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1. 松尾先生ってどんな人?

Q1. 先生は、一度サラリーマンで働かれた後に大学院に入られたと教員紹介のホームページで拝見しましたが、そのきっかけとなったベルギーについて、また、大学院に進学後に大学教員を目指すことになった経緯について教えてください。


サラリーマンをやっていた時、心臓の治療具を作って売る会社の営業をやってたんです。ベルギーに心臓外科の有名な大学があって、そこに留学していた先生がもともと日本でうちの会社のものを使ってて、それでその会社のものをベルギーでも使えるように輸入取引できないかという話がありました。それで初めて「なんやベルギーって」となり、ベルギーを初めて意識したっていうのかな…。国の名前は知ってたけど、見たこともないし、「ベルギー語ってあるの?」みたいな感じだったんだけど、その時にいろいろベルギーについて調べました。
ベルギーは、地域によって公用語が決まってて、北側はオランダ語、南側はフランス語、東のほんの小さい地域はドイツ語を使って、首都だけフランス語とオランダ語の二カ国語を公用語として使います。電車に乗って車内アナウンスを聞いていると、オランダ語の地域に入ると車掌さんがオランダ語で次の行くところを話して、首都に入ると両方の言葉で話して、フランス語の地域に行くとフランス語で話すっていうような。あと駅名もそういう感じで表示されました。公のものがこのようになっていることに「なんやこの国は」ってなって、びっくりしましたね。そこで多言語について興味を持ちました。しかも、ベルギーは国土の大きさが四国ぐらいなんですね、国全体の人口も日本の東京都より少ないぐらいで、「その人口で税金とかどうしてるんやろ?」「言語も分かれてるし、それで国が成り立つんか?」とも思いました。保険制度とかも調べないと営業ができないから、仕事のためにそういうのを調べてたら、日本でその当時ベルギーについて手軽に読める本が少なく、データ集でも欲しい情報はなくて、フランス語やオランダ語の資料を取り寄せて、自分でオランダ語を一生懸命に文法書を見たりしながら読んでいました。
そうしているうちに、今調べたりしていることをもっとちゃんと勉強したいとか、勉強するにあたっては我流ではやりたくないし、きちんと指導を受けたいと思い、大学院に入ることにしました。大学院では、2年間の修士課程というのがあるんですけど、最初は修士課程が終わったらその会社に戻るつもりでした。
でも、入って勉強していたら「勉強って面白い」って初めて思い、さらに勉強したいと思いました。そうして、2年経った時に指導教官の先生に「博士生課程や、さらに上を目指して大学の教員になっていくためのコースみたいなのを目指してもいいですか?」って聞いたら「いいよ」って言ってくれたことがきっかけで教員を目指すことになりました。

Q2. 先生は日本とベルギーの違いについてどうお考えですか?

日本との違いは、場所によって言語が違うこと、そして国の人々が多言語に対応できることだと思います。ベルギーの人たちは、例えば、多分大学を出てないんじゃないかなっていうような人たちでも、本当はもともとオランダ語を話す人だと思うんですが、その人でも英語で話しかけたら英語で返ってきます。また、色んな外国人のお客さんが来るような、特にデパートとか行くと、胸の名札に話せる言語が書いてあって、「もう何カ国語あなたたちは喋れるの!?」みたいな。
日本人がよく行く観光地では「30ユーロ」とか日本語で値札が書かれていたりします。大学の日本語学科とかは、フロアに入ると学生たちが日本語で「こんにちは」とか「どうも」とか言って通り過ぎていて……語学教育がすごいね。私の方が、全然オランダ語の練習にならなかったですね。みんな日本語で話すからね。
その多言語で言語の壁がないということはとても羨ましい。おそらく何か徹底的に勉強していくことで、言語を把握する能力をつかむんでしょうね。

