用改善に関する意見書」のことであり、日本弁護士連合会が、刑事確定訴訟記録の保管、保存及び閲覧等について、政府に対し、法改正及び法解釈運用がなされることを求めたものです。福島教授は、この意見書に書かれた内容の1つである「閲覧制限事由を規定した記録法第4条第2項第4号および同第5号について、閲覧請求者に同第6号の義務の履行を強く促すことにより閲覧権の制限を限定する運用をすべきこと」を問題点として挙げ、「検察官は個人の平穏を損なうからという理由で閲覧制限を公判にかけてくる。私たちの主張は、閲覧を制限する形でプライバシーを保護するのではなく、閲覧請求があれば閲覧させ、閲覧請求者がこれを公表するときにはプライバシーの配慮を行うべきだ」と述べ、これは長岡市議会事件でも触れた刑事確定記録訴訟法第6条の閲覧者の義務の強化にもあたると主張しました。
その他意見書には、保管記録の除外に関する項目の削除や、永久保存すべき記録の選別、国立公文書館に移管するシステムの構築・設計等の意見や請求が書かれています。
【>>参考Link】日本弁護士連合会


以上の報告を受け、石塚 伸一教授(本学法学部、犯罪学研究センター長)は長岡市議会事件について「議会における質問権は保証されている。質問の中で、個人の名前を公表したり名誉を毀損したりすることがあったのならば、被害を受けたという公務員が名誉棄損に基づく損害賠償請求をすればいい。議会が質問者に圧力をかけるのはおかしい」と意見を述べました。また、福島教授は総括として「訴訟記録を閲覧し、それを用いて政治活動や研究活動を行うことは奨励されることであり、制限されるべきではない。これはジャーナリストが閲覧した記録を報道で使用する場合も同様である。今後も刑事確定記録訴訟法に関わる動きがあるだろう。長岡市議会事件はまだ一般にあまり知られていないが、本が出版されたり研究会の活動が報道される予定であったりと、事件がメディアで取り上げられる予定だ。今後長岡市でシンポジウムを開催し、このような事件があったことを周知し、刑事確定訴訟記録に関する正しい知識を広めていきたい」と刑事確定訴訟記録を活用する重要性と展望を述べ、報告を終えました。

つぎに、信国幸彦氏(有斐閣デジタル出版部・部長)から「有斐閣オンライン・データベースの今後」についての報告がありました。有斐閣オンライン・データベースとは「有斐閣Vpass」と「ジュリスト電子版」や「法学教室電子版」などの有斐閣コンテンツから構成される、有斐閣が提供するオンラインコンテンツの総称です。
【>>参考Link】有斐閣オンライン・データベース【YODBの利用ガイド】

信国氏は、はじめに有斐閣オンライン・データベースの沿革を説明。2004年に「重要判例検索サービス(Vpass: Valuable Precedents Access Service System)」として出発し、提供コンテンツの変更やIE(Internet Exprolar)以外のブラウザに対応した画像表示などの改修を経て、2020年10月27日にリニューアルされました。

改善された点として、
①検索方法の変更や、コンテンツタブの表示などの画面表示の現代化
②どのブラウザからでも閲覧・検索・印刷が可能なマルチブラウザ対応
③画面が小さい場合でも閲覧しやすいモバイル表示モードに切り替わるスマホ対応
④コンテンツの表示方法を統一し、設定項目等を利用者が理解しやすいように変更した操作のシンプル化
⑤六法全書電子復刻版に一部サービスのみで検索可能だったコンテンツを追加、最新年版の六法全書まで閲覧できる六法全書電子プレミアム版サービスといった六法全書の機能強化
以上、5つの項目を述べ、実際にサイトを閲覧しながら説明しました。


信国氏の報告のようす

信国氏の報告のようす


信国幸彦氏(有斐閣デジタル出版部・部長)

信国幸彦氏(有斐閣デジタル出版部・部長)

また信国氏は、リニューアル後の有斐閣オンライン・データベースに対してSNSで寄せられた利用者の声を紹介。「いつの間にか現代化した」「だいぶ人間向けになってた」「やればできるじゃないか」といった、ようやくまともになっただけという評価が多かったが、なかには「UIが格段に改善されてて、感動した」「法学を学んでる学生に幸せ届いています」といった感動や感謝の声もあったことを報告しました。

今後の展望として信国氏は「雑誌コンテンツの全文テキスト格納、曖昧検索を可能にするシソーラスといった検索機能の整備や、ジュリスト・民商法雑誌の収録範囲遡及といった雑誌収録範囲の拡張をしていきたいと考えている。また、コンメンタール・教科書・試験問題といった書籍を含む配信サービスを持続的に行うための設計を、既存のサブスクリプション(読み放題)サービスとの競合を回避しながら進めたい。やりたいこと/やらなければならないことは沢山あるが、まずは何からやるかの優先順位を検討しなければならない」と今後の課題と展望を述べ、報告を終えました。

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【補注】
*1 官製談合:
国や地方自治体などによる事業の発注の際に行われる競争入札において、発注機関側の公務員が入札談合(入札参加者の間で、あらかじめ受注予定者や受注価格等を取り決めるなどすること)に関与して、不公平な形で落札業者が決まる仕組みを指す。関与の具体例としては、受注予定者をあらかじめ指名したり、予定価格を漏えいしたりするなどさまざまな行為がある。このような事例の再発を防止することを目的として、「入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律」(官製談合防止法)が2003年に施行された。


 2021年1月16日(土)、緊急事態宣言の発出を受けて、対面で予定していた特別研究発表会(ポスターセッション形式)を、急遽オンラインで開催することとなりました。
 例年、対面によるポスターセッション形式でおこなっていた植物生命科学科の特別研究発表会は、Google Meetのブレイクアウトルームを使用して、発表と質疑応答をおこないました。

 今年度前期はコロナウイルス感染予防対策として、研究室への入室を2名までの制限を設け、後期からその人数制限も少し緩和され、ようやく研究室で様々な実験を始めることができました。例年に比べ、明らかに実験時間が少なくなってしまいました。
 そんな中でも学生たちは、自身の研究成果を発表し、仲間への質疑応答を行いました。

 つい最近になって結果が出るなど、ギリギリまで実験を行っていた研究室もありました。本日の発表で、皆の苦労が報われたに違いありません。コロナの逆境下で取り組んだ卒業研究という経験はきっと将来活きてくることと思います。

 参考:教員ブログの記事はこちら




実践真宗学研究科2年 姜 咨任(きょう しにん)さん

大学院実践真宗学研究科ホームページの中国語訳が、中国からの留学生である実践真宗学研究科2年 姜 咨任(きょう しにん)さんによって完成いたしましたので、ご紹介いたします。

中国からの実践真宗学研究科の受験をお待ちしております。

姜 咨任さんは、2021年度からはじまる「臨床傾聴士研修」を受けられる予定であり、あらゆる方面で実践的な学びをなされている勤勉な留学生です。中国語訳もしていただき有難うございました。

URL 中国語: 实践真宗学研究院

<参考URL>

URL 実践真宗学研究科

URL 2021年度「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」教育プログラム

URL 2021年度「臨床傾聴士研修」募集要項


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