世界の貧困率は2000年以来、半分以下に低下したものの、開発途上地域では今でも10人に1人が、1日1ドル90セントという国際貧困ライン未満で家族と暮らしています。また、さらに数百万人が、毎日この金額とほぼ変わらない水準で生活しています。東アジアと東南アジアの多くの国では、大幅な前進が見られているものの、サハラ以南アフリカでは依然として、この貧困ライン未満で暮らす人々の割合が42%にも達しています。
貧困とは、単に持続可能な生計を確保するための所得と資源がないことではありません。貧困は飢餓や栄養不良、教育その他基本的サービスへのアクセスの制約、社会的差別と排除、さらには意思決定への不参加など、数多くの形を取って表れます。
経済成長を包摂的なものとすることで、持続可能な雇用を提供し、平等を促進しなければなりません。社会保障制度を導入し、災害が多い国での被害の軽減に役立てるとともに、大きな経済的リスクに対する支援を提供する必要があります。こうした制度は、災害時に予期せぬ経済的損失に見舞われた人々による対応の強化に資するほか、最終的には最貧地域で極度の貧困に終止符を打つことにも役立つでしょう。
https://www.unic.or.jp/files/Goal_01.pdf

本SDGに関連する主な取組実績は以下のとおりです。
日本におけるシングルマザーの就労率は8割以上ですが、ひとり親家庭の貧困率は約5割にも上ります。社会学部 砂脇恵 准教授は社会福祉学を研究しながら、シングルマザーを支援する一般社団法人「シンママ大阪応援団」の理事として活動しています。シングルマザーの生活実態や生の声を広く社会に伝えるため、2024年12月、『ケアがつなぐ連帯―シングルマザーの声が届く社会をめざして』を出版しました。
本学学生による情報発信がきっかけとなり、2021年に各学部・部署の垣根を越えた部署横断型のワーキンググループを設置し、「生理の貧困」に代表される生理に関する経済的な問題やジェンダー問題の解決に向けて、取り組みを行いました。
生理用ナプキンの無料化を実現するサービス「OiTr」を、2021年に関西の大学で初めて導入して以降、継続的に運用しています。
2024年10月、ブッダガヤ仏心寺で僧侶をされている清水良将氏を講師に招き、「インド・ブッダガヤの生活で観た聖地と貧困 〜苦しみと布施の精神」をテーマに講演会を実施しました。龍谷大学の学生・教職員・その他一般の方を対象に、釈尊が悟りを開いたとされるインド・ブッダガヤで、教育や社会活動にかかわる講師から、思いや日々感じていることを講演していただきました。