Q3. ヨーロッパ政治の魅力について教えてください。

私たちがよく聞く「民主主義」概念とは異なる形の「民主主義」、「国民国家」概念とは異なる形の「国民国家」を形成している、といった「逆説」に富んでいる点が面白いと思います。
まず、民主主義についてですが、例えばベルギーでは、フランス語、オランダ語、ドイツ語といった様々な言語があり、それぞれの言語別にキリスト教系の政党、社会民主主義の政党、自由主義の政党があるので、全体としてバラバラなんですね。だから、下院の議席は150議席なんですけど、一番議席数を取る政党でも30議席程度なんです。ということは、いくつかの党が集まらないと過半数を取れないということです。一方で日本の場合だと、選挙があると大体どこの番組もその日の夜に選挙特番があって、出口調査などから結果が大体すぐ分かるじゃないですか。ベルギーの場合は分からないんです。トップが30議席だから、「どことどこが組むんだ」、「どうなるんだ」ともなりますし、選挙の翌日から話し合いが始まるわけで、新政権が成立するまでにものすごく時間がかかります。時間をかけたら最適な答えになるかどうかは、後にならないと分からないことなんだけど、とにかく時間をかけます。日本ではよく即断即決が良いとされているように思います。今のウクライナみたいな状況の時は即断即決っていうことが必要なのかもしれないんだけども、時間をかけて話し合ってみんなで合意して進めていくっていうのがあそこの政治なんです。自分の利益に固執していると、合意ができないことになる。だから、妥協して合意していきます。時間をかけて話し合って決めるっていう「民主主義」になっている。もしかしたら、みなさんのなかには、「多数決ですぐ決まる」のが民主主義だっていう感覚があるのではないでしょうか。通常の多数決は例えば99対1になったら99に決まるわけですよね。そういう時「1」の答えは実際「0」になりますね。もっと極端なことを言うと、全体が100であれば51対49でも51が勝つわけですよ。49あった意見も「0」になってしまう。意味がなくなるわけです。一方、ベルギーとかの多言語社会とか多民族社会ではしばしばあり得ることなんですけど、「0」にせずに話し合うんです。話し合った結果、必ずしも「即断即決の多数決」にはならないのです。
国民国家に関してもまさしくそうで、1つの国民というけど、ベルギーの人たちは自分たちがベルギー国民であるという意識は持っているけれども、それと同時にそれぞれのフランス語などの言語のコミュニティの人間であるという意識もかなりの人が強く、ベルギー国民であるという以上にそれを強く持っているという場合もあります。また、EUの人間だという意識が強い人もいます。自分が何者であるか、つまりアイデンティティが非常に多層的に構成されていて、長期的に見ていると、ベルギー人という意識がだんだん希薄になってきている。僕は愛知県出身なんですが、日本人である前に愛知県民と言われてもピンと来ません。ただ、野球観戦の時は、やっぱり中日ファンなので、野球見てたら「愛知県民」とか「名古屋人」って感じを強く持つけど、普段の生活で日本人を超えるアイデンティティを持つかは分からないですね。

Q4. 先生のご趣味は何ですか?

ふわふわなものが大好きです。赤ちゃんの頃に祖母が犬の形の枕を作ってくれて、どうやらそれに付いてた尻尾が顔に当たるとよく寝たらしいんですよ。それが原因かは分からないけど、今でも毛布とかふわふわしたものを近くに置いて寝ることが多いです。
野球も好きで、中日ドラゴンズを応援しています。他の先生ともその話でよく盛り上がってますね。根尾選手には早く覚醒してほしいなと思っています。大学生までは、監督目線で「ここで交代するのは誰か」とか考えながら、静かに試合展開を見るのが好きだったんですけど、妻と出会ってから楽しみ方が変わりました。妻は外野から声援を送ったり応援歌を歌ったりするような僕より熱い中日ファンで、お付き合いし始めた頃一緒に試合を見に行ってから、彼女の影響で私も熱烈に応援するファンになりました。今もドラゴンズのストラップを身に着けていますよ。ちなみに、ストラップはベルギーでスリに遭って以来付けるようになりました。
ギターを触ったりすることもあります。最近は肩の調子が悪くて弾けていませんが…。あとは昔のアイドルの、早見優さんを高校生の頃から応援しています。今でもミュージカルをされているので、機会があれば見に行ったりしています。サインもいくつか持ってます。

Q5. 先生は学部生時代・院生時代はどのような学生でしたか?

学部生の頃はちょうどバブル期で、あんまり就活のことは気にしていなかったです。皆には申し訳ないけど授業に出てないことも多くて、誰かと麻雀やったりバンドをやったりしてましたね。ゼミだけは自由に好きなことができたので出席していました。単位はギリギリでした。だからあまり学生に強く勉強しろとは言えないですね。言う資格がないから。大学時代が楽しかったので、楽しむことのほうが重要だと考えています。
大学院の頃は、周囲の人の支えがあったので比較的頑張っていたと思います。奥さんは仕事をしながら料理などの家事もしてくれていました。


2. 松尾ゼミってどんなゼミ?

