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龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)は、下記のウェビナーを、来る4月13日(火)に共催します。
【>>お申込みページ】


シリーズ第3回 「ドイツの薬物政策〜使用と所持の法規制をめぐって〜」

日時:2021年4月13日(火)18:00-20:00
形式:Zoom/定員:200名

報告者:金 尚均(キム サンギュン)(本学法学部教授)

プログラム ※一部変更となる場合があります
 - 開会の挨拶 石塚 伸一(本学法学部教授)   5分
 - 報告者 金 尚均(本学法学部教授) 55分
 - 質疑応答・ディスカッション         55分
 - 閉会の挨拶 石塚 伸一(本学法学部教授)    5分

【企画の趣旨】 これまで日本、オランダ、ポルトガルなどの薬物政策をめぐる議論を勉強してきました。第3回は、ドイツの法規制を手掛かりに禁止薬物の使用や所持の問題を考えてみましょう。報告者は、金尚均さんです。近年はヘイト・スピーチやインターネット犯罪の研究で有名ですが、龍谷大学の刑法担当の教授です。1990年代にドイツに留学され、ドイツの薬物政策に精通されています。単著『ドラッグの刑事規制―薬物問題への新たな法的アプローチ』(日本評論社、2009年)は、現地調査の成果を踏まえた比較法研究です。みなさま、奮ってご参加ください。

【プロフィール】 金 尚均(キム サンギュン) 
 1967年大阪府生まれ。立命館大学研究科修了、博士(法学)を取得。山口大学、西南学院大を経て、現在、龍谷大学法学部教授。フンボルト財団の支援を得てドイツ留学。主著に『危険社会と刑法―現代社会における刑法の機能と限界』(成文堂、2001年)、中川慎二・河村克俊との共著書に『インターネットとヘイトスピーチ—法と言語の視点から』(明石書店、2021年)などがある。
>>【犯罪学研究センター】ヘイト・クライムユニット長 インタビュー


主催:龍谷大学 ATA-net研究センター
共催:龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)

※Zoomの視聴情報は、お申し込みフォームに入力いただいたメールアドレスに「開催当日」に連絡します。Zoom視聴情報を、他に拡散しないようお願いいたします。
また、申し込み名とZoomの名前を合わせていただくようにお願いいたします。


本学では、4月7日(水)から始まる第1学期(前期)の授業について、これまでお知らせしているとおり、感染予防策を十分に講じた上で、原則対面授業として実施いたします。

 

政府は、この度、新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあるなか、大阪府をはじめ一部地域に対して「まん延防止等重点措置」を1か月間適用することを決定しました。今後の状況によっては、学期途中であっても授業の実施形態を変更する可能性があります。あらかじめご了承ください。

 

新学期が始まり、本学でも多くの新入生をキャンパスに迎えることができました。

学生の皆さんがキャンパスでの充実した学生生活を送ることができるよう、引き続き感染予防を徹底するとともに、とりわけ飲食を伴う会合やコンパは厳に慎んでいただきますようお願いします。

 

※対面授業の受講にあたり、基礎疾患がある学生などへの配慮として、対面授業をオンラインで配信する手立てを講じています。詳しくは、ポータルサイトをご確認ください。

 

 

2021(令和3)年4月2日

龍谷大学・龍谷大学短期大学部



<感染予防対策について>

 

本学では、「新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を作成するとともに、次の感染予防対策を講じています。体調管理に留意するとともに、一人ひとりが確実に感染予防対策を実行してください。

 

(1)基本的な感染予防対策の徹底

○ マスクを着用する。

○ 手洗い(手指消毒)を実施する。

○ 身体的距離(SD:ソーシャルディスタンス)を確保する。

○ 3密(密閉、密集、密接)を回避する。

○ 黙食(食事時には会話をしない)を徹底する。

○ 体調不良時は自宅療養とする。

 

(2)教室での感染予防対策

○ SD定員により、身体的距離(SD)を確保する。

○ 座席指定を実施し、身体的距離(SD)を確保する。

○ 常時窓を開けるとともに換気装置を運転し換気を行う。

 

(3)食堂等での感染予防対策

○ 机、イス、アクリルパーテーションに抗菌処理を行う。

○ テラス席にもアクリルパーテーションを設置する。

○ 黙食(食事時に会話をしない)を徹底する。

 

(4)通学時およびキャンパス内移動時の対応

○ マスクを着用する。

○ 電車内をはじめ、キャンパス内の移動時の会話は極力控える。

 

※「新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を必ずご確認ください。

https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-8139.html

 


2021年3月12日、犯罪学研究センター主催のシンポジウム「みんなで話そう京都コングレス2021〜龍谷コングレスに向けて〜」をオンライン上で開催し、約60名が参加しました。
【>>イベント概要】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-7969.html
【>>第1部開催レポート】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-8179.html
【>>第2部開催レポート】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-8180.html


