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 社会学部の「社会共生実習(お寺の可能性を引き出そう!―社会におけるお寺の役割を考える―)」(担当教員:社会学科 教授 猪瀬優理、コミュニティマネジメント学科 准教授 古莊匡義)は、地域社会におけるお寺の役割と可能性について考えるプロジェクトで、例年、受講生自身が地域活動をしているお寺やお寺で地域活動をしている団体にアポイントをとって、その活動の背景や状況、展望などを教えていただくことで、今後の本プロジェクトにおける活動の参考にしています。

 今年度は、7/14(金)に佐藤すみれさん(10代の居場所「やんちゃ寺」代表)をお招きして、10代の居場所としてお寺を活用する意義と効果についてお話いただきました。その内容について、少しご紹介します。


佐藤すみれさん

 「私は現在、臨床心理士として仕事をしていますが、昔、いわゆるギャルだった時期があります。
 当時の自分には居場所がなく、小学校から通っていた卓球のクラブチームの練習場がオーナーの夜逃げによってなくなってしまい、好きだった男の子に酷い振られかたをして恋愛でも傷つき、家庭ではある日突然親からあと2カ月で死にますと宣言され、入った高校は進学校で入学していきなり大学進学に向けた受験勉強が始まり、自分の能力を伸ばす勉強ではなく社会で評価されるための力を伸ばす勉強を強要され、それが私にとってとても違和感のあるもので、まわりの友人は有名大学を目指して大手の就職先に勤めるというレールに何の違和感も持っておらず、孤独を感じていました。
 そんな中、地元のヤンキーたちと夜遊びしていれば自分が評価され求められているように錯覚するようになり、高校2年生の頃から夜遊び→朝帰り→朝寝る→夜起きるといった生活を繰り返していたため、出席日数も足りず成績もオール0という状況だったのですが、先生や周りの人たちには大変恵まれていて、成績はレポート提出等で救済してもらうことでなんとか卒業資格をもらい、金髪にギャルメイクという外見の変化については否定するのではなく、そうしなくてはいけない妥当な理由があってしているのだと理解して寄り添ってくれる人たちがいました。
 また、高校卒業と同時に夜の職業に就こうと考えていた私に、心理学を学べば自分のことも親のことも俯瞰できるのではないかと大学進学を勧めてくれる人もいて、奨学金制度のことなども教えてもらい、心理学を学ぶことができる大学に入りました。
 大学では、なぜグレるのかということを俯瞰的に学び知り、「だから私はしんどかったのか!」と、自分を理解することができました。
 大学院に進学すると、先輩や周りからカウンセラーらしくとか普通になることを強要され、臨床心理士の資格取得のために個性を消して耐えた時期もありました。その延長で、行政に就職した頃も自身のバックグラウンドを隠していましたが、過去の自分を知っている社会福祉士の知人に、この分野では学校から排除されているやんちゃ系の子たちに理解のある人がいないので、過去の経験を生かして、そういう子たちのための資源を作ってほしいと言われたことがキッカケで、10代の居場所「やんちゃ寺」という活動をはじめました。


 「やんちゃ寺」の活動は遍照寺(滋賀県草津市草津3-5-15)というお寺で土曜日に開催しています。
 ここでは、卓球をしたり、コーラフロートを作って食べたり、お堂でボードゲームをしたり、ただ寝て過ごしたりと、利用者が思い思いに自由に過ごすことで「話すことができる場所」を提供しています。また、親や先生、装った自分で接しなくてはならない友人たちとではなく、自分を偽る必要のない人たちと共生する場所になっています。
 臨床心理士としてやんちゃ系の子どもたちと話をしていると、共通して「滝に打たれたい」とか「修行をしたい」とか、「今の自分がすごく嫌いで自信がないので違う自分になりたい」、「自分を洗いたい」といった声を聴くことがよくありました。そんなこともあり、非日常で荘厳さを感じることができ、どんなに業を背負っていても受け止めてくれる感じがするお寺を活動拠点として選びました。
 「やんちゃ寺」の利用者は、通っている学校も学年も年齢もバラバラで、例えば13歳の子に19歳の友達ができます。先輩でもなく兄弟でもなく、スタッフもスタッフらしくはなく、普段は出会うことのない価値観の違う人たちが自然と混ざり合っていて、お寺だからこそそうした形ができているように思います。
 最初、遍照寺に活動の拠点としたい旨をお願いにあがったときは、地域の方々からそんなやんちゃな子たちばかり集めて何をする気なのか、下手をすればお寺を燃やされるのではないかといった批判や反対意見もいただきました。しかし、活動を見守ってもらっているうちに、ここはそういう子たちの強がりや鎧を脱ぐことができる場所であり、通い始めた頃は心を閉ざして笑顔もない子たちがどんどん笑うようになって元気になっていく様を地域の方々も目の当たりにして、応援してくださり認めてくださるようになってきました。
 勉強は得意でなくても「やんちゃ寺」に来れば自分の価値を見出せて自分の個性や特徴に誇りを持てる体験をできる、そんな場所にしていきたいと考えています。