Q1. 松尾ゼミについて教えてください。


ゼミは大学生活を充実させる為の一つの手段だと考えています。「大学時代、〇〇が充実していました」って言えたら、きっと就活もうまくいくだろうし。
サラリーマン時代、営業と同時に、長い間採用担当もやっていました。なので、ゼミ生にはいつも採用の仮面接とかアドバイスとかよくしています。進路に関しては、一人一人と将来について話すように努めています。公務員試験を受験したり、大学院に進学したり、と色々目指す子がいますよ。例えば、大学院を目指すなら、ゼミとは別に英語の勉強会を開いたり、資格を取得するための勉強会をしたり‥。私のゼミは合計で30人所属しているのですが、やっぱり一人一人希望の進路は違います。また、ゼミ生それぞれが持っている力、何が得意で何が不得意かとかは違うので、なるべく一人一人と話していきたいと考えています。ただ無理やり「話そう!」と言ってゼミ生と向かうと嫌がる子は嫌がってしまいますね。なので、話してくれる子とは、「じゃあ、こうしよう」とか「こういう勉強会を開こうか」とかそんな風に将来について話を聞いています。
ただあとはゼミを見ていると、今はどうしてもコロナの影響があるじゃないですか。オンラインを使用してみんなやってきましたが、やっぱり学生が「分断」されているという印象がとても強くありますね。やっとマスク付きで集まって話せるようになりましたが‥。なので、コロナ禍の影響で、今の子たちはチーム作りに苦労するのではと見ています。社会人ってやっぱりチームで動くことが多いので。大学卒業してからいきなり独立して一人でやっていく人は中々いません。なので、独立することを望んでいても、ツテがない限りはコネやツテを作るっていう意味も含め、一回修行で企業に入社した方がいいです。その為、ゼミの時間はチーム活動を大切にしてほしいと望んでいます。特に3回生ぐらいから自分の強みをゼミで発見して欲しい。全員がリーダーになってしまうと「自分が」「自分が」ってなってしまい、逆にチームはまとまりません。とりあえずその日、そのプロジェクトのリーダーが決まったら、そこで自分は何をやるかをどう探していくかが重要になります。もちろんその中でリーダーに向くように成長していく子もいますよ。その為、色々な役を用意しようとしています。例えば、今はちょっとできなくて残念なのですが、合宿とかの会計をやってとかですね。来年度からはできるかなと思っているのですが‥。
また、毎年他の大学と交流をするっていうことを割と重きを置いています。今年はオンラインでやってみたのですが、やっぱりオンライン上で他大学と交流するのは難しいなと感じました。10大学合同ゼミみたいなことを毎年やっていて、100人以上の子たちが全国10大学から集まってホテルを借りて、所属大学関係無くシャッフルして、10個くらいのごちゃまぜグループメンバーを決めます。そこで、事前にお知らせしていたお題を出します。例えば、「ヨーロッパで頻発していたテロについて、あなたたちが中学2年生相手に教えてください」っていうお題です。初めて会った人と一泊二日で、2日目の午前中には発表会というスピードで進行していきます。とにかく初めて会った人と何かを成し遂げます。見ていれば中には途中で意見が合わずに空中分解しそうというチームもありますね。それでも何とか発表しなきゃいけないから発表して、「案外、空中分解しかけていたけど、面白いやん!」とかもあります。教員を含め、総合で投票してそれぞれの順位を決めます。1位のチームにはスタバ3000円とか賞品も用意します。終わったら100人ぐらいの打ち上げが待っています!だから、みんなLINEが一気に増えますね。やっぱり社会がそういう仕組みなんですよ。誰も友達がいなくて周りは先輩みたいなところへ配属とか。教員・スタッフ紹介のHPにも書いたのですが、好きなことだけをし続けてはいられない。龍谷大学の法学部だけ、とか、自分の好きな場所でずっとぬくぬくし続けてはいられないんです。別に常にそれを意識してゼミで練習しているわけではないですが、ゼミ活動のなかには、そういう経験もあっていいかなと思っています。10大学合同ゼミでは、初めて会った人とどんな風にチームとして何を成すかっていう、その練習にもなればなと。とにかく色々あったにせよ最後は楽しんで終わります。
あと、松尾ゼミだけで発表をやるっていうようなこともあるし、その辺は全部希望を聞いて実施しています。まだコロナじゃなかったときの第1期生は、希望の場所を聞いたら北海道が良いって言いました。旅費が高くかかるから、私の前任校が北海道の大学だったんで、タダで貸してもらえるようにお願いしました。その代わり、そこの学生達や元ゼミ生も呼んでもらって、向こうにすれば久しぶりの勉強会。急に全く知らない先生や学生の前で、一人で自分の卒論のテーマを発表させられていました。発表し終わった後、多分緊張していたのでしょうね。熱を出した子もいました。それでも終わった後、みんな盛り上がって、すごい仲良くなります。なるべく外のいろんな人と交流したくて。北海道にいた時もそうだったんですが、北海道の人たちって、北海道にずっといたいっていう人が案外多くてですね。私が所属していた大学ではそういう子がすごく多かったですね。龍谷大学も、聞いてみると、案外関西にいたいっていう子が多いんですよ。東京へ行きたいっていう子はたまに見るぐらい。市役所とかでも京都、大阪、神戸とか地元志向が多いので。でも、もっと全国のいろんな人たちと触れ合うことで、少し視野が広がる、なんていうとちょっと偉そうなんですけど。「全国に友達ができたら楽しいやんか」ぐらいの感じで。相手も京都の友達ができたら旅行に来るとき泊まる場所もできるし、交互に泊まり合いができますしね。こんな感じでどんどん人と出会っていきましょうっていう感覚ですね。だからコロナで途絶えたのはちょっと残念です。


