世界の海洋は、その温度、科学的性質、海流、生物を通じ、地球を人間が住める場所にしているグローバル・システムの原動力となっています。私たちの雨水、飲料水、気象、気候、海岸線、私たちの食物の多く、さらには私たちが吸い込む大気中の酸素でさえ、究極的にはすべて、海が提供、制御しています。海洋は有史以来、交易と輸送に欠かせないルートとなってきました。
この不可欠なグローバル資源を慎重に管理することは、持続可能な未来への鍵を握っています。しかし現時点では、汚染による沿岸水域の劣化が続いているほか、海洋の酸性化は、生態系と生物多様性の機能に悪い影響を与えています。これによって、小規模漁業にも悪影響が及んでいます。
海洋保護区を実効的に管理し、しっかりと資金を供給する必要があるほか、乱獲や海洋汚染、海洋の酸性化を抑えるための規制の導入も必要となっています。
https://www.unic.or.jp/files/Goal_14.pdf

本SDGに関連する主な取組実績は以下のとおりです。
2024年4月、龍谷大学と沖縄県環境科学センター等の研究チームは、南西諸島で絶滅が懸念されていた海棲哺乳類ジュゴンが、現在も琉球列島に生息しているという「科学的証拠」を公表しました。 2019年以降に海岸で採取した糞のDNA分析により、沖縄島東部と宮古諸島でジュゴン特有の遺伝子を検出し、さらに目撃情報との照合から広域な分布を再確認しています。
2024年11月30日~12月14日、龍谷大学瀬田・深草キャンパスにて **第4回 龍谷大学学生気候会議2024 が開催されました。
学生会議では、気候変動・大学施策への参画を議論。瀬田キャンパス「龍谷の森」の活用アイデアやカードゲーム形式の演習を通じて、参加者が学び合い意見交換を行いました。この取り組みは、環境に配慮した持続可能な大学運営を促しています。
2025年3月14日、龍谷大学大宮キャンパスで、京滋エリアの産官学金が連携するシンポジウム「ネイチャーポジティブへの挑戦」開催しました。龍谷大学生物多様性科学研究センターの研究者のほか、滋賀県や滋賀銀行、㈱地域環境計画などの関係者が登壇。生物多様性保全に向けた最新の調査報告や企業・行政の取り組み事例に触れ、パネルディスカッションで保全システム構築の可能性を議論しました。
全国で川や湖沼の生態系が失われ、漁業協同組合の経営が資源減少や費用高騰で悪化しています。この問題に対し、先端理工学部の山中裕樹准教授は「環境DNA分析」を活用し、生態系の把握と保全を進めています。この技術を活用し「オンライン漁協アプリ」を運営する株式会社フィッシュパスと簡便な調査アプリを共同開発することで、持続可能な自然保護活動を支援しています。