利用者の様子を写真で紹介いただきました


聴講の様子

 個性は隠すのではなく、生かすことが必要です。個性はその人の価値そのものです。世の中の人がそういう視点で理解して接してくれると生きづらい子どもたちが減ると思っています。
 依存症、虐待、非行、犯罪、うつ病…それらの土台には孤独、自己否定があると考えます。自己肯定感を膨らますことがあらゆる社会課題に共通したサポートになるのではないでしょうか。

 ご講話の終盤には時間の許す限り質疑応答もしていただきました。その様子も少しご紹介します。

(学生)「やんちゃ寺」にはどんなスタッフの方がおられますか?
(佐藤さん)SNSで知って来てくれている10代の大学生から、テレビ、ラジオ、新聞等で「やんちゃ寺」を知って来てくれる80代のご高齢の方まで、全世代がスタッフとして来てくれています。
 スタッフの皆さんは、「生きづらさを抱えた子どもたちの居場所」というものが大事なのだという考え方に共感してきてくれています。ですので、今までやんちゃ系の子たちに接したことのない人も多いです。そんな方たちのために、講座を開催して、タトゥーを入れる心理や金髪にする心理等を説明することもあります。そうして、どういった関り方をすればよいかをレクチャーしています。
 スタッフの皆さんに大事にしていただいていることは、「大人の正解を押し付けるのではなく、その子の状態に寄り添うこと」です。


質疑応答の様子


質疑応答の様子

(学生)やんちゃ系の子たちにはどのように「やんちゃ寺」の存在を発信しているのですか?
(佐藤さん)今はSNSや口コミが多いです。友達が利用者で、Instagramのストーリーに掲載しているショートムービーを見て来てくれたりしています。
 本当は、予防とか再発防止の段階で動くことができる私たち民間団体と学校や行政が密な連携をとって、学校から情報が共有されたり民間団体から行政に橋渡ししたりできるべきだと思っています。しかし現状は、行政側がその民間団体を信頼できるかどうかといった判断基準をまだ設けていないため、連携できていません。

 最後に、佐藤さんから次のようなご意見を聞かせていただきました。
 「今は、現場で目の前の出来ることをひとつずつこなしていますが、いずれは国の制度という根本の部分が改善され、「やんちゃ寺」を利用しなくてはいけないような子どもたちを少しでも減らすことができればと思っています。」


聴講の様子


聴講の様子

 今回のご講話を聴講して、受講生たちは今までに出会った個性ある人たちや自分自身について、改めて考える時間をいただきました。また、生きづらさを感じている子どもたちが本当の自分でいられる場所の重要性にも気づかされ、改めてお寺の可能性を知ることになりました。

 本プロジェクトでは、後期に受講生それぞれの興味関心に合わせてグループを形成して活動するお寺を選定します。それぞれどちらのお寺でどのような活動を展開してくれるのか、楽しみにしたいと思います。

社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。


2023年7月8日(土)、龍谷大学と京都産業大学の民法ゼミ合同で、オンラインによる民法討論会を開催しました。

本年度は京都産業大学の高嶌英弘先生より、基本から応用を整理して考えさせる問題が出されました。参加ゼミの学生さんたちは、短い準備期間ではありましたが、当日、オンラインにて、報告と質疑を行い、龍谷大学からは、若林ゼミが準優勝しました。
また、若林ゼミの岸宏亮さん、中田ゼミの坂梨匠さんが、それぞれ優秀質問者賞として表彰されました。おめでとうございます!

この討論会は、毎年12月に龍谷大学において開催されているインターカレッジ民法討論会の前哨戦として、関西圏からの参加常連校で開催しました。インターカレッジ民法討論会は今年30回目を迎える伝統ある討論会であり、本年度は12月10日(日)に龍谷大学3号館にて、対面にて開催の予定です。一般の学生さんも、すべての討論を聞いた方には、投票権が与えられますので、ぜひご参加ください(秋以降、詳細が決まり次第、改めて告知する予定です)。

<参考>昨年度のインターカレッジ民法討論会について


タバコは「嗜好品」ではない


タバコは「好んでたしなむ」ということから嗜好品扱いされます。
しかし、実際は、
無くなると、無理をしてでも手に入れようとする。
喫すれば、満足することなく、さらに欲しくなる。
禁止されても、受け入れられず、反対する。
欲しくなると、我慢するこができない。
という「嗜癖」品です。

嗜癖、「身体的・精神的・社会的に、自分の不利益や不都合となっているにもかかわらず、それをやめられずに反復し続けている」依存状態です。

自覚しないまま、依存状態になっているというのは、怖いものです。
まずは、自分が依存状態にあることに気づいてください。
そして、そこから脱するために、ぜひ禁煙外来をご利用ください。
 