3. 学生に向けて

Q1. 学生が作るレジュメを見る際にどのような点を見られているのか教えてください。


「聞く人に伝えることを意識せよ」ということ。自分だけが分かっていることが多いような気がしますね。例えば、共通の文献があって、それを読めていない人がいて、その人がいきなりレジュメを見ても文献の内容が分かる、話を聞けば分かる、がいいレジュメですね。自分だけはその文献をしっかり読んだので、自分だけ理解して、相手に伝わっているかどうかを考えることなく、ずーっとレジュメを読んでしまいがちです。なので、人に聞いてもらうことを意識するということをよく学生に言っていますね。また、あまりルールで縛るつもりはないんですが、レジュメのルール、例えば引用文献をつける時のやり方とかですね。そこはクリアしないとダメなので、そこはきちんとやりなさいということを卒論指導に至っても言っていますね。あとはレジュメの見やすさ、分かりやすさです。相手のことを考えると、レジュメのこの部分が何ページのどこにあたるのかっていうページ数をつけたほうが相手は分かりやすいですよね。こういう風に、聞く人のことをきちんと考えなさいということはよく言う事ですね。
加えて、昔の私の様に麻雀やったり、飲みに行ったりしないでちょっと我慢してレジュメに取り組んだ、頑張った学生を評価しないといけないと思っています。明らかに手を抜いたみたいなのはちょっといけないと思いますが‥。なるべくポジティブにいきたいかなと。ただ次はここを直してきてねっていう感じが多いかな。

Q2. レジュメを作る時にどういう風に流れを作ればいいのでしょうか?

