世界人口のおよそ半数は、1日当たり約2ドル相当の金額で暮らしていますが、世界全体の失業率は 5.7%であり、仕事があっても貧困から逃れられない状況が多くの場所で生じています。この遅々とした不公平な前進は私たちに対し、貧困根絶を目指すそれぞれの経済・社会政策を再考、刷新することを求めています。
ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会が継続的に欠如した状態や不十分な投資、過少消費は、すべての人々が前進を共有しなければならないという、民主主義的社会を下支えする基本的な社会契約の衰退をもたらします。世界全体の1人当たり実質GDPの年平均成長率は対前年で上昇しているものの、開発途上地域には依然として、成長が減速し、2030年の7%という成長ターゲットから遠ざかっている国が多くあります。労働生産性が低下し、失業率が上昇する中、賃金の低下によって生活水準も悪化を始めています。
持続可能な経済成長を遂げるためには、経済を刺激し、かつ、環境に害を及ぼさない質の高い仕事に人々が就ける条件を整備することが必要になります。雇用機会とディーセントな雇用環境は、現役世代の人々すべてにとって重要です。所得を管理し、資産を蓄積し、生産的な投資を行うためには、金融サービスへのアクセスを拡大する必要があります。世界の最貧地域では、貿易や金融、農業インフラ整備へのコミットメントを強化することも、生産性の向上と失業の減少に役立つでしょう。
本SDGに関連する主な取組実績は以下のとおりです。
龍谷大学生を中心とした学生5名によるチーム「京結える(きょうゆえる)」では、余剰・廃棄衣料のアップサイクルに取り組んでいる。
2022年度は、龍谷チャレンジに採択され、廃棄繊維をアップサイクルしたブロックの開発、品質の改善を行うとともに、製品の製作、展示、販売、ワークショップ、啓蒙活動を行った。
学生グループNiCHiBle(ニチブル)は、食品ロスの課題を解決するため、規格外野菜を使ったメニューを深草キャンパス近郊の生産者と連携し、規格外野菜を使ったメニューをキッチンカーで提供した。規格外野菜を食べることでフードロスなど農や食に関わる問題を自分ごととして考えてもらえることを目的に活動している。「NiCHiBle(ニチブル)」はユヌスソーシャルビジネスリサーチセンターのコワーキングスペース「創業支援ブース」に入居し、出店日時の調整などで支援を受けている。。
2022年12月10日、17日の2日にわたり、地球規模の気候変動被害など世界各国で喫緊の課題を議論する「2022龍谷大学学生気候会議」を開催。実行委員会(学生団体OC’s) が気候ネットワーク、京都市総合企画局総合政策室、京都府地球温暖化防止活動推進センターと連携し運営を行い、学部・学年を越えた25名が参加した。本会議で議論された内容をもとに提言書をまとめ、大学に提出する。
龍谷大学大学院実践真宗学研究科では、「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」養成教育プログラムを実施している。臨床宗教師は、布教・宗教勧誘、営利を目的とせずに、相手の価値観、人生観、信仰を尊重しながら、苦悩や悲嘆を抱える人々に寄り添い、生きる力を育む者である。2022年度は、4名が在籍し、東日本大震災で被災した、宮城県仙台市 専能寺で研修を行った。
ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンターと南山城学園は、製造業と福祉分野の社会課題解決に向けて、KOUFUKU(工業×福祉)連携プロジェクトを発足した。このプロジェクトは、南山城学園の「就労継続支援B型1」事業所内に協働型ロボットシステムを導入し、センサーデバイスの製造ラインを構築するものである。システムの構築にあたっては、川崎重工業(株)およびJOHNAN(株)、京都大学、和歌山大学の協力を得て行った。