禁煙サポート
【ノータバコ07】ストレス解消?それは気のせいです。

参照:
日本肺癌学会
日本内科学会旧認定内科専門医会タバコ対策推進委員会制作/喫煙と健康に関するスライド集より


 社会学部コミュニティマネジメント学科坂本ゼミは、高齢者のスマートフォンやパソコンの利用習得を支援するゼミプロジェクトに取り組んできました。


坂本ゼミ生による高齢者(レイカディア大学同窓会大津支部メンバー)へのワークショップ

 さらに2023年度7月からは、行政等と連携して地域のデジタルディバイド解消に取り組んでいる㈱HONKIとの共同研究(注1)を行い、同社が実施する高齢者等を対象としたスマートフォン講習会の実地調査やアンケートデータの分析を行い、より効果的なデジタルツール習得支援のあり方について探っていきます。

 情報化が進む現代において、高齢者のICT・デジタルツールの習得は地域社会の維持や活性化上、重要な課題となっています。特に高齢者の孤立を防ぎ人々とのつながりを強めるため、そして地域自治の効率的な運営のために、デジタルツールの重要性は増しています。

 ところが、高齢者がデジタルツールを学ぶことは容易ではありません。高齢者の特性に配慮したスマートフォンなども存在するものの、その使い方を1人で習得することはまだ困難な場合が多く、習得効果が高いとされる講習会などのニーズが高まっています。

 ここに若い世代が高齢者のデジタルツール習得支援に携わる必要性や意義があります。講習会などで、子供の頃からスマートフォンになじんできた今の大学生による高齢者の習得サポートの効果は高く、有望な支援策であると言われています。


学生が丁寧にアプリの使い方を教えられるワークショップが効果的

 坂本ゼミが取り組んできた高齢者のICT利用習得ワークショップ(注2、注3) や、社会学部社会共生実習の取り組み(注4)でも、参加した高齢者から高い評価を受けてきました。

 他方で、若い世代による高齢者へのデジタルツール習得支援には課題もあります。若い世代と高齢者ではスマートフォンなどを使うニーズ、使用する機器やアプリ・ソフトウェアには違いがあります。大学世代には当たり前のデジタル用語も、高齢者にはまったくなじみのないものであったりします。若い世代が高齢者とコミュニケーションをとる際には、高齢者の特性を踏まえた話し方、聞き方などさまざまな配慮が必要です。


ワークショップでは普段とは違うスマホの使い勝手に学生が苦労する場面も

 こうした課題の把握と解決のため、坂本ゼミ生を中心とする学生が㈱HONKIの運営する講習会の場で講師・アシスタントとして高齢者のスマートフォン習得をサポートしながら、講習実施上の課題を実地にて検証し、データを分析します。


㈱HONKIが運営するスマートフォン講習会でアシスタントを務めた坂本ゼミ生

 また、受講者、講師・アシスタントへの聞き取りやアンケートによる講習の効果や満足度把握も行う予定です。これらの調査・分析結果をまとめて、高齢者のデジタルツール習得支援のためのより良いコミュニケーションのあり方を提言します。

 さらに、大学生による高齢者のスマートフォン講習会には独自の社会的価値や意義もあります。デジタルツール習得という機会を介して、普段はお互い話す機会のない若い世代と高齢者が「スマホの使い方を教える・学ぶ」だけでなく、世代間の認識ギャップを埋め、お互いの経験を共有して学び合える場となる可能性があります。


若い世代による高齢者のデジタルツール習得支援は異世代間交流の機会でもある

 このように、この共同研究プロジェクトでは、高齢者のデジタルツール習得の効果的なコミュニケーションのあり方を検証、提言するとともに、高齢者と若い世代の異世代間交流の場としての意義や価値についても分析を進める予定です。

 注1 2023年7月10日より㈱HONKIの龍谷大学への受託研究という形で共同研究が開始されました。
 注2 https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-9073.html
 注3 https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-13085.html 
 注4 https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-9930.html


7/14(金)1講時に、心理学部フレッシャーズゼミでゼミ対抗プレゼン大会が行われました。
この大会は、当日までに各ゼミから代表チームを選出し、この日に最優秀を選ぶものです。テーマは、「高校生に伝えたい龍谷大学の魅力!」でした。
全10クラスのゼミの代表チームがそれぞれのプランを発表しました。持ち時間は5分です(5分を過ぎると強制終了されます)。


冒頭に入澤学長からご挨拶がありました。


成就館メインシアターで開催しました。

発表では、留学制度や、龍谷チャレンジ、立地、食堂から、自省利他や仏教SDGsまで、さまざまに心理学部生が考える「龍谷大学の魅力」を発表してくれました。どれもとても魅力的なプランで、発表方法もそれぞれに色があり、充実した大会となりました。

1番良かった発表チームにオーディエンスが投票を行う方法で評価し、約240名のうち、30%以上が優勝した2組代表チームを選びました。


優勝した2組代表チームのみなさん


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