まずは、最初に問いを明確にすること。例えば、ジェンダーだとかを考える場合とか、「ジェンダーとは」だとちょっとざっくりしすぎなので、「なぜ〜は○○なのか」、「どのように〜は××になったのか」というような問いを明確にします。それに対する答えをある程度想定して進める。分からなくてもこうなるかなと想像し考えながら。そこはまずしっかり押さえなきゃダメです。これをずっと何も考えずにやっていくと、問うていることと全く違う答えに行き着く時があって、そのままずっと書いていくと、「あなたは何が好きですか?」って聞かれているのに、「ハンバーグはデミグラソースが美味しいです。」みたいなちょっとズレた答えになってしまうことがたまにあります。たまにというか、わりと慣れていないうちはあるので、ズレへの対応をもう一回チェックしていきます。
言い出すと真面目な話になってくるので、あまり面白くないんですが、割とすぐに、各国のやり方はどうなっているかとかを比較する学生が多いと思います。比較でもいいのですが、何のために比較をするのかということは意識してね、と指導しています。比較をするにしても、元にした本や資料に、例えばイギリスとフランスと韓国があったから比較した、ということが多い。でも、なぜあなたの問いでイギリスとフランスと韓国を選んだのか。その選択の理由というか、そういうところの意識づけはするかな。
また、すぐ比較に走る人の場合は、問いにもよりますが、それよりもっと歴史をきちんと見る方がいいかもしれないとかアドバイスします。私は今ここで西洋政治史っていう歴史を担当していることも関係するのですが、歴史をあまり軽んずるなということは言っています。今があるのは昔があるから。だから歴史を丁寧にやっていくと、なぜ今こうなったかっていうのは分かるはずなんです。歴史の流れを見ていくと何か一つの筋が見えてくるよって言っています。
最初に問いを明確にして、結論とか答えも大体想定しながら進めることで、ある程度説得力あるものにはまとまっていくと思うけども、ただ、無理やり想定した結論に持っていかないっていうのも大切です。それこそさっきの「デミグラスソースが合いますね。」っていうことだったら、問いは「あなたは何が好きですか?」じゃなくて、「ハンバーグに合うソースは何ですか?」に変えなきゃいけない。分かったことが結局ハンバーグのデミグラスソースが一番合うっていうことだったら、「私はハンバーグにはどのソースが合うかを考えます。」というような問いに変えなきゃいけない。行ったり来たりして、その度になぜそうなったか、中身に触れます。
あとは、「自分の敵」を意識すること、ですね。例えば、「ハンバーグに合うソースは何ですか?」という問いに対して、自分が調べた結果、デミグラスソースっていう答えになりそうだとしたら、あなたの「敵」の答えとして、例えば和風醤油ソースとかが出てきます。それをどう批判していくか、が大切だと思っています。「確かに和風醤油ソースは大根おろしが爽やかで後味がよい」と言って、その点は認める。その次に「しかし、和風醤油ソースでは、例えば肉汁と合った時に○○で、ここが生かされない」みたいな流れで和風醤油ソースを批判します。敵をやっつけることで自分の意見が映えるというか。問いを立てること、いかに敵を見つけて、敵をやっつけるか。何を敵にするかですね。これの判断が難しい。全然関係のないところに持ってくると、何でこれが急に出てくるのか、浮いちゃうかもしれないですし‥。

Q3. ゼミや授業などで、学生と関わる時や、話す時に意識している事などはありますか?

なるべく一人一人と話すっていうのはさっき言いましたよね。そこで私なりにこの子に何が伝えられるんだろうって考えます。例えばさっきのリーダータイプの話。全員がリーダーになる訳ではないので、この子の強みは何だろうっていうのを見ながらやっています。特に龍谷の子たちは基本的にみんな引き出し方1つですごい実力を発揮します。それを見抜きたい。
そしてチームのためにどれだけ自分を犠牲にできるかが大事。自分勝手に自分の利益だけのために動こうとすると会社の人たちは面接で見破ってしまいます。別に自分がしなくてもいいような事にどれだけ時間を費やせるか。大学生活でいうと例えば、グループで報告をするその時に誰がレジュメを実際作るかっていう話に当てはまります。自分は遊びたい、寝たい、体調悪いとか色々あるけども、誰かが最後に作らないといけない。今までは大学4回生で最上回生なので威張ってたかもしれませんが、会社入った途端にぺーぺーです。そこで、いきなりその配属されたところを仕切れっていうことはありえないじゃないですか。最初はぺーぺーの仕事をさせられるんですよね。まず先輩のことを見て覚えて先輩について行って。それで最初に任されるのは多分ものすごく小さい仕事っていう、自分が思い描いていた世界ともしかしたら違うことかもしれない。つまらない仕事かもしれないけど、まずそれができないと話が始まらない。だからつまらない仕事に対して喜んで手も足も出すし動いて、自分には一銭の得にもならないようなことをそのために走り回るっていう人が実は強いんじゃないかなって、私は龍谷に来て思いました。今のところ私のゼミに来た子はそういう子が多いです。頑張ってる子が必ずしも第一志望の就職先ではないにせよ、それなりのきちんと納得いく結果を出してるような気がします。前の大学の時は、二極端でした。完全に人の為に働くことを無視してゼミに一切協力せずに予備校に通っているという子か、人の為に一生懸命動いて、図書館で勉強する子か、その両極端が希望のところへ行っていました。ゼミとかこういうチーム活動で一生懸命頑張っている子は100%ではないですが、ある程度成果を出せていると思います。頑張っているのに出せていない子はミスマッチがあるような気がします。「そこを受けるのは違うやろ」というような‥。例えば民間じゃなくて大学院進学の方が合っていたのではという感じですね。しょっちゅう相談に来てくれる子はアドバイスも色々しますよ。進学については、もちろんご家庭の状況があった上なので、口を出せない部分がありますが。私もそうでしたが、卒業するときに「まだ勉強したいから大学院ってどうかな」と親に言ったら、「もうこれ以上一銭も出せない」と言われました。その時はいくつかあった選択肢の中から大学院を消しました。学校内では、LeD’s やクラサポなど色々な仕掛けがありますよね。そういうところで頑張っている人たちは、ミスマッチさえなければある程度就活は大丈夫です。
ちゃんと話をしてくれればきちんと相談に乗ります。ただ最初、私が怖いらしくて‥。どうも、私の顔が怖いらしいです‥。でも、何でも相談屋です。恋愛相談はそんなに適切なアドバイスはできないかもしれないですが‥。