第3部「みんなで話そう龍谷・犯罪学」は、赤池一将教授(本学法学部、当センター教育部門長・「司法福祉」ユニット長)による話題提供とディスカッションで構成されました。
赤池教授は「龍谷コングレス・テーゼに向けて」と題し、これまでの当センターの活動・研究成果と、今回の京都コングレスおよび京都宣言で取り上げられたトピックを対比・整理しながら、京都宣言から見えてきた刑事司法をめぐる日本の課題について報告をしました。
【参考記事>>】犯罪学研究センター教育部門長・司法福祉ユニット長 インタビュー「龍谷大学だからできる犯罪学」

文部科学省 「私立大学研究ブランディング事業」に採択された(2016年11月〜2020年3月)犯罪学研究センターの研究プロジェクトは、2016年6月の設立当初から京都コングレスを念頭におきながら進めてきました。全13のユニットによってなされる多岐にわたる研究を学内外の研究者の協力を得て行ってきました。赤池教授は、当センターの知見をとりまとめ、京都コングレスにあてはめて下図のように対比しました。


赤池教授の報告(京都コングレスの議題・ワークショップトピックに当センターの知見をあてはめる)

赤池教授の報告(京都コングレスの議題・ワークショップトピックに当センターの知見をあてはめる)


赤池教授は「国連に属する研究機関が設定したワークショップトピックに対して、犯罪学研究センターはどのような原理・原則を念頭に置きながら考えるのか、抽象的ではあるがここに示したい」と提示します。つづいて、京都コングレスのハイレベルセグメント、国家間の調整で浮かび上がってきたトピックとの対比に移っていきます。


赤池教授の報告(日本政府の提案と当センターの視点との比較)

赤池教授の報告(日本政府の提案と当センターの視点との比較)


「日本政府の対応策はあまりにも実務的観点に基づく現状の肯定・延長上にある手堅い提案に留まり国内外の批判に応えるような大胆な改革案は示せていない。犯罪学研究センターのものと比較することで、その相違が浮かび上がってくると思う」と赤池教授は日本政府の案に疑問を呈します。
つづけて、赤池教授は「今後のディスカッションのために、今回の京都コングレス・京都宣言をめぐって、国際化・法律化・社会化を問い返すという形でまとめたい」と述べ、それぞれの論点や課題を次のように整理して、参加者と共有しました。

1. 国際化の視点の変化と課題
「50年前であれば、日本の制度をいかに国際化するかということが基本であった。国際準則に対してどのように対応するかが真剣に議論されてきた。国連の議論は地域バランス、開発の段階、ジェンダー・バランス等をふまえた議論をしている。各国の進んでいる点、遅れている点をリフレクシブにとらえて考えようとしている。日本政府・法務省は、なぜ、そして、いつから、日本の法制度への理解と法順守の文化を他国の範として誇るようになったのか。日本の刑事司法に対する無謬信仰に陥っていないか?が大きな問題である」

2. 法律化の視点の変化と課題
「民主主義社会では多数決がひとつの意思決定手段として用いられ、その利益の表明が「法律」である。しかし、多数者であるからといって少数者から奪ってもよいというわけではない。何人も奪うことができない利益が「権利」であり、多くの場合は憲法のなかで基本的人権として定めている。国際人権基準への「法律」による対応は充分か、その新動向の障害となる実務の有無は吟味されているか、実務に対する批判的主張に対応しているか。法律をもって執行され、国際的な人権規約からみて犠牲となるような人々についてどのように考えるべきかが問われるべきである。京都宣言の50には、『犯罪者に対する刑罰の厳しさが犯罪の重大性に見合うものとなるように、犯罪者の処遇に関する量刑の刑罰の政策、実務又は指針を国内法の範囲内で推進する。』とあるが、たとえば死刑問題を議論の俎上に乗せることは困難になるだろう。また実質的な終身刑である無期懲役の実態、仮釈放の運用、刑務所の実務状況といった国内での実務上の課題について外から議論することが難しくなるのではないかという懸念がある。「法の支配」が「法による支配」によってゆがめられていないか、法律化という側面で議論すべきではないか」

3. 社会化の視点の変化と課題
「『総合的アプローチ』『多面的アプローチ』という言葉が多く出てくるが、官・官ないし官・民協働の昨今の理論的背景をなす意義については検討する必要がある。犯罪者処遇を、刑務所内だけの法律ではなく、社会一般の法と制度によって実施するという観点が重要だと思う。例えば教化・教育を、昨年まで小学校で教えていたふつうの先生が今年は人事異動で刑務所の先生になるというような、社会一般の法と制度によってまかなう「社会化」が重要である。法律化の問題ともかかわることであるが、社会化とその担い手「多様なステイク・ホルダー」がなぜ問題になるのか考えなければならないと思う。少数者を擁護すべきピアグループや当事者の存在が、法律による支配が行われようとするとき、重要な役割を果たしている」


赤池教授の問題提起を受け、石塚教授がディスカッションのコーディネーターを務め、参加者に今回の京都コングレスおよび京都宣言に対するコメントを求めました。

石塚教授は「京都宣言の国内法の範囲で推進するという点は理解できるものの、これではむしろ国内法は変えなくて良いという現状肯定につながる。各国間の同意の形成の中で巧みに盛り込まれた「国内法の範囲で推進する」という現状肯定を認めるような消極的な同意形成を止めるために、国際会議におけるNPO・NGOなどが果たしてきた役割は大きい」と述べ、NPO・NGOの活動に詳しい前田 朗教授にコメントを求めました。


前田 朗教授(東京造形大学・造形学部)

前田教授は、はじめに国際人権機関におけるNGOの役割について、メンバーの一員として四半世紀活動してきた経験から昨今の状況について説明しました。前田教授は「1990年代からNGOの活動が活発化したが、米国・日本・中国などが「NGOが多すぎる」と批判をするようになり、当初はNGOを擁護した欧州が姿勢を変えたため、2000年代にはNGOの活動が制限される方向になった。その後は特定政府の意見を述べるNGO(GONGO)が登場してきた。政府等からの多額の研究費・助成金が降りてくる状況で、受け取ったNGOと受け取らなかったNGOとに分かれた。そのことでお金のためにやっている団体、政府の代弁者としての役割を果たす団体とが出てきて人権フォーラムをめぐる周囲の様相が変質した」と指摘します。また、新型コロナの影響で2020年6月以降、人権理事会にオンライン導入がされ、他の条約委員会にもそれにならいます。前田教授は「やむを得ない事情であるが、各国外交官、テーマ別特別報告者、人権高等弁務官事務所スタッフと情報共有や交渉する機会であるロビー活動がしにくい状況になっている」ことを報告しました。


つぎに石塚教授は、京都コングレスの議題のテーマのうち、とりわけ「あらゆる形態の犯罪を防止するための国際協力及び技術支援」にふれながら、なぜコングレスにおいてテロの問題を取り扱いながら「戦争犯罪や戦時下の人権」という視点は抜け落ちているのか?」という疑問をなげかけ、この問題に詳しい舟越 美夏氏にコメントを求めました。


舟越 美夏 氏(ジャーナリスト、犯罪学研究センター嘱託研究員)

舟越氏は「虐殺やジェノサイドがあった現場を取材してきた身としては、コングレスにおいて戦争犯罪が取り上げられないことが残念であるし、違和感を持っている。国家による犯罪を阻止し、実効力のある国際的な法制度をどのように確立するか、という課題は国連という場で模索されるべきである。」と強く参加者に訴えかけました。つづけて「過去2度の大戦の反省から人道に対する罪、ジェノサイド罪を規定し*2、2005年から国連首脳会合では、保護する責任を負うということも規定されている。その責任には犯罪の予防というものも含まれている。早期の警戒についても国連が支援することも謳っている。しかし、このことをもって阻止できたことは皆無に近く、人道に対する罪が司法の場で裁かれることも難しい。なぜならば、国連安全保障理事会の付託(常任理事国の同意)が必要で、各国の利害が対立するからである。しかしこのような実情を無視するなら『SDGs : だれひとり取り残さない持続可能な社会』は実現しないのではないか。最近はテロ鎮圧を名目に過剰な公権力や武力の行使が黙認される状況で、世界の不安定化が促進される」と最近のミャンマーの政変の事例*3を交えながら説明し、憂慮の念を表明します。最後に民主主義を謳う大国が人道犯罪を犯す事例として、モーリタニア人のモハメド・オーラド・サラ匕氏の手記を映画化した『THE MAURITANIAN』を紹介し、「今年10月に日本で公開されるこの映画を一人でも多くの人に視聴してもらうために準備をしたい」と抱負を述べ、報告を終えました。

つづいて石塚教授は、「国際的視点からみた日本はどういう国であるのか、刑事司法は日本が言っているように他国に誇れるものなのか?『人質司法』と揶揄されている刑事手続の何が問題なのか考えていきたい」と述べ、えん罪救済を目的とする日本版イノセンスプロジェクト「えん罪救済センター」*4の活動に関わっている笹倉 香奈教授にコメントを求めました。


笹倉 香奈 教授(甲南大学・法学部、犯罪学研究センター客員研究員)

笹倉教授は、日本側が準備・用意したコングレスのアンシラリー・ミーティング(Japan’s Ancillary Meetings)のひとつである「日本の刑事司法を比較法的観点から考える」というセッションの動画*5を取り上げ、人質司法をめぐる問題*6についてコメントしました。笹倉教授は「先ほど赤池先生が『国際化、法律化、社会化を問い直すべきだ」と仰っていたが、このイベント(Japan’s Ancillary Meetings)についてもやはり、この3点を問い直すべきではないかと思う。この動画の基本的な立場は、『それぞれの国の制度を単純に比較することはできないし、日本の刑事司法に対するこれまでの批判にはあたらないものが多い。安易な批判をするべきではない。そして基本的に日本の刑事司法制度は適正に運営されている』というものである。例えば国連人権理事会の恣意的拘禁(に関する)作業部会は2020年の11月20日にカルロス・ゴーンさんの事件について見解をだしているが*7、この中で指摘されている人質司法への批判には、本動画は正面から答えていない。しかし、長期の身体拘束から虚偽の自白をおこなったという実際の被疑者・被告人の例は後をたたない。日本の冤罪の原因や構造をどのように見るのか、本セッションはそのような点にふれていない。実務を被疑者・被告人の権利という観点からみる、防御権の観点からみるということが必要ではないか。各国の制度は確かに異なるものではあり、安易な批判は避けるべきなのかはしれないが、その根底にある人権といった共通の価値への意識が及んでいなかったという意味で、この動画が日本の刑事法研究者の見解として語られるということには危機感を覚える」と主張しました。


さいごに石塚教授は、「ダイバーシティ(多様化)、ジェンダーの語が京都宣言に盛り込まれているが、従来の龍谷大学刑事系のグループは、ジェンダーや被害者という論点が弱かった。犯罪学研究センター設立を機にその点について知見を深めたいと考えている」と述べ、当センターの博士研究員である牧野 雅子 氏にコメントを求めました。


牧野 雅子 氏(犯罪学研究センター・博士研究員)

「京都宣言には、犯罪防止におけるジェンダーの視点の主流化、および、刑事司法制度におけるジェンダーの視点の主流化と、ジェンダーの視点が盛り込まれている*8。このことは評価されるべきだと考える。ジェンダー問題の改善には、意思決定過程への女性の参加が必要だと主張されるが、女性が問題なのではなく、女性をはじめとするマイノリティを周縁化しているシステムや、マジョリティの差別性が問題なのだということは強調しておきたい」

予定されたプログラムが全て終了し、黒川雅代子教授(本学短期大学部、犯罪学研究センター副センター長)が閉会のあいさつを行いました。黒川教授は「本日登壇いただいた皆様に心より感謝申し上げたい。本日のシンポジウムでは、京都コングレスについてさまざまな熱い議論があり、さまざまな課題が抽出されたところで、さらに突き詰めていくべきだと思うが、残念ながら時間の制約上、つづきは618日から21日に龍谷大学で開催される「アジア犯罪学会 第12回年次大会(ACS2020)」サイドイベントの場で継続できれば、と考えている。また、私は社会福祉学が専門のため少しピントがずれた意見になるかもしれないが、刑事政策はソーシャル・エクスクルージョンではなく、ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)の視点で議論されているのだということを、本日の議論を通じて深く考えさせられた」と述べ、シンポジウムは成功裏に終了しました。

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【補注】
*1 国際連合人権理事会(United Nations Human Rights Council : UNHRC)とは、国際連合経済社会理事会の機能委員会の一つであった国際連合人権委員会(United Nations Commission on Human Rights : UNCHR)を改組・発展させた組織で、2006年に正式発足した。理事会は、国連加盟国の人権状況を定期的に把握することで、人権侵害の問題に取り組み、それに対応する勧告を行う。https://www.unic.or.jp/activities/humanrights/hr_bodies/hr_council/

*2 ジェノサイド条約(Genocide Convention)は通称。集団殺害罪の防止および処罰に関する条約:英Convention on the prevention and Punishment of the Crime of Genocideは、集団殺害を国際法上の犯罪とし、防止と処罰を定めるための条約。「ジェノサイド」(「種族」(genos)と「殺害」(cide)の合成語)を定義し、前文及び19カ条から成る。日本は未加盟。批准していない。
>>参照:衆議院 第185回国会 法務委員会 第4号(平成25年11月5日(火曜日))

*3 議長声明案に「非難」明記 ミャンマー巡り国連安保理(日本経済新聞2021年3月8日記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN073YY0X00C21A3000000/

*4 イノセンスプロジェクトとは、1992年にアメリカでCardozoSchool of LawのPeterNeufeldとBarry Scheckによって設立されたNPO。その目的は、DNA鑑定を通じて冤罪証明をしたり、刑事司法制度におけるさまざまな改革を訴えることにある。同NPOの活動に共鳴し、世界各国に同種のNPO団体が設立されることになった。
>>日本版イノセンスプロジェクト「えん罪救済センター」
参考:「"イノセンス・プロジェクト"の可能性と課題(視点・論点)」(NHK、2017年11月21日 記事)

*5 2021年3月7日 14:00-15:30 Room B-2で行われたサイドイベント「日本の刑事司法システム―比較法的観点から(法務省大臣官房国際課)」日本の刑事司法手続きについて、内外の有識者が比較法的観点から議論を行った。
詳細:http://www.un-congress.org/Session/View/ef0678bc-7b8e-437b-af96-10dffcafc810
その様子:https://s3.amazonaws.com/us.inevent.files.general/0/0/1qo3ITmrqrJhVDYTjw01wUpeiPXkTx6LHoTSWbaRMlwo.mp4

*6 なお、これに対し日本の法務省は下記のような見解をとる
【参照】法務省トップページ  >  政策・審議会等  >  刑事政策  >  我が国の刑事司法について,国内外からの様々なご指摘やご疑問にお答えします。
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/20200120QandA.html
* 「人質司法」の誤解アピール 法務省、ゴーン事件受け世界へ動画発信(産経新聞、2021年3月7日記事)
https://www.sankei.com/affairs/news/210307/afr2103070013-n1.html

*7 意見書の原文
https://www.ohchr.org/Documents/Issues/Detention/Opinions/Session88/A_HRC_WGAD_2020_59_Advance_Edited_Version.pdf
参考記事:ゴーン被告逮捕は「不当」 国連作業部会が意見書(時事通信JIJI.COM11月24日記事)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020112400028&g=soc
外務省トップページ > 会見・発表・広報 > 報道発表 > 国連の恣意的拘禁作業部会(ゴーン被告人案件)による意見書公表
「報道発表 国連の恣意的拘禁作業部会(ゴーン被告人案件)による意見書公表(2020年11月23日付)」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press3_000373.html

*8 京都宣言「犯罪防止におけるジェンダーの視点の主流化(27・28)」、「刑事司法制度におけるジェンダーの視点の主流化(43・44)」


2021年3月12日、犯罪学研究センター主催のシンポジウム「みんなで話そう京都コングレス2021〜龍谷コングレスに向けて〜」をオンライン上で開催し、約60名が参加しました。
【>>イベント概要】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-7969.html
【>>第1部開催レポート】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-8179.html
【>>第3部開催レポート】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-8181.html


第2部「コングレスの過去、現在、そして・・・」では、浜井浩一教授(本学法学部、犯罪学研究センター国際部門長)と、石塚伸一教授(本学法学部、犯罪学研究センター長)が、国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)の歴史や50年前に京都で開催されたときのインパクト・意義について述べました。


浜井浩一教授(本学法学部、犯罪学研究センター国際部門長)

浜井浩一教授(本学法学部、犯罪学研究センター国際部門長)


石塚伸一教授(本学法学部、犯罪学研究センター長)

石塚伸一教授(本学法学部、犯罪学研究センター長)

浜井教授は「UNコングレスの意義と役割の変化」と題し、コングレスの歴史的経緯を確認しつつ、国連と政策決定について報告しました。刑事司法における国際会議の歴史*1は、1846年に開催された国際監獄会議(International Penitentiary congress)まで遡ることができます。これは刑罰の中心である刑務所での処遇方法のあり方について話し合う会議でした*2。1948年に国連に社会防衛部(Section of Social Defence) が設けられことに伴い、同会議の役割も承継されることになり、1955年に第1回コングレスがジュネーブで開催されます。「第1回から第5回までは、国際監獄会議の流れを受け継ぎ、被拘禁者処遇最低基準規則を中心に、いろんな知見や問題意識を共有することに主眼がおかれ、本会議を除いて分科会においては政府代表だけでなく専門家など個人参加者にも投票権があるなど専門家会議の色彩が濃いのが特色だ」と浜井教授は指摘します。
1970年に日本で開催された第4回京都コングレスでは、「経済発展と犯罪抑制を両立する社会防衛」がテーマとなっており、数多の日本の刑事法の専門家や法務省幹部が出席する一大イベントでした。1980年第6回カラカスコングレスから「専門家会議」から「政策決議機関」へとコングレスの位置づけに変化が生じ、政府の代表者のみ本会議・分科会の投票権があり、その他の参加者はオブザーバーとなります*3。このような変化に加え、国際協力が強調されたことや、5年ごとではなく毎年政策会議を行うべきだという意見が多かったことなどが契機となり、1991年の国連総会において、コングレスとは別に国連犯罪防止司法委員会(コミッション)*4が設置されることになります。コミッションの設置以降、コングレスはコミッションに対する諮問機関となります*5。その結果、1995年の第9回カイロコングレスから「実務専門家会合的」な色彩に戻っていきました。2000年の第10回ウィーンコングレスからは、コングレスが諮問機関としての役割を担うために、会議の最後に政治宣言を採択してコミッションに提出することが決まります。大臣級政府関係者を含んだハイレベルな会合が行われるようになりました。ここにおいて、政策の包括的な大綱・方向性をコングレスで決定し、その具体化をコミッションで行うという現在の形に役割分担が確立しました。


浜井教授による報告のようす(コングレスとコミッションの役割)

浜井教授による報告のようす(コングレスとコミッションの役割)

浜井教授は、今回日本においてコングレスが開催された意義をつぎのようにまとめます。
 1. 実際の現状に左右されず、理想的な理論を展開することができること
 2. コングレスの政治宣言を利用してお墨付きを得ることで、その後の政策に対する外圧として各省庁の内部改革を進めやすくなること
 3. 国際経験を積むことで省庁の職員の視野を広くすることができること
 4. 国際司法分野での日本の存在感を高め、矯正・保護分野の重要性をアピールできること
今回のコングレスで採択された京都宣言*6については「犯罪原因への対応や、エビデンスに基づく犯罪防止、若者のエンパワーメントを強化する必要性、再犯防止に向けた取組等を盛り込めたことに一定の評価が与えられるのではないか」と述べ報告を終えました。



つづいて石塚教授から「50年前の京都コングレスとはなんだったのか」と題した報告が行われました。
石塚教授は「明治時代より日本が欧化政策をすすめる中で、いかに不平等条約を撤廃し、関税自主権や領事裁判権を獲得するかが課題であった。そのために国際監獄会議にも参加し、国内法を整備することで、世界に対し日本が欧米にも劣らない近代的な法制度を持つ国であることをアピールする必要があった。戦前に作られた刑法や監獄法はその成果を象徴するもののひとつであった」と述べ、国際会議が日本に及ぼしてきた影響について指摘します。戦後、敗戦国であった日本は、1954年国際人権規約の起草や1955年のコングレスで「被拘禁者処遇最低基準規則」が採択されたことを受け、「条約と違って法的拘束力がない国際準則であるものの*7、まだどこの国も成し遂げていない目標を達成するために、監獄法の改正を目指すことになった。戦前は監獄法を作ることで国際社会にアピールしたが、今度は改正によってアピールするという狙いだった。そのような気運のなかで1970年に開催された京都コングレスは日本の刑事政策の転換をうながす極めて重要な意義を持つ」と石塚教授は述べます。
1976年自由人権規約の効力発生を利用して、法務大臣は法制審議会に対して、日本の人権意識を国際準則に整合するものに変えることを目標に「監獄法改正」を諮問します。その時のスローガンが「法律化」「近代化」「国際化」でした。石塚教授は「国際化とは、国際人権規約に適合するもの、法律化は古い監獄法を廃し新しい行刑法を作ること、そして近代化とは人道化、人権を守る刑務所を作る。日本は『日本の刑務所は人権を守れていない』という謙虚な気持ちを持ち、監獄法改正へ向かっていたのだ」と述べます。しかし、法案を3回提出するも様々な事情により成立に至りませんでした*8。コングレスや条約の流れを汲んだ監獄法改正が実現しないのか危ぶまれたところ、2002年の名古屋刑務所事件を契機に、遂に監獄法改正が成し遂げられました。
石塚教授は「改正されたことには一定の評価が与えられるものの、監獄法改正の作業の問題を検討していた研究者グループは、戦後改革の一環としてはじめられた行刑の民主化の集大成という視点から検討しており、その点から見るとまだ課題が取り残されている」と指摘します。研究グループが議論の中心に据えるのは1980年に法制審で提出された「監獄法改正の骨子となる要綱」おいて平野龍一博士の示した3つの方向性でした。①「管理法から処遇法への転換」、②「権利設定法から権利制限法への基本的視点の転換」、③「自由制限根拠の明確化」です。これらは「被収容者の権利ないし自由の限界をはっきりさせようという点と社会復帰のための処遇をその任意性、自主性に基づいてやろうとした点に特徴があり、我々の目指したところは、刑罰内容は行動の自由の制約を限定しながら(自由刑の純化)、意欲のある人に対して人的・物的に支援する(社会復帰の支援)という理論枠組みの可能性を提示することにあった。その課題は犯罪学研究センターにも引き継がれている」と石塚教授は説明します。


石塚教授による報告のようす(法の支配か? 法による支配か?)

石塚教授による報告のようす(法の支配か? 法による支配か?)

さいごに、石塚教授は「処遇や再犯予防という題目をたてるだけでは受刑者および市民に対して強制することはできないし、強制であっては効果が望めない。このことはコングレスで出される政治宣言にも言える。国際会議の決定は、国家が市民社会に介入する時にどのようなことを述べるのかを決めたことである。大事なのは市民の側がそれに対してどのような反応をするかだ。一方通行ではなく、環状に双方向に意見を対比し合意を形成すること、それが真の意味での国際的同意につながるだろう。犯罪学研究センターは市民サイドに立ってどのようなことが言えるのかを考え、発信していきたい」と述べ報告を終えました。

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【補注】
*1 参考文献
森下忠「国際会議と矯正・保護」朝倉京一・佐藤司・佐藤春夫・森下忠・八木国之(編)『日本の矯正と保護第1巻行刑編』(有斐閣、1980年)345頁〜362頁
「国連犯罪防止刑事司法会議 65年のあゆみ」(国際連合広報センター)
https://unis.unvienna.org/pdf/2020/CrimeCongress/65-years-brochure_jp.pdf

*2 同会議はその後「国際刑法及び刑務会議(International Penal and Penitentiary Commission (IPPC)」と改称され、行刑だけでなく刑法問題も併せて議論された。1948年、国連に社会防衛部(section of Social Defence)が設けられたのに伴い、同会議の役割が国連に移管されることとなり、1950年に開催された第12回会議を最後に役目を終える。
https://www.unodc.org/congress/en/previous/previous-ippc.html

*3 1990年の第8回ハバナコングレスでは国際連合アジア極東犯罪防止研修所(United Nations Asia and Far East Institute for the Prevention of Crime and the Treatment of Offenders:UNAFEI)を中心に原案を策定した「非拘禁措置に関する国連最低基準規則(東京ルールズ)」が採択された。人道的・経済的効率を含意して社会内処遇を充実していこうという流れに。

*4 犯罪防止刑事司法委員会(Commission on Crime Prevention and Criminal Justice : CCPCJ)とは経済社会理事会の機能委員会の1つ。犯罪防止と刑事司法に関する国際的な政策を作成、活動を調整している。
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/social_development/crime_drug_terrorism/crime_prevention/
https://www.unodc.org/unodc/en/commissions/CCPCJ/index.html


*5 国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and Crime : UNODC)は、国連総合事務局内に1997年に設立され、不正薬物と越境組織犯罪(人身売買、テロ、資金洗浄等)への対策のために各機関への助言や司法制度整備支援をはじめ、関連する調査や統計の分析等を行っている。コングレスの事務局も担当している。UNODCには日本の法務省からもスタッフ(主に検察官)が派遣されている。
https://www.unic.or.jp/info/un/unsystem/other_bodies/unodc/
https://www.unodc.org/

*6 今回のコングレスで採択された政治宣言「京都コングレス」は下記参照
http://www.moj.go.jp/KYOTOCONGRESS2020/programme/meetings.html

*7 1966年12月16日に「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)」が採択され、1976年3月23日に効力発生。

*8  その後の大まかな流れ
- 1980年11月25日法制審議会「監獄法改正の骨子となる要綱」答申
- 1982年4月『刑事施設法案(昭和57年法案)』(拘禁2法)国会提出
- 1987年『刑事施設法案(昭和62年法案)』(拘禁関連4法)国会提出
- 1991年『刑事施設法案(平成3年法案)』国会提出
- 2002年「名古屋刑務所事件」
- 2003年12月22日「行刑改革会議提言」
- 2005年3月14日「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案」国会提出
- 2005年5月18日「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」成立
- 2006年2月2日「未決拘禁者の処遇等に関する提言」
- 2006年6月2日「刑事施設及び受刑者等の処遇等に関する法律の一部を改正する法律」成立
 →「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」
- 2006年5月18日「刑事施設及び受刑者等の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案」国会提出
 →2006年6月「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」成立。2007年6月施行。


2021年3月12日、犯罪学研究センター主催のシンポジウム「みんなで話そう京都コングレス2021〜龍谷コングレスに向けて〜」をオンライン上で開催し、約60名が参加しました。
【>>イベント概要】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-7969.html
【>>第2部開催レポート】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-8180.html
【>>第3部開催レポート】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-8181.html


1970年8月、京都において国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が開かれてから半世紀。2021年3月7日〜12日に、ふたたび京都において「第14回 国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)」が開催されました。
これまで犯罪学研究センターは、この京都コングレスを意識しながら、「人にやさしい犯罪学」をモットーに、対人支援を基軸とした科学的証拠に基づいた犯罪学を構築し、日本国内だけでなく、広く世界にアピールすることを目的に研究活動を展開してきました。
 本シンポジウムは、「刑事政策の過去・現在・未来」をテーマに、京都コングレス・サイドイベントに参加した研究者やユースフォーラム参加学生をゲストに迎え、市民の視点で捉える京都コングレスの開催意義をはじめとした、当センターの目指す新時代の刑事政策構想について、参加者の皆さまと一緒に考えることを目的に企画しました。


当日のプログラム/司会進行:古川原 明子准教授(本学法学部、犯罪学研究センター「科学鑑定」ユニット長)

当日のプログラム/司会進行:古川原 明子准教授(本学法学部、犯罪学研究センター「科学鑑定」ユニット長)

開会に先立ち、津島 昌弘教授(本学社会学部、犯罪学研究センター研究部門長)による挨拶が行われました。津島教授は「なぜ龍谷コングレスなのか」という点が、今回のシンポジウムのポイントになると主張。「市民の、市民による、市民のための龍谷独自の刑事政策構造の構築に向けて」というフレーズ、またノルウェーの犯罪学者 ニルス・クリスティ氏*1のアイディアを用いて、現在の日本の刑事司法・刑事政策は「市民の、市民による、市民のためのもの」になっているかを参加者に問いかけました。


津島 昌弘教授(本学社会学部、犯罪学研究センター研究部門長)

津島 昌弘教授(本学社会学部、犯罪学研究センター研究部門長)

クリスティ氏は犯罪に対する姿勢について、昔は被害者と加害者に加えて地域の皆で話し合いをしたうえで妥協点を見出し解決に至っていたのに対し、近代社会では法に則り法の専門家によって解決が図られるようになったことに問題があると考えました。犯罪に対する法律の専門家による独占的な介入こそが当事者の対話、つまり問題となっている事実について、お互いの考えを理解する試みや合意に至るプロセスを考える機会を奪うことに繋がっているのではないか?と主張したのです。この考えを基に、津島教授は「京都コングレスはいわば専門家のイベントである。クリスティ氏の唱える“対話”という市民の共有財産を、専門家の手から市民の手に取り戻すこと。本日のシンポジウムの狙いはそこにあると私は考えている」と述べ、さらに「この龍谷コングレスでの話し合いを通して、刑事政策のあるべき姿の組み立てに繋げるためにも、皆様の活発なご発言を期待している」と参加者に呼びかけました。
 

第1部では、はじめに京都コングレス・ユースフォーラム参加学生から報告がありました。京都コングレス・ユースフォーラムは、世界の若者たちがコングレスの議題に関連したテーマについて2日間にわたって議論を行うものでユースフォーラムにおける議論の結果は「勧告」として採択され、本会議(コングレス)に提出されます。議論全体のテーマは「安心・安全な社会の実現へ ~SDGsの達成に向けた私たちの取組~」であり、個別テーマとして「青少年犯罪の予防・罪を犯した青少年の社会復帰における若者の役割」「法遵守の文化を醸成するための若者の責任」「安全なネット社会に向けた若者の責任」の3つに分かれており、龍谷大学からは4名が会場参加して世界各国の若者と熱い議論を交わしました。

参加した学生たちは、議論や経験を通して新たに学んだことや今後の展望、さらにこれからの新入生に向けて伝えたいことを各自報告しました。
【>>関連NEWS】ユースフォーラム参加学生による報告内容はこちら


ユースフォーラム参加学生による報告のようす1

ユースフォーラム参加学生による報告のようす1


ユースフォーラム参加学生による報告のようす2

ユースフォーラム参加学生による報告のようす2

つぎに、宮澤 節生教授(神戸大学名誉教授, アジア犯罪学会会長)、平山 真理教授(白鴎大学・法学部)から「京都コングレス・ サイドイベントを主催して」をテーマに報告がありました。宮澤教授と平山教授は、サイドイベントではACS(アジア犯罪学会)スポンサーセッションとして、「性犯罪」「刑事司法システムにおける被害者の観点と視点」「刑事裁判における一般市民の参加」「日本の映画やテレビドラマ、小説における刑事司法のイメージ」の4つのセッションを共に担当しました。
新型コロナウイルスの影響もあり、「京都コングレス」は当初の予定から大幅に延期して行われました。宮澤教授は、延期に伴う参加登録手続きの困難、情報の混乱があったこと、また現地参加(京都国際会館)と海外からのオンライン参加のハイブリッド形式で行われたことによる通信トラブルや画面表示に関する問題点など、懸念すべき点があったことを報告しました。
宮澤教授は「手続き等、多少不便な所はあったが、わずかでも私たちの報告内容を聞いてくれた人、とりわけ海外の人たちがいたと思うと参加して良かったと思える。また法務省が大きな力を発揮して、財政力を使った場面もある。私たちが2021年6月に行うアジア犯罪学会 第12回年次大会(ACS2020)にとっても参考になる部分がある」と、参加した感想を反省や経験を踏まえて報告。つづけて平山教授は「ネット環境が不安定だったため、当日も不安に感じていた。またオンラインで視聴している人はスライドの画面表示が小さく見えづらかったのではないかと思う。しかし、各セッションのサポートスタッフが親切だったこと、後日セッションの様子が視聴できるといった点は良かった」と述べ、「オンライン視聴者からチャットに、リアルタイムに質問やコメントが入るのを見て、報告内容に関して多くの人に関心を持ってもらえたと実感した。コロナ禍で他国と積極的な交流を図ることは難しくなってしまったが、日本における刑事司法の課題を様々な観点から比較法的に論じることができたので、参加して良かったと思う」とオンライン機能の利点に触れながら実際の状況をまとめ、報告を終えました。


宮澤 節生教授(神戸大学名誉教授, アジア犯罪学会会長)

宮澤 節生教授(神戸大学名誉教授, アジア犯罪学会会長)


平山 真理教授(白鴎大学・法学部)

平山 真理教授(白鴎大学・法学部)

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【補注】
*1 ニルス・クリスティ(Nils Christie)
1928年–2015年5月27日。ノルウェー出身。社会学、犯罪学者。オスロ大学教授であり、コペンハーゲン大学名誉学位を取得。北欧犯罪学をリードし、人間を大切にする刑事政策の実現に多くの成果をあげてきた。


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