Q4. 最後に学生に向けて何かメッセージがあればお願いします。

こんな時代なので、暗くなることがあるかもしれない。毎日がつまらなかったら、自分がうまくいった未来を想像して、それに向かって進む。だけど、このコロナみたいに先が見えない時は、今を一生懸命生きてください。足元が真っ暗な時は、何をやっていいかわからない。「今が苦しいんだ。今がつらいんだ。」という時は、明るい将来を強く思って歩んでほしいなと思います。コロナの霧は少し晴れてきたけど、これからどうなるかわからず先が見えなくなるとか不安になるような時は、「今」を頑張るしかない。今あることを頑張るしかない。これをやっていけば、一生懸命やっていたら誰かが見ている。誰かが助けてくれる。いい仲間に出会えて、感謝できると思います。



4. インタビューを終えて

卒論指導やご自身の学会などの用事でお忙しいにも関わらず、インタビューに快く答えていただき、とてもうれしく思いました。インタビュー当日は緊張していましたが、先生が優しく笑い話も加えてお話してくださったおかげで、緊張も解け、楽しくインタビューをすることができました。「社会で必要となるチームワーク能力を身につけたい!」「ゼミを一生懸命取り組んで大学生活を充実させたい!」という方はぜひ松尾ゼミへ!
自分の可能性は無限。You, Unlimited.次回のインタビューも、ご期待ください。


【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
川上 桃佳(法学部3年)
隅田 知里(法学部2年)
森 亜真里(法学部2年)


政策学部では、「政策実践・探究演習」(海外)として、フィンランドの大学と連携したプログラムを開設しています。
2023年7月26日(水)14:30~15:00にフィンランドPBLの受講生6名が、政策学部教員に対して海外プログラムでの学びについて報告を行いました。
フィンランドではラハティのLAB応用科学大学の国際共修(エラスムスプログラム)で「サステナブル・デザイン」について5日間、欧州・アジアなど世界各国から参加した大学院生とともに大学での講義とフィールドワークを交えたプログラムに参加しました。(2022年度参加学生は11名、引率は服部圭郎教授と村田和代教授)現地プログラムの他、学んだこと、自身の変化などについても学生自身の言葉で語りました。
2022年後期の事前学習、2023年3月の現地研修、2023年度前期の事後学習を終え、プログラムの締めくくりとしての最終報告となりました。今後も本プログラムを毎年継続していく予定です。


政策学部FDで学生から研修内容と学びを報告


報告会を終えた学生たち おつかれさまでした


参考:大学ホームページ報告記事
現地レポート① https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-12352.html
現地レポート② https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-12359.html
現地レポート③ https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-12365.html
現地レポート④ https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-12372.html
現地レポート⑤ https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-12387.html
現地レポート⑥ https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-12416.html

報告動画 https://youtu.be/8HfxUfPjfug


【本件のポイント】

  • 食物アレルギーの子どもたちとその家族のために専門医療スタッフが中心となり立ち上げた「アレルギー対応子ども食堂スマイルシード(以下、スマイルシード)」が龍谷大学農学部食品栄養学科と連携し、試食&講演会を開催。
  • スマイルシードが龍谷大学農学部食品栄養学科の教員や学生らと一緒に食物アレルギーの子どもでも安心して食べられる手作りのスイーツを作成。
  • コロナ禍で中止していたこともあり、3年半ぶりの大規模開催。


【本件の概要】
 スマイルシードと龍谷大学農学部食品栄養学科小児保健栄養学研究室/栄養教育学研究室が連携し、「食物アレルギー対応!スマイルシード夏休み企画 みんな大好き!スイーツビュッフェ」を開催します。
 本企画は、スマイルシードが龍谷大学農学部食品栄養学科の教員や学生らと一緒に食物アレルギーの子どもでも安心して食べられる手作りのスイーツを作成して、みんなで試食しようというイベントです。今回のスイーツのメニューはスマイルシードが食物アレルギー対応メニューを紹介するインスタグラムに掲載されたものが中心で、気に入ったものがあれば参加者がご自宅で子どもと一緒に作ることができます。
 普段安心してお菓子を食べられない子どもたちも、のびのびと好きなものを口にすることができ、親子で食べることの楽しさを味わえる企画です。農学部食品栄養学科(管理栄養士)の岡崎史子准教授による親子向けの講演「こんなことに気をつけよう!食物アレルギーっ子の注意点」もあり、親子で食物アレルギーについて学んでいただけます。

日 時 : 2023年7月29日(土)14:00~16:00
会 場 : 龍谷大学瀬田キャンパス9号館
主 催 : アレルギー対応子ども食堂スマイルシード
共 催 : 龍谷大学農学部食品栄養学科小児保健栄養学研究室/栄養教育学研究室
後 援 : 滋賀県立小児保健医療センター、(公財)日本アレルギー協会関西支部
詳細はホームページ参照
http://shiga-smileseed.com/index.html

問い合わせ先:龍谷大学 農学部教務課 Tel 077-599-5601 agr@ad.ryukoku.ac.jp


7月5日(水)の4.5講時に、2023年度法政アクティブリサーチ合同報告会を実施しました。
玄クラス、堀クラス、松尾クラス、山田クラスがそれぞれの1年間の研究成果を発表ました。

当日はヒアリング先の企業様も来られ活発な質疑応答が行われました。

法政アクティブリサーチは、法学部2.3年生が対象のアクティブラーニング科目です。
学生自身が主体となって、法制度や政治・行政の実態に関する積極的な学修、調査研究を行い、クラスごとにテーマを設定し、専門的な文献の読解やディスカッション、学術的・文化的な施設の利用・訪問、政府機関や地方自治体、NPOおよび民間企業その他法人でのヒアリング調査等の方法により、テーマに応じた調査研究を教員の指導のもと進めてきました。


<玄クラス>
共に生きる社会を構想する
・性的マイノリティについての概要及び関連する問題
・「発達障害者の就労支援と今後の展望」

<堀クラス>
かおり・においと環境
・香りとまちづくり
・においと法律―喫煙者と非喫煙者の共存の観点から―
                           
<松尾クラス>
困難を乗り切る原動力         
・障がい者雇用と特例子会社
・部品作りへの際限なきこだわりと熱い思い
・ゲーム、そしてそのプレイヤーに対する熱い思い
                           
<山田クラス>
多文化共生社会の実現のために
・外国人の相談と教育


7月22日(土)、23日(日)、「シリーズ展12/特集展示:お釈迦さんのむかしばなし」の関連イベントとして、川面美術研究所 荒木かおり所長をお招きし、ワークショップ「修復で使う本物の色を作って遊ぼう」を開催しました。

限られた時間ではありましたが、彩色修復とはどのようなものか、西本願寺唐門(国宝)の彩色修復がどのような顔料を用いて、どのように行われたのかをご説明いただいた後、参加者が顔料と膠(にかわ)液を自分の指で練り合わせ、筆を使って木製の馬やパズルに思い思いの色を塗る体験をしていただきました。

荒木所長からは、彩色修復ではできるだけ同じ素材・同じ技法を用いて修復すること、そして次の世代の修復者へ技術を伝えることが大切であるといった、自らの経験に基づく貴重なお話を伺うことができました。

参加者からは、「いろんな色があり、発色の良さに驚いた」、「文化財を後世に残していく大変さがよくわかった」、「説明が丁寧でわかりやすく、岩絵具を混ぜて作るのがとても楽しく、難しかった」といった声が寄せられました。

【関連サイト】
龍谷ミュージアムHP
シリーズ展12/特集展示:お釈迦さんのむかしばなし」特設サイト

※協力 有限会社川面美術研究所
※企画 森 正和(龍谷大学先端理工